大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術検討会中間報告書
大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術(I)<スコーピングの進め方>(平成12年8月)

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参考資料 大気・水・土壌環境に係る基準

1 大気環境

1-1 大気質

1)大気汚染に係る環境基準

 環境基本法第16条第1項の規定による大気の汚染に係る環境上の条件につき人の健康を保護するうえで維持することが望ましい基準

 

2)ダイオキシン類による

物質 環境上の条件
二酸化いおう 1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ、1時間値が0.1ppm以下であること。
一酸化炭素 1時間値の1日平均が10ppm以下であり、かつ、1時間値の8時間平均値が20ppm以下であること。
浮遊粒子状物質 1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/m3以下であること。
二酸化窒素 1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppm までのゾーン内又はそれ以下であること。
光化学オキシダント 1時間値が0.06ppm以下であると。
ベンゼン 1年平均値が0.003mg/m3以下であること。
トリクロロエチレン 1年平均値が0.2mg/m3以下であること。
テトラクロロエチレン 1年平均値が0.2mg/m3以下であること。

大気の汚染に係る環境基準

 ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年)第7条の規定に基づくダイオキシン類による大気の汚染に係る環境上の条件につき人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準は、1時間値の1日平均値が0.6pg-TEQ/m3以下とする。

 

1-2 騒音

1)騒音に係る環境基準

 環境基本法第16条第1項の規定に基づき、騒音に係る環境上の条件につき生活環境を保全し、人の健康の保護に資するうえで維持することが望ましい基準

地域の類型 基準値
昼間 夜間
AA 50デシベル以下 40デシベル以下
A及びB 55デシベル以下 45デシベル以下
C 60デシベル以下 50デシベル以下
(注) 1 時間の区分は、昼間を午前6時から午後10時までとし、夜間を午後10時から翌日の午前6時までの間とする。
2 AAを当てはめる地域は、療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域など特に静穏を要する地域とする。
3 Aを当てはめる地域は、専ら住居の用に供される地域とする。
4 Bを当てはめる地域は、主として住居の用に供される地域とする。
5 Cを当てはめる地域は、相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域とする。

(道路に面する地域)

地域の区分 基準値
昼間 夜間
A地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域 60デシベル以下 55デシベル以下
B地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域 65デシベル以下 60デシベル以下
備考 車線とは1縦列の自動車が安全かつ円滑に走行するために必要な一定の幅員を有する帯状の車道部分をいう。

(幹線交通を担う道路に近接する空間)

基準値
昼間 夜間
70デシベル以下 65デシベル以下
備考 個別の住居等において騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められるときは、屋内へ透過する騒音に係る基準(昼間にあって45デシベル以下、夜間にあっては40デシベル以下)によることができる。

 

2)航空機騒音に係る環境基準

 公害対策基本法第9条による騒音に係る環境上の条件につき、生活環境を保全し、人の健康の保護に資するうえで維持することが望ましい航空機騒音に係る基準

地域の類型 基準値(単位 WECPNL)
I 70以上
II 75以下
注) Iをあてはめる地域は専ら住居の用に供される地域とし、IIをあてはめる地域はI以外の地域であつて通常の生活を保全する必要がある地域とする。

 

3)新幹線鉄道騒音に係る環境基準

 公害対策基本法第9条による騒音に係る環境上の条件につき、生活環境を保全し、人の健康の保護に資するうえで維持することが望ましい新幹線鉄道騒音に係る基準

地域の類型 基準値
I 70デシベル以上
II 75デシベル以下
注) Iをあてはめる地域は主として住居の用に供される地域とし、IIをあてはめる地域は商工業の用に供される地域等以外の地域であつて通常の生活を保全する必要がある地域とする。

 

2 水環境

2-1 水質

1)水質汚濁に係る環境基準

 環境基本法(平成5年法律第91号)第16条による公共用水域の水質汚濁に係る環境上の条件につき人の健康を保護し及び生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準

(人の健康の保護に関する環境基準)

