平成13年度第1回全体会合
資料2-1

4)より適切な大気質・悪臭の調査・予測・評価のために今後の課題

  大気質・悪臭の環境影響評価を進めていくうえでの留意事項として示したことは、これまでの環境影響評価において考慮されていたわけではない。それぞれの留意事項を考慮し、併せて最新の知見等を参考とすることでより望ましい環境影響評価へと近づいていくものと考えられる。

  今後の環境影響評価を進めていく上で、より望ましい形へと近づくために望まれる事項は、以下に示すとおりである。

「粉じん等」とは、粉じん、ばいじん及び自動車の運行又は建設機械の稼働に伴い発生する粒子状物質をいう。

  このように、粉じん等は大気中の粒子状物質を広く指すものであるが、各主務省令における影響要因としては、工事中における「建設機械の稼働」、「工事用資材等の運搬に用いる車両の運行」、供用後における「資材等の搬出入」等が挙げられる。

  表1-1-17に示すように、道路事業やダム事業においては、工事の実施に伴う建設機械の稼働により発生する粉じん等について、降下ばいじんを指標とした定量的な予測評価が実施されている。

  ここでは、一般大気中の粒子状物質の存在を「降下ばいじん」と「浮遊粉じん」の二つの形態で考えた場合、建設機械の稼働においては、「降下ばいじん」を指標とすることで、「浮遊粉じん」の影響も含めて粒子状物質の影響を十分に予測評価できるものと考えられている。

  「粉じん等」の定義に示すように、粉じん等には、物理破砕等により発生する「ふんじん粉じん」、主として燃焼機関からにより発生する「ばいじん」及び建設機械や自動車から排出される「粒子状物質」から構成されているが、これらの用語は大気汚染防止法に定められているものであり、一般大気中における存在形態を考慮すると、「粉じん等」の中には、浮遊粒子状物質も含まれることになる。しかし、省令においては、浮遊粒子状物質は、別途の環境要素として選定されている。

  このように、各主務省令における「粉じん等」の内容が非常に不明確であり、今後のアセス環境影響評価の実施において予測すべき物質、評価指標等においてついては、課題が生じる残ると考える。「粉じん等」が対象とすべき環境影響要因や環境要素とすべき細目に関して検討する必要がある。

表1-1-18 環境影響評価関連図書での「粉じん等」の取り扱い

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