Ⅰ 対象とする地域と事業の特性等
○ 対象とする地域の概要(次頁図Ⅰ-1参照)
○ 対象とする事業
<事業の種類>土地の造成及び建造物・道路整備などの面開発事業
<事業実施区域の面積>307ha
<直接改変区域の面積>36ha
○ 環境の保全・創出に向けての方針
・地域の概要及び事業の特性を踏まえ、環境の保全・創出に向けた方針を次のとおりとした。
[1] 地域を特徴づける、あるいは地域住民に親しまれている自然的要素、地域の歴史性を反映した文化的要素を可能な限り保全する。
[2] 樹林のまとまり及び連続性を可能な限り確保する。
[3] 地形を活かした事業計画とし、改変量を最小化するとともに、水系の保全に努める。
○ 想定される影響要因と対象とすべき環境要素
・地域概況調査の結果を踏まえ、想定される影響要因と対象とすべき環境要素を下表のとおりとした。(なお、本ケーススタディでは、「存在・供用(土地の改変、工作物の存在)」のみを対象として例示している。)
表Ⅰ-1 想定される影響要因と対象とすべき環境要素のマトリクス
影響要因 | 存在・供用 | ||
影響要因(細区分) 環境要素 |
土地の改変 |
工作物の存在 |
|
眺望景観 |
景観資源 | ○ | ○ |
眺望点 | ○ | ○ | |
眺め | ○ | ○ | |
囲繞景観 |
景観資源 | ○ | ○ |
眺望点 | ○ | ○ | |
眺め | ○ | ○ |
図Ⅰ-1 ケーススタディ対象地域の概況図
Ⅱ スコーピング
1.影響の種類と調査地域の想定
2-19
・地域概況調査による事業実施区域周辺の景観特性、景観資源・眺望点の分布状況等を踏まえ、事業実施に伴う影響の種類とその影響可能性を検討する範囲を図Ⅱ-1の通り想定した。
図Ⅱ-1 眺望景観及び囲繞景観への影響範囲
2.環境影響評価の対象とすべき要素の抽出
・地域概況調査の結果抽出された景観資源、眺望点のうち、想定した影響範囲に含まれる以下の表Ⅱ-1及び図Ⅱ-2に示すものを環境影響評価の対象とすべき要素として抽出した。
表Ⅱ-1 想定した影響範囲に含まれる景観資源及び眺望点とその概要
区 分 | № | 名称 | 注目すべき理由 | 事業実施区域との関係性 | |
景観 資源 |
山稜 |
1 |
○○山 |
△△国定公園特別地域に指定、××市街から前衛の山稜として眺望される | 事業実施区域内の最高地点に位置する。 |
2 |
△△山 |
△△国定公園特別地域に指定、一帯の最高峰 | 事業実施区域の東北東約2km、山頂から派生する主要稜線が××市境をなす。 | ||
川 | 3 |
□□渓谷 |
△△国定公園特別地域に指定、渓谷は地域でも稀である | 事業実施区域の北東約3.5km、東西に流れる□□川沿いに位置する。 | |
4 | ○○川 | 地域随一の大河川 | 事業実施区域西縁から流下している。 | ||
池沼 | 5 |
△△湖 |
△△国定公園利用計画上の宿舎に近接 |
事業実施区域の南東約1km、南北に流れる△△川沿いに位置する。 | |
6 |
○○滝 |
△△国定公園利用計画上の園地、 |
事業実施区域の北東約3.5km、○○川沿いに位置する。 | ||
7 |
○○池 |
地域最大規模の農業用水池で、地域住民の散策地として利用される | 事業実施区域内。 |
||
生 物 |
8 |
△△山の常緑針葉樹林 |
△△国定公園の特別地域に指定、第2回自然環境保全基礎調査において特定植物群落に指定 | 事業実施区域の東方約2km、△△山南部稜線一帯に分布している。 |
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社 寺 |
9 |
□□寺 |
△△国定公園利用計画上の歩道が通過する古刹 | 事業実施区域北方約2km。 |
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10 |
△△神社 |
△△国定公園利用計画上の歩道沿いの主要な興味地点 | 事業実施区域の南東約3.5km、△△山山麓の登山口に立地している。 | ||
史跡 | 11 |
××古墳 |
国指定史跡 | 事業実施区域の北東約3km。 |
|
眺望点 |
鉄道 | A |
○×鉄道 (○○駅) |
ホーム上から事業実施区域が見える、○○山探勝の最寄り駅 | 事業実施区域の西約750m。 |
歩道 | B |
△△自然歩道 |
公園計画上の歩道、断続的に事業実施区域が見える | 事業実施区域から最短約1.5km |
|
展望所等 |
C |
○○展望台 |
公園内の展望所、事業実施区域至近距離で視認される | 事業実施区域の北西約1km。 |
|
D |
△△山展望台 |
公園計画歩道上の休息地点であり、事業実施区域が見える | 事業実施区域の東北東約2km。 |
||
E |
○○台 | ○○池や××市街方面の眺望地点として利用される | 事業実施区域内。 | ||
F | ○○山 | ××市街方面の眺望地点として利用される | 事業実施区域内。 | ||
居住地等 | G | ○○ヶ丘 |
団地東部縁辺を中心に、事業実施区域が至近距離で視認される | 事業実施区域の南西に近接する。 | |
H | 台 |
団地南東部縁辺を中心に事業実施区域が見える | 事業実施区域の西方約1km | ||
河川 | I | ○○大橋 |
○○川に架かる橋梁であり、河川軸上に事業実施区域が見える | 事業実施区域の西約1km |
図Ⅱ-2 調査対象範囲に分布する景観資源及び眺望点の分布図
<景観資源> | <眺望点> | <調査地域等> | ||||||
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面的なもの |
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線的なもの |
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囲繞景観への影響を検討する範囲 | |||
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線的なもの |
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点的なもの |
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眺望景観への影響を検討する範囲 | |||
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点的なもの |
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事業実施区域 |