項目 基準値
カドミウム 0.01mg/l 以下
全シアン 検出されないこと。
0.01mg/l 以下
六価クロム 0.05mg/l 以下
砒素 0.01mg/l 以下
総水銀 0.0005mg/l以下
アルキル水銀 検出されないこと。
PCB 検出されないこと。
ジクロロメタン 0.02mg/l 以下
四塩化炭素 0.002mg/l以下
1,2-ジクロロエタン 0.004mg/l以下
1,1-ジクロロエチレン 0.02mg/l 以下
シス-1,2-ジクロロエチレン 0.04mg/l 以下
1,1,1-トリクロロエタン 1mg/l 以下
1,1,2-トリクロロエタン 0.006mg/l以下
トリクロロエチレン 0.03mg/l 以下
テトラクロロエチレン 0.01mg/l 以下
1,3-ジクロロプロペン 0.002mg/l以下
チウラム 0.006mg/l以下
シマジン 0.003mg/l以下
チオベンカルブ 0.02mg/l 以下
ベンゼン 0.01mg/l 以下
セレン 0.01mg/l 以下
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 10mg/l 以下
ふっ素 0.8mg/l 以下
ほう素 1mg/l 以下

 

(生活環境の保全に関する環境基準)

1 河川

(1) 河川(湖沼を除く。)

項目

類型

利用目的の適応性 基準値 該当水域
水素イオン濃度(pH) 生物化学的酸素要求量(BOD) 浮遊物質量(SS) 溶存酸素量(DO) 大腸菌群数
AA 水 道 1 級自然環境保全及びA以下の欄に掲げるもの 6.5以上
8.5以下
1mg/l以下 25mg/l以下 7.5mg/l以上 50MPN/100ml以下 第1の2の(2)により水域類型ごとに指定する水域
A 水 道 2 級水 産 1 級水 浴及びB以下の欄に掲げるもの 6.5以上
8.5以下
2mg/l以下 25mg/l以下 7.5mg/l以上 1,000MPN/100ml以下
B 水 道 3 級水 産 2 級及びC以下の欄に掲げるもの 6.5以上
8.5以下
3mg/l以下 25mg/l以下 5mg/l以上 5,000MPN/100ml以下
C 水 産 3 級工業用水1級及びD以下の欄に掲げるも 6.5以上
8.5以下
5mg/l以下 50mg/l以下 5mg/l以上
D 工業用水2級農 業 用 水及びEの欄に掲げるもの 6.0以上
8.5以下
8mg/l以下 100mg/l以下 2mg/l以上
E 工業用水3級環 境 保 全 6.0以上
8.5以下
10mg/l以下 ごみ等の浮遊が認められな
いこと。
2mg/l以上
(注)1  自然環境保全 自然探勝等の環境保全
2  水道1級 ろ過等による簡易な浄水操作を行うもの
水道2級 沈殿ろ過等による通常の浄水操作を行うもの
水道3級 前処理等を伴う高度の浄水操作を行うもの
3  水産1級 ヤマメ、イワナ等貧腐水性水域の水産生物用並びに水産2級及び水産3級の水産生物用
水産2級 サケ科魚類及びアユ等貧腐水性水域の水産生物用及び水産3級の水産生物用
水産3級 コイ、フナ等、β-中腐水性水域の水産生物用
 4  工業用水1級 沈殿等による通常の浄水操作を行うもの
工業用水2級 薬品注入等による高度の浄水操作を行うもの
工業用水3級 特殊の浄水操作を行うもの
5  環境保全 国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む。)において不快感を生じない限度

 

(2)湖沼(天然湖沼及び貯水量1,000万立方メートル以上の人工湖)

項目

類型

利用目的の適応性 基準値 該当水域
水素イオン濃度(pH) 化学的酸素要求量(COD) 浮遊物質量(SS) 溶存酸素量(DO) 大腸菌群数
AA 水 道 1 級水 産 1 級自然環境保全及びA以下の欄に掲げるもの 6.5以上
8.5以下
1mg/l以下 25mg/l以下 7.5mg/l以上 50MPN/100ml以下

第1の2の(2)により水域類型ごとに指定する水域

A 水道2、3級水 産 2 級水浴及びB以下の欄に掲げるもの 6.5以上
8.5以下
3mg/l以下 5mg/l以下 7.5mg/l以上 1,000MPN/100ml以下
B 水 産 3 級工業用水1級農 業 用 水及びCの欄に掲げるもの 6.5以上
8.5以下
5mg/l以下 15mg/l以下 5mg/l以上
C 工業用水2級環 境 保 全 6.5以上
8.5以下
8mg/l以下

