平成13年度 第1回総合小委員会

Ⅰ-6 環境影響評価における「評価」の考え方

1 影響の客観的な評価

 景観・触れ合い活動の場に関する評価は、保全方針で明らかにした環境保全措置の対象と目標に対して、採用した環境保全措置を実施することにより、予測された影響を十分に回避または低減しうるか否かについて、事業者の見解を明らかにすることにより行う。
 評価において事業者の見解を示すにあたっては、その根拠ができる限り客観的に説明される必要がある。そのためには、個々の環境保全措置の妥当性の検証結果を引用しつつ、複数案の比較結果や実行可能なより良い技術が取り入れられているか否かについての検討結果を一覧表などに整理して示した上で、景観・触れ合い活動の場への影響について全体としての見解を示すのが一般的である。その際、以下の点に留意が必要である。

<評価の記載に当たっての留意点>

2 総合的な評価との関係

1) 他分野の評価結果との総合化
  準備書や評価書においては、景観、触れ合い活動の場などの自然との触れ合い分野に関する各環境要素ごとの評価結果は、大気・水環境分野、生物多様性分野、環境負荷分野などに関するそれぞれの環境要素ごとの評価結果と併せて「対象事業に係る環境影響の総合的な評価」として取りまとめて示す必要がある。
 それぞれの環境要素間には、トレード・オフの関係が成立するものがあることから、総合的な評価においては、これら環境要素間の関係や優先順位について事業者はどうとらえて対応したのかについて明確に示す必要がある。

2) 総合評価の手法と表現方法の創意工夫
 総合評価の手法および表現方法としては、一覧表に整理する方式があり、ほかには、一対比較による方法や得点化する方法などが知られている。今後は、合意形成の手段でもある環境影響評価の目的達成に向け、事業者の総合的な見解として、対象事業が及ぼす環境影響に対する環境配慮のあり方をその根拠とともに、住民などに分かりやすく簡潔に伝えられるように個別案件ごとに創意工夫を重ねていく必要がある。

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