【Ⅲ-11】 表Ⅱ-4-2 事業計画の段階に応じた環境保全措置の例(景観)
(1)景観における存在・供用影響に関する保全措置
(1/2)
眺望景観に対する保全措置の例 | 囲繞景観に対する保全措置の例 | |
回避または低減措置 |
立地・配置に関する措置 | |
■目立ちやすい地形条件の場所を避ける ・スカイラインを保全する。 ・山頂や稜線を避ける。 ・直線的な平坦地を避け、窪地的な地形に配置する。 ・地勢線の集中している箇所を避ける。 ■自然景観の形態的特性を乱さない ■周辺地形の起伏を活かして隠す、おさめる ■眺望の焦点、視軸を避ける ■視線方向に留意したレイアウトとする ■施設配置に規則性を持たせる ■既存樹林の伐採を極力避けた配置とする |
■価値認識の高い景観区の改変を最小化する ・価値認識の高い景観区の直接改変量を最小化する。 ■代表的指標の変化を最小化する ■代替性のない価値認識を有する景観区の改変を避ける ■同質の価値認識が連続する景観区の分断を避ける |
|
規模・構造に関する措置 | ||
■周辺景観のスケール感を乱さない ・構造物と背景となる山体の高さとのスケール比を景観に支障を及ぼさない程度に小さくする。 ■周辺樹林、海岸等との連続性を確保する ■人工物の見えの大きさを最小化する ■施設形態を周辺景観の支配線になじませる ■地形の状態を尊重した造成をおこなう |
■景観区のスケール感を乱さない ・景観区内の起伏量以下に構造物の高さを抑える。 ■価値認識の高い景観区の連続性を確保する ■景観区内の人工物の見えの大きさを最小化する ■施設形態を景観区内の囲繞景観の支配線になじませる ■規模や構造を代表的指標と融和させる |
|
デザイン・修景、設備に関する措置 | ||
■地域性に配慮したデザインを採用する ・周辺の伝統的な建築デザインをモチーフに用いる。 ■複数施設間のデザインに規則性を持たせる ■大規模な平滑面が生じないデザインとする ■建築附帯構造物が目立たないデザインとする ■周辺景観となじみやすい素材を採用する ■周辺景観となじみやすい色彩を採用する ■テクスチュアを工夫する ■遮蔽植栽を施す |
■景観区内を造園的手法を用いて修景する ・景観区内での視線誘導により構造物の視覚的インパクトを和らげる。 ・構造物の足元の植栽により視覚的印象を和らげる。 ・構造物との間に水面を配置して隔離感を出す。 ■景観区内の色彩的統一を図る ■景観区内の地学的形状をなじませる ■景観区内の植生を連続させる |
(2/2)
眺望景観に対する保全措置の例 | 囲繞景観に対する保全措置の例 | |
管理・運営に関する措置 | ||
■眺望点の利用性(騒音、アクセス等)変化に配慮する
■残置・造成森林の維持・管理により遮蔽機能を確保する |
■景観区内の利用性の変化に配慮する
■景観区内の造成森林の維持・管理により周辺の残置森林との連続性を確保する |
|
代償措置 |
■改変した眺望点に代わる新たな眺望点を創出する ・直接改変で失われた眺望点と同様の眺望対象、眺望方向が眺められる眺望点を創出する。 ■既存の眺望点の眺望条件を向上させる ■既存の眺望点の利用条件を向上させる |
■改変した代表的指標の高い環境を同一景観区内に復元する ・直接改変で失われた河川と同様の形態の河川を付け替え整備する。 ・造成地への植栽により価値認識の高い樹林を復元する。 ■価値認識を規定する指標の高い環境を新たに創出する ■景観区内に価値認識要素を新たに創出する ■価値認識が低い景観区の価値を向上させる |
(2)景観における工事影響に関する保全措置
眺望景観に対する保全措置の例 | 囲繞景観に対する保全措置の例 | |
回避または低減措置 | ■大規模な工事用機材の配置や出現期間に配慮する ・クレーン等の出現期間を短縮させる、利用繁忙期を回避する。 ■沈砂池の設置により濁水発生の発生を防止する ■造成地等の早期緑化をおこなう ■眺望点の利用性(騒音、アクセス等)変化に配慮する |
■工事の実施に伴う景観区内の立入制限区域を最小化する ・立入制限区域を最小化する、立入制限期間を短縮させる、利用繁忙期の制限を回避する。 ■沈砂池の設置により濁水発生の発生を防止する ■造成地等の早期緑化をおこなう ■景観区内の利用性の変化に配慮する |