大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術検討会中間報告書
大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術(I)<スコーピングの進め方>(平成12年8月)

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技術シート 登録番号:水質-20

環境項目 水質・底質 技術等の種類 予測
技術等の名称 水-底質モデル
(水系・泥系モデル)
技術等の概要  水質・底質の悪化の著しい湾奥水域において窒素・リン(N,P)の循環を予測・評価するにあたって、水-底泥間のフラックスの把握は重要である。
 本モデルは、底泥内の物質濃度の鉛直分布および窒素・リン溶出速度の実測結果を基に開発した底質モデルと、水質モデル(低次生態系)を結合させたモデルである。

(モデルの概要)
モデルの構造は実用的なモデルを図り、単純化している。

・底質モデルの構成要素
[1]底泥を構成する有機態物質(N,P)
[2]間隙水中の無機態物質(N,P)
[3]底泥粒子に吸着している無機態物質(N,P)

・水-底泥間のフラックス
[1]水中の有機態物質の沈降
[2]間隙水中の無機態物質の溶出(拡散)

・底泥内のフラックス
[1]有機態物質の分解、堆積
[2]無機態物質の堆積
[3]無機態窒素の脱窒

・湾奥部は嫌気的な状態とみなし、鉛直1層とする。

調査・予測の
必要条件
・地形、構造物形状条件
・河川等流入水量・負荷条件等
・水温・塩分条件
・水質・底質条件
・底泥の土質条件
・流動条件等
・モデルパラメータ関連:沈降速度、底泥の分解速度、脱窒速度、吸着速度、堆積速度等
適用範囲 適用例:東京港
湾奥部のような嫌気的な海域
底泥の浄化対策ケース等
予測項目:窒素、リンの水-底泥間の循環の予測
課題  ベントス、付着藻類等の底泥系の生物が省略されており、好気的で底生生物の多い海域ではモデル化が必要と思われる。
参考文献 今村正裕・松梨史郎(1997)都市河川の流入する湾奥部における水-底質モデルの開発.電力中央研究所報告書(U97050).

今村正裕(1996)都市河川の流入する湾奥部における流動・水質モデルの開発.電力中央研究所報告書(U96009).

今村正裕・松梨史郎(1997)湾奥部における水-底泥間の窒素・リンのフラックス.海岸工学論文集、44、1081-1085.

松梨史郎(1996)東京港の夏季における窒素・リンの水-底泥間のフラックス.海岸工学論文集、43、1116-1120.

備考  

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