ごみ等の浮遊が認められないこと。

2mg/l以上
(注)1  自然環境保全 自然探勝等の環境保全
2  水道1級 ろ過等による簡易な浄水操作を行うもの
水道2、3級 沈殿ろ過等による通常の浄水操作、又は、前処理等を伴う高度の浄水操作を行うもの
3  水産1級 ヒメマス等貧栄養湖型の水域の水産生物用並びに水産2級及び水産3級の水産生物用
水産2級 サケ科魚類及びアユ等貧栄養湖型の水域の水産生物用及び水産3級の水産生物用
水産3級 コイ、フナ等、富栄養湖型の水域の水産生物用
 4 工業用水1級 沈殿等による通常の浄水操作を行うもの
工業用水2級 薬品注入等による高度の浄水操作、又は、特殊な浄水操作を行うもの
 5  環境保全 国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む。)において不快感を生じない限度

項目

類型

利用目的の適応性 基準値 該当水域
全窒素 全燐
I 自然環境保全及びII以下の欄に掲げるもの 0.1mg/l以下 0.005mg/l以下 第1の2の(2)により水域類型毎に指定する水域
II 水道1、2、3級(特殊なものを除く。)
水産1種
水浴及びIII以下の欄に掲げるもの
0.2mg/l以下 0.01mg/l以下
III 水道3級(特殊なもの)及びⅣ以下の欄に掲げるもの 0.4mg/l以下 0.03mg/l以下
水産2種及びⅤの欄に掲げるもの 0.6mg/l以下 0.05mg/l以下
水産3種
工業用水
農業用水
環境保全
1mg/l 以下 0.1mg/l 以下
(注)1  自然環境保全 自然探勝等の環境保全
2  水道1級 ろ過等による簡易な浄水操作を行うもの
水道2級 沈殿ろ過等による通常の浄水操作を行うもの
水道3級
前処理等を伴う高度の浄水操作を行うもの(「特殊なもの」とは、臭気物質の除去が可能な特殊な浄水操作を行うものをいう。)
3  水産1種
サケ科魚類及びアユ等の水産生物用並びに水産2種及び水産3種の水産生物
水産2種
ワカサギ等の水産生物用及び水産3種の水産生物
水産3種
コイ、フナ等の水産生物用
4  環境保全 国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む。)において不快感を生じない限度

2 海域

項目

類型

利用目的の適応性 基準値 該当水域
水素イオン濃度(pH) 化学的酸素要求量(COD) 溶存酸素量(DO) 大腸菌群数 n-ヘキサン抽出物質(油分)
A 水産1級
水浴
自然環境保全及びB以下の欄に掲げるもの
7.8以上
8.3以下
2mg/l以下 7.5mg/l以上 1,000MPN/100ml以下 検出されないこと。 第1の2の(2)により水域類型ごとに指定する水域
B 水産2級
工業用水
及びCの欄に掲げるもの
7.8以上
8.3以下
3mg/l以下 5mg/l以上 検出されないこと。
C 環境保全 7.0以上
8.3以下
8mg/l以下 2mg/l以上
(注)1  自然環境保全 自然探勝等の環境保全
2  水産1級 マダイ、ブリ、ワカメ等の水産生物用及び水産2級の水産生物用
水産2級 ボラ、ノリ等の水産生物用
3  環境保全 国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む。)において不快感を生じない限度

項目

類型

利用目的の適応性 基準値 該当水域
全窒素 全燐
I 自然環境保全及びII以下の欄に掲げるもの(水産2種及び3種を除く。) 0.2mg/l以下 0.02mg/l以下 第1の2の(2)により水域類型ごとに指定する水域
II 水産1種水浴及びIII以下の欄に掲げるもの(水産2種及び3種を除く。) 0.3mg/l以下 0.03mg/l以下
III 水産2種及びⅣの欄に掲げるもの(水産3種を除く。) 0.6mg/l以下 0.05mg/l以下
水産3種
工業用水
生物生息環境保全
1mg/l以下 0.09mg/l以下
(注)1  自然環境保全 自然探勝等の環境保全
2  水産1種 底生魚介類を含め多様な水産生物がバランス良く、かつ、安定して漁獲される
水産2種 一部の底生魚介類を除き、魚類を中心とした水産生物が多獲される
水産3種 汚濁に強い特定の水産生物が主に漁獲される
3  生物生息環境保全 年間を通して底生生物が生息できる限度

