大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術検討会中間報告書
大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術(I)<スコーピングの進め方>(平成12年8月)

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技術シート 登録番号:水質-28

環境項目 水質・水象 技術等の種類 予測
技術等の名称 乱流モデル
(温排水の水中放水方式(複数管)の3次元数値モデル)
技術等の概要  発電所の冷却水放水形式は表層放水と水中放水に大別されるが、最近では、環境配慮等の観点から、水中放水を採用する例が多くなりつつある。
 表層放水方式の場合、従来から平面2次元モデルにより温排水拡散予測が行われているが、水中放水の場合、放水口形状や海底地形の影響を受け、温排水は3次元的で複雑な拡散挙動を示す。このため、水中放水される温排水については、水理実験手法を主体とした予測が行われている。
 本モデルは、水理実験結果を基に開発された、水中放水方式の温排水拡散予測に適用可能な3次元数値モデルである。

(モデルの概要)
放水口から温排水が浮上する地点までの近傍領域を対象とした。
渦動粘性・拡散係数の推定に乱流モデル(k-εモデル)を用いるため、噴流が重合する領域についても計算が可能である。
温排水の水温・流速分布や、海底面の影響による温排水浮上経路の変化、放水口間隔等の影響による温排水の縮流(水平方向の経路の変化)等を良く再現できる。
調査・予測の
必要条件
・地形条件、構造物形状条件
・温排水の水温、流速条件等
・流入水量(河川等)
・流動条件(潮流)
・水温・塩分分布
適用範囲 温排水の水中放流方式
放水口近傍領域
予測項目:鉛直方向の流速、水温分布
課題
実際の発電所の水中放水等への適用・検討
海域流動モデル(3次元)等と組み合わせて、広域的な温排水の拡散範囲の予測モデルの開発
水面に浮上後の、水平拡散へ移行した後の乱流特性を表現するモデルが課題
参考文献 仲敷憲和 他(1996)3次元温排水拡散予測モデル.電力中央研究所研究年報(1996年版).

(関連論文)
仲敷・松梨・坂井・丸山(1996)水平方向に放出された重力噴流の拡散挙動について.水工学論文集、40、511-516.

(参考図書)
土木学会水理委員会水理公式集改訂委員会(1999)水理公式集(平成11年版).(社)土木学会、東京、pp625.

備考  

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