大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術検討会中間報告書
大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術(I)<スコーピングの進め方>(平成12年8月)

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技術シート 登録番号:振動-8

環境項目 振動 技術等の種類 評価
技術等の名称 環境振動に対する居住性能評価の動向
技術等の概要
居住性能評価値に関しては、加振源ごとに表-1のような基準類が国内外に制定されている。ISO2631-2(1989)などの国際基準も整備されているが、我が国では独自に基準類を制定し、評価してきた。しかし、全身振動評価の基盤となるISO2631-1が1997年に大幅に改訂されたことを受け、関連する国際基準類も改訂・整理される方向にあり、国際的動向への配慮を意識せざるを得ない状況にある。この全身振動の国際規格の改訂は、直接振動が人体に入るような乗り物や間接的に振動が人体に入る建物内振動の評価に大きな影響を及ぼすと考えられる。
我が国の振動規制法における振動レベルの測定方法は、「JISZ8735 振動レベルの測定方法」に従って「JISC1510 振動レベル計」の定める振動レベル計を用いて行なうことになっている。
JISZ8735では、測定点については、全て敷地境界線上での振動測定となっており、この敷地境界線上での振動測定値が振動規制法で定められた値以下であれば問題ないとされてきた。しかし、この境界での値が規制値以下でも、境界から建物に伝達した振動が建物の振動特性に依存して増幅された場合に、建物内での振動が振動感覚閾値以上になり、クレームが多発しているのが現状である。
しかし、ISO2631-2(1989)、ISO/DIS2631-2(1999)においては、振動の測定を建物内での人体の近傍での測定を考えている。今後は、日本においても、建物内外での振動を測定する点等を規定していく必要があると思われる。
また、現在、我が国においては、ISO2631-2(1989)の鉛直方向の周波数補正曲線を用いて、敷地境界線上での振動レベルを測定している。しかし、人体近傍での測定を考えた場合、今後はISO2631-1(1997)で規定された鉛直方向、水平方向の周波数補正曲線及びISO2631-2(1989)、ISO/DIS2631-2(1999)で考えられている複合周波数補正曲線を用いた人体近傍での振動測定を考えなければならないと思われる。
評価方法においても、ISO2631-1(1997)における新しい周波数補正曲線の使用した建物内での人体へ入る振動の評価やISO/DIS2631-2(1999)にある建物内での人の応答の評価方法について考えていかなければならないと思われる。

表-1 環境振動の発生源と評価方法

fig_12.gif (6775 バイト)

出典:石川孝重(2000)

調査・対象の
必要条件
 
適用範囲
課題
参考とした
文献・資料
石川考重(2000)居住性能評価の現状-第18回環境振動シンポジウム- 性能設計に向けた環境振動評価.日本建築学会環境工学委員会 環境振動小委員会.

前田節雄(2000)国際規格の動向-第18回環境振動シンポジウム- 性能設計に向けた環境振動評価.日本建築学会環境工学委員会 環境振動小委員会.

備考  

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