大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術検討会中間報告書
大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術(I)<スコーピングの進め方>(平成12年8月)

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第5章 大気質技術シート

登録番号:大気質-1

環境項目 大気質 技術等の種類 調査
技術等の名称 高性能ガスセンサ
技術等の概要  大気環境モニタリングの現況は、大型分析機器を用いた、ガス試料の捕集による絶対濃度の測定により行われている。大型分析機器は、高価で、大きな設置スペースも必要であることから、オンライン計測、フィードバック計測及び動態計測に不適当である。よって、これを解消し、同時多点計測による動態調査等を可能にするため、高い性能と信頼性を備えた様々なガスセンサの開発が現在進められている。
 高性能ガスセンサの特性として、小型で、安価なこと、また、連続計測が可能であることなどが挙げられる。また、従来の大型分析機器は、ガスの絶対濃度を測定していたのに対し、ガスセンサは、濃度変化を捉えることに優れているという特性を備えている。
 現在の開発状況として、NO2については、環境基準値以下の濃度域まで計測できるセンサがすでに開発されている。この他、O3、CH4、NH3、SO2、フロン等に関して、まだ、下限濃度までの感度に達しておらず、開発中である。
 現在、開発・試作されている高性能ガスセンサを、大気環境計測において実用化させるためには、まだ解決すべき問題が多く、早期の解決を願う。
調査・予測の
必要条件
実用化されていない。
適用範囲  
課題 環境モニタリングのためのセンサの開発に際し、以下の必要性がある。

・感度と選択性が十分に高いこと
・長期安定性の確保
・初期動作が速やかで安定していること
・センサドリフトがないこと
・感度(濃度)の校正が容易に行えること
・湿度などの妨害を受けないこと

 また、研究室レベルで可能となっている測定方法として、半導体レーザーによる分析等もすでに開発されているものもあるが、高価で、極めて繊細なため、フィールドでの実用化が困難なものがある。よって、実用化の視点から、バッテリーによる駆動、軽量化、丈夫さ等の必要性もあるといえる。
 一方、NOxセンサについては、NOとNO2で性質が異なる酸化化合物の混合物であり、その組成が条件によって変わるため、いまのところ、NOセンサおよびNO2センサを組み合わせたものである。よって、今後、NO及びNO2を等しい感度で捉えていく必要がある。

参考となる
文献・資料
三浦則雄(1998)環境保全用を中心とする新しい高性能ガスセンサの研究開発.センサ・マイクロマシン部門誌.66(7)、p695.
備考

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