大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術検討会中間報告書
大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術(I)<スコーピングの進め方>(平成12年8月)

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第5章 大気質技術シート

登録番号:大気質-14

環境項目 大気質 技術等の種類 予測
技術等の名称 CALPUFF(California Puff Model)
技術等の概要  CALPUFFは、沿岸部や複雑地形による非定常な気流変化による汚染物質の移流・拡散に対応するため、1995年にScireらによって開発されたモデルであり、三次元気流モデルにより生成された気流の場において、移流パフによる汚染物質の移流拡散計算を行うものである。
 モデルは大きく、[1]三次元気流モデルであるCALMET、[2]パフによる移流拡散モデルであるCALPUFF、および出力の解析モデルであるCALPOSTの3つのコンポーネントによって構成され、さらにいくつかのサブモジュールの使用が可能となっている。なお、CALPUFFへの入力条件となる気流モデルには、三次元非定常気流の他、ISC3等で用いられる定常の単気流を用いることもできる。
 同モデルでは、内部境界層によるフュミゲーションを扱うことができる。
 CALPUFFは2000年に、EPAの推奨モデル(Guideline on Air Quality Model のAppendix Aに記載されるモデル)となっている。
調査・予測の
必要条件
地形データ
発生源パラメーター(発生源位置、排出量、排出強度、煙突高、排出速度など)
グリッドの設定
乾燥沈着、湿潤沈着に係るパラメータ
二次反応に係るパラメータ(オゾン、アンモニアバックグラウンド濃度など)
適用範囲 発生源: 点源、線源、面源、および立体的な発生源
対象物質:基本的には一次汚染物質。但し簡単な化学変化を扱うことができる
気流の場:非定常、非一様な場
地形条件:複雑地形、沿岸域、都市域、郊外
特殊条件:ダウンウォッシュ、フュミゲーション、乾燥沈着、湿潤沈着
課題 我が国における適用例はない。
同モデルはソースコードが公開されているが、コードに変更を加えた場合には" CALPUFF "ではなくなることに注意が必要である。
参考となる
文献・資料
Joseph S.Scire, David G.Strimaitis, Robert J, Yamartino (1999)A User’s Guide for the CALPUFF Dispersion Model (Version 5.0).Earth Tech, Inc

EPA (1998) Interagency Workgroup on Air Quality Modeling (IWAQM) Phase2 Summary Report and Recommendations for Modeling Long Range Transport Impacts EPA-454/R-98-019 (http://www.epa.gov/scram001/7thconf/calpuff/phase2.pdf)

備考

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