 

2)ダイオキシン類による水質の汚濁に係る環境基準

 ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年)第7条の規定に基づくダイオキシン類による水質の汚濁に係る環境上の条件につき人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準は、1時間値の1日平均値が1pg-TEQ/l 以下とする。

 

2-2 地下水

1)地下水の水質汚濁に係る環境基準

 環境基本法第16条第1項による地下水の水質汚濁に係る環境上の条件につき人の健康を保護する上で維持することが望ましい基準

項目 基準値
カドミウム 0.01mg/l以下
全シアン 検出されないこと。
0.01mg/l以下
六価クロム 0.05mg/l以下
砒素 0.01mg/l以下
総水銀 0.0005mg/l以下
アルキル水銀 検出されないこと。
PCB 検出されないこと。
ジクロロメタン 0.02mg/l以下
四塩化炭素 0.002mg/l以下
1,2-ジクロロ エタン 0.004mg/l以下
1,1-ジクロロ エチレン 0.02mg/l以下
シス-1,2-ジ クロロエチレン 0.04mg/l以下
1,1,1-トリ クロロエタン 1mg/l以下
1,1,2-トリ クロロエタン 0.006mg/l以下
トリクロロエチレ ン 0.03mg/l以下
テトラクロロエチ レン 0.01mg/l以下
1,3-ジクロロ プロペン 0.002mg/l以下
チウラム 0.006mg/l以下
シマジン 0.003mg/l以下
チオベンカルブ 0.02mg/l以下
ベンゼン 0.01mg/l以下
セレン 0.01mg/l以下
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 10mg/l 以下
ふ っ 素 0.8mg/l 以下
ほ う 素 1mg/l 以下

 

1 土壌環境

1)土壌の汚染に係る環境基準

 環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項による土壌の汚染に係る環境上の条件につき、人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準

 

項目 環境上の条件
カドミウム 検液1Lにつき0.01mg以下であり、かつ、農用地においては、米1kgにつき1mg未満であること。
全シアン 検液中に検出されないこと。
有機燐 検液中に検出されないこと。
検液1Lにつき0.01mg以下であること。
六価クロム 検液1Lにつき0.05mg以下であること。
砒素 検液1Lにつき0.01mg以下であり、かつ、農用地(田に限る。)においては、土壌1kgにつき15mg未満であること。
総水銀 検液1Lにつき0.0005mg以下であること。
アルキル水銀 検液中に検出されないこと。
PCB 検液中に検出されないこと。
農用地(田に限る。)において、土壌1kgにつき125mg未満であること。
ジクロロメタン 検液1Lにつき0.02mg以下であること。
四塩化炭素 検液1Lにつき0.002mg以下であること。
1,2-ジクロロエタン 検液1Lにつき0.004mg以下であること。
1,1-ジクロロエチレン 検液1Lにつき0.02mg以下であること。
シス-1,2-ジクロロエチレン 検液1Lにつき0.04mg以下であること。
1,1,1-トリクロロエタン 検液1Lにつき1mg以下であること。
1,1,2-トリクロロエタン 検液1Lにつき0.006mg以下であること。
トリクロロエチレン 検液1Lにつき0.03mg以下であること。
テトラクロロエチレン 検液1Lにつき0.01mg以下であること。
1,3-ジクロロプロペン 検液1Lにつき0.002mg以下であること。
チウラム 検液1Lにつき0.006mg以下であること。
シマジン 検液1Lにつき0.003mg以下であること。
チオベンカルブ 検液1Lにつき0.02mg以下であること。
ベンゼン 検液1Lにつき0.01mg以下であること。
セレン 検液1Lにつき0.01mg以下であること。

2)ダイオキシン類による土壌の汚染に係る環境基準

 ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年)第7条の規定に基づくダイオキシン類による土壌の汚染に係る環境上の条件につき人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準は、1,000pg-TEQ/g以下とする。

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