大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術検討会中間報告書
大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術(I)<スコーピングの進め方>(平成12年8月)

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技術シート 登録番号:水質-30

環境項目 水質 技術等の種類 予測
技術等の名称 運命予測モデル
(ダイオキシン、環境ホルモン等化学物質の環境影響評価モデル)
技術等の概要  化学物質の環境影響評価モデルには、極めて概念的で簡易なものから詳細で具体的な濃度分布を算定するものまで多様なレベルが想定され、また、既に各種のモデルが便宜的に作成され、目的に応じて使用されている。運命予測モデルは、これらの統合型モデルである。
 通産省の開発モデルであり、本モデルは、関東全体のような数都道府県にまたがる広い地域での、月平均化された化学物質残留濃度の空間分布の推定を行う。

(モデルの概要)
化学物質の運命を、大気、土壌・河川および海域の各環境区分内での挙動として扱う。
一定時間、各環境区分内での計算を行った後、環境区分間の移行の計算を行う。
調査・予測の
必要条件
気象データ:アメダス等
水文データ:河川流量等
海域データ:潮流等
化学物質の物性、環境特性:蒸気圧、水溶解度、分配係数、分解速度等
環境放出量(負荷量)の推定
適用範囲 大気、土壌・河川および海域
関東全体のような数都道府県にまたがる広い地域での、月平均化された化学物質残留濃度の空間分布の推定を対象とする。
突発的な点源からの放出は対象外。
課題 観測結果の蓄積がまだ少なく、パラメータ等に問題が残る(開発途上のモデル)。
参考文献 中田喜三郎・堀口文男・米澤義堯(1996)有害化学物質の環境挙動と対策技術 化学物質の環境濃度予測に関する数値モデル.資源と環境、5(1)、19-26.

(関連資料)
資源環境技術総合研究所ホームページ(平成10年度研究計画)

備考
パラメータの不確定性の低減を図る例
運命予測モデルは長期間のシミュレーションであり、パラメータの設定が重要
ヘイズ確率の定理を用い、パラメータの更新を行う。

(資料)
東海明宏・堀博・大坪和裕・湯浅晶(1996)化学物質の運命予測モデルにおけるパラメータの不確定性低減の評価.水環境学会誌、19(11)、897-903.

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