大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術検討会中間報告書
大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術(I)<スコーピングの進め方>(平成12年8月)

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技術シート 登録番号:水質-5

環境項目 水質 技術等の種類 調査
技術等の名称 Four-flux modelを用いた光学理論に基づく複数物質混在水域の海中物質濃度推定法
(沿岸環境モニタリング技法の実用化のための衛星リモートセンシング画像解析手法)
技術等の概要  これまでの手法は、解析対象海域や衛星画像のセンサーが変わるごとに、衛星到達光を算出するために膨大な処理時間が必要とする。
 本方法は、海域依存性やセンサー依存性のない衛星リモートセンシング画像解析手法の確立を目指すものである。
 また、本方法は、従来の統計的解析手法によらず、光学理論に基づく手法であり、海域に混在する複数の物質を分離推定が可能である。
 本方法は、海中の放射伝達理論に基づいて定式化されたものであり、海中に存在する物質の光学的特性、およびその濃度の違いに起因する衛星データの輝度値の違いから物質の濃度の推定を行うものである。
 なお、定式化は、拡散放射理論に基づくfour-flux modelを用いて行う。また、次の仮定を設ける。

鉛直の濃度分布は一定とする。
水深に比べて光の透過距離が十分短いとし、海底からの反射は考慮しない。
調査・予測の
必要条件
物質の光学的特性
衛星データ
現地観測データ:初期値の設定に必要
適用範囲 適用例 :東京湾奥部
対象項目:クロロフィルa、土砂(SS分)、DOCの複数物質の濃度分布のリアルタイムの推定を行う。
課題
実用化に向けての基本的な課題をクリアした段階である。
水深が浅い湾岸部の衛星データは、海底面の影響が含まれているものと考えられ、改良が必要である。
参考文献 宮崎早苗・灘岡和夫・熊野良子・ニ瓶泰雄・孟 ・劉寧(1998)新たな衛星画像解析法に基づく沿岸環境モニタリング技法の実用化に向けての検討.海岸工学論文集、45、1276-1280.
備考  

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