大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術検討会中間報告書
大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術(I)<スコーピングの進め方>(平成12年8月)
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技術シート 登録番号:地下水-6
環境項目 |
地下水 |
技術等の種類 |
予測 |
技術等の名称 |
数値解析モデル |
技術等の概要 |
現在、地下水流動の数値解析方法としては、モデル構成、解析手法により以下のとおり区分される。
(解析モデル) |
[1] |
一次元解析モデル |
[2] |
平面二次元解析モデル |
[3] |
断面二次元解析モデル |
[4] |
準三次元解析モデル |
[5] |
三次元解析モデル |
(解析手法) |
[1] |
差分法(FDM) |
[2] |
有限要素法(FEM) |
[3] |
境界要素法(BEM)
どの解析モデル、解析方法を用いるかは、解析の目的、対象事業の内容、対象地域の場等の地域特性がどの解析モデル、解析方法に適しているかを事前に十分に判断した上で決定する必要がある。 | |
調査・予測の 必要条件 |
解析に必要なパラメータとしては、
[1] |
水理地質構造 |
[2] |
地下水位(水頭) |
[3] |
水理定数(透水係数(k)、透水量係数(T)、貯留係数(S)、比貯留係数(Ss)) |
[4] |
涵養条件 |
[5] |
境界条件等がある。 | |
適用範囲 |
各解析モデルは、対象とする流れ(地下水流動状況)、場(水理地質構造)や必要条件等が異なり適用範囲にも違いがある。
各解析モデルの適用範囲については、参考とした文献・資料に詳細が記載されているので、そちらを参考されたい。 |
課題 |
数値解析モデルは、次元に応じたデータや情報量が必要となるため、対象となる場や事業内容、地域特性や調査精度を十分に判断した上で解析モデル、手法を選定しないと、得られた解が意味のないのものなる可能性がある。 |
環境項目 |
地下水 |
技術等の種類 |
予測 |
技術等の名称 |
数値解析モデル |
参考とした 文献・資料 |
基準・指針・ハンドブック等
日本河川協会(1997)改訂新版
建設省河川砂防技術基準(案)同解説・調査編.山海堂、東京、pp591.
地下水ハンドブック編集委員会(1998)改訂地下水ハンドブック.(株)建設産業調査会、東京、pp1504.
土木学会水理委員会水理公式集改訂委員会(1999)水理公式集(平成11年版).(社)土木学会、東京、pp625.
建設省河川局(1993)地下水調査および観測指針(案).山海堂、東京、pp330.
単行本
水収支研究グループ(1976)地下水盆の管理 理論と実際.東海大学出版会、東京、pp242.
Mary P.Anderson・William W.Woessner(1994)地下水モデル 実践的シミュレーションの基礎.共立出版、東京、pp246.
山本荘毅(1983)地下水調査法.古今書院、東京、pp490.
水収支研究グループ(1993)地下水資源・環境論-その理論と実践-.共立出版、東京、pp350. |
備考 |
数値解析結果は、ある仮定上のある条件下での結果であるため、解析モデルの妥当性について正しく吟味する内挿検定(同定計算)を行う必要がある。内挿検定に関する基本的な考え方は、以下のとおりである。
[1] |
幅広い水文条件を経験したモデルほど信頼性が高い。 |
[2] |
実測値と計算値の差が時間とともに一方的に大きいモデルは信頼性が低い。 |
[3] |
内挿検定に用いるデータは出来るだけ長期に観測された信頼性の高いものを。 |
[4] |
実測値と計算値との差が予想以上に大きくても原因が明確なモデルであれば、原因を考慮の上、予測に用いることが可能である。 | |