大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術検討会中間報告書
大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術(I)<スコーピングの進め方>(平成12年8月)

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第5章 大気質技術シート

登録番号:大気質-9

環境項目 大気質 技術等の種類 予測
技術等の名称 ISC3 (Industrial Source Complex Model)
技術等の概要  工場等の固定発生源による大気質濃度を、正規プルームにより予測するEPAの推奨モデルの一つ。短期予測を行うISCST3と長期予測を行うISCLT3がある。
調査・予測の
必要条件
煙源情報:位置、排出量、煙源高さ、排出速度、煙突内径、排煙温度

気象情報:時間毎の大気安定度、風向、風速、気温、混合層高さ

適用範囲 煙源:工場等の固定源。点源、線源、面源、さらに高さ方向のボリュームを持つ煙源に対応。

地形:郊外および都市域。平坦~起伏地形。
予測範囲:50km以下
予測時間:1時間~1年間
対象物質:一次物質
その他:沈着(乾性沈着)を考慮できる

 影響を及ぼす建物から建物高さまたは幅の3倍以内の距離は、逆流域内で気流が激しく乱れるため予測できない。

課題  米国の気象条件、地形条件等での予測を前提に作成されているため、我が国における適応については慎重な検討が必要である。
 なお、同モデルはソースコードが公開されているが、コードに変更を加えた場合には"ISC3"ではなくなることに注意が必要である。

 大気安定度分類がパスキルが定めた6段階なので、日本の大気安定度(10段階分類)との対応を図る必要がある。

参考となる
文献・資料
U.S.ENVIRONMENTAL PROTECTION AGENCY(1995)USER’S GUIDE FOR THE INDUSTRIAL SOUCE COMPLEX (ISC3) DISPERSION MODELS VOLUMEI- USER INSTRUCTIONS.
U.S.ENVIRONMENTAL PROTECTION AGENCY(1999)Appendix W to 40CFR Part51.

Source Code等は、"National Technical Information Service(NTIS),U.S. Department of Commerce, Springfield, VA 22161で入手可

備考  ISC3は、EPAの7th Modeling Conference(2000年6月)により、最新版ISC-PRIMEとなり、建物によるダウンウォッシュについての取り扱いがより詳細なものとなった。
(http://www.epa.gov/scram001/t29.htm)

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