大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術検討会中間報告書
大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術(I)<スコーピングの進め方>(平成12年8月)
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技術シート 登録番号:地下水-3
環境項目 |
地下水 |
技術等の種類 |
調査 |
技術等の名称 |
地下水流動:水質測定法 |
技術等の概要 |
地下水に溶存する主要成分の分析を行い、主要成分の組成による水質の類似性や差異の程度を図形表示法や多変量解析により解析し、地下水流動について把握する手法である。
[1] |
図形表示法:トリリニアダイアグラム、ヘキサダイアグラム(パターンダイアグラム)等 |
[2] |
変量解析:濃度相関マトリックス解析、クラスター分析、主成分分析等 | |
調査・予測の 必要条件 |
・ |
公定法に基づいた精度の高い水質分析が必要。(分析は以下の試験方法に準拠) |
[1] |
上水試験法(厚生省衛生検査指針)、日本水道協会 厚生省令第56号 |
[2] |
JIS K0101(1966)工業用水試験法、日本規格協会 |
[3] |
国土調査法水質調査作業規程準則(昭和32年総理府令第14号) |
[4] |
鉱泉分析法指針(改訂)環境庁自然保護局 温泉工学会誌Vol3,No.1(1978) |
・ |
対象地域の水理地質構造(帯水層構造)が明らかであること。 | |
適用範囲 |
・ |
全ての地下水について適用可能。 |
課題 |
・ |
水理地質構造(帯水構造)が不明確の場合には解釈を誤る可能性があり、他の地下水流動調査と併用し、総合的に解析を行うことが望ましい。 |
・ |
分析値が基本となるため、分析値の精度、品質管理が重要である。分析値の検定には、以下の方法等がある。 | |
[1] |
陽・陰イオンのバランスによる方法 |
[2] |
伝導度による方法 | |
参考とした 文献・資料 |
基準・指針・ハンドブック等
日本河川協会(1997)改訂新版
建設省河川砂防技術基準(案)同解説・調査編.山海堂、東京、pp591.
地下水ハンドブック編集委員会(1998)改訂地下水ハンドブック.(株)建設産業調査会、東京、pp1504.
建設省河川局(1993)地下水調査および観測指針(案).山海堂、東京、pp330.
単行本
山本荘毅(1983)地下水調査法.古今書院、東京、pp648.
水収支研究グループ(1993)地下水資源・環境論-その理論と実践-.共立出版、東京、pp350.
地下水問題研究会(1991)地下水汚染論 その基礎と応用.共立出版、東京、pp340.
佐藤修(1993)地すべり地における地下水水質調査法(その1).地すべり技術、20(1)、11-23.
佐藤修(1993)地すべり地における地下水水質調査法(その2).地すべり技術、20(2)、18-28.
佐藤修(1994)地すべり地における地下水水質調査法(その3).地すべり技術、20(3)、16-26. |
備考 |
地下水の水質は、異質の地下水との混合、水文循環の過程で生じる化学変化、地層・岩石からの成分の溶出等により時間的、空間的に変化している。水質組成の解析には、上記に示した要因を考慮して行う必要がある。 |