大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術(III)TOPへ戻る
環境項目 | 騒音 | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | ASJ Model 1998 | ||
技術等の概要 | 等価騒音レベルLAeqの予測手法 エネルギーベースの計算モデルを基礎としていること、一般道路、道路特殊部も含めてほとんどすべての構造・形態の道路を対象としている。 高架構造物音、高架裏面反射音などの予測手法も含んでいる。 | ||
調査・予測の 必要条件 |
道路構造、排水性舗装の有無 交通量(時間別車種別)、走行速度 周辺の状況(地表面の状態、近接建物の有無等) |
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適用範囲 | [1] 対象道路 道路一般部(平面、盛土、切土、高架)、道路特殊部(インターチェンジ部、掘割部、半地下、トンネル坑口周辺部、高架・平面道路併設部、複層高架部)。 [2] 交通量 制限なし [3] 走行速度 自専道と一般道の定常走行部については40~140㎞/h、一般道路の非定常走行部については10~60㎞/h、インターチェンジ部などの加減速・停止部については0~80㎞/h。 [4] 予測範囲 制限なし(道路から水平距離200m、高さ12mまでは検証されている)。 [5] 気象条件 無風で特に強い気温の勾配が生じていない状態を標準とする。 |
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課題 | ・
低速走行時などでのスペクトルデータの収集を行い、より現実に即した車種別や速度域別の区分を考慮したスペクトルモデルの提示。 ・ 排水性舗装における低減効果と伝搬時の超過減衰効果の解明と計算モデルの確立。 ・ 半地下構造の場合で開口部より張り出し部が長い場合の計算。 ・ トンネル坑口部の吸音処理に関するパラメータの設定方法。及び坑口音の放射指向性の関係。 ・ 坑口エッジ及び明り部の遮音壁等による2重回折の計算方法。 ・ 高架裏面反射のより合理的、かつ簡便な計算方法。 ・ 高架構造物音の要因と物理的寄与の検討。 ・ 構造物音の指向性の検討。 ・ 構造物音の周波数帯域別の計算方法。 ・ 高架橋の諸元に応じた振動の伝達性状、音響放射効率の検討。 ・ 建物群背後の予測に関するパラメータの調査・設定方法の検討。 |
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参考となる 文献・資料 | 日本音響学会道路交通騒音調査研究委員会(1999)道路交通騒音の予測モデル"ASJ Model 1998"-日本音響学会道路交通騒音調査研究委員会報告-.日本音響学会誌、55(4)、281-324. | ||
備考 |
・騒音予測における平面の等騒音レベル分布図(コンター)作成は、建物背後(2列目以降の建物)の影響並びに周辺地形の影響を反映することは困難なケースが多く、表現方法等に検討を要する。 ・伝播計算の過程によるA法、B法の実績値の検討事例の蓄積が必要。 |
* A法・B法の選択方法
道路交通騒音の伝搬計算方法には、A法(精密計算方法)とB法(簡易計算方法)の2種類がある。このうち、A法は波動音響理論に基づく計算方法である。計算式は波動の周期性や位相を考慮するため複素数表示の音圧によって表現されている。
B法は幾何音響的取り扱いに基づいた計算方法であり、実験的、経験的手法が取り入れられている。計算式は、自動車の平均的なパワースペクトルを設定し、回折効果と地表面効果を補正量で与える方法で表現されている。
A法とB法の選択方法としては、周波数別の予測値が必要な場合、音源の周波数特性や地表面・障壁表面の音響特性に任意の設定が必要な場合など、音源の周波数特性や伝搬過程における境界条件(音響特性)の微細構造を変化させながら精密に予測計算を行う場合にはA法を選択する。
一方、周波数別の予測値を必要とせず、簡便で実用的に予測計算を行う場合にはB法を選択する。しかしB法では、原理的に幾何音響学的な考え方によっているので、半地下構造道路や高架裏面反射の計算などで反射パスが複雑となる場合には、計算精度に限界が生じる可能性がある。また、複数の障壁やいわゆる先端改良型遮音壁による多重回折、建物群背後の複雑な反射や回折についてこの方法を適用するには検討が必要である。
環境項目 | 騒音 | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | エネルギーモデル(等間隔点音源モデル) | ||
技術等の概要 | インターチェンジやジャンクション部においては、構造が複雑であり、ランプ部の影響及び自動車の速度変化等の影響を含めて騒音の計算を実施する必要がある。 インターチェンジ、ジャンクション部については、観測区間を音響パワー、車両速度、平均走行速度、音響伝播特性がほぼ一定とみなしうる範囲ごとに区分し、各対象区間からの伝達量をエネルギー加算することにより等価騒音レベル(LAeq)を求め、車頭間隔を考慮した中央値への変換式を使用して中央値(L50)を求める。 | ||
調査・予測の 必要条件 |
自動車のパワーレベル 大型車、小型車の走行速度 自動車と計算点との距離 道路の縦断勾配による補正値 周辺の建物、地形等の障壁位置の設定 |
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適用範囲 | インターチェンジ、ジャンクション等の特殊箇所での適用 | ||
課題 | ・ 地表面効果による補正量にASJ model 1975を基本とする式に用いられた「種種の補正値」が使用されており、改良が必要。 ・ ASJ model 1998にて設定された最新の音響パワーレベルを使用する必要がある。 |
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参考となる 文献・資料 | 愛知県(1996)名古屋都市計画道路1・3・7号名岐道路、尾張西部都市計画道路1・3・1号名岐道路 環境影響評価参考資料. 愛知県・豊田市・知多市(1997)豊田都市計画道路3・2・25号衣浦豊田線、衣浦東部都市計画道路3・2・25号衣浦豊田線 環境影響評価参考資料. |
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備考 |
図 インターチェンジ、ジャンクション部騒音予測手順
環境項目 | 騒音 | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | 点音源シミュレーションモデル | ||
技術等の概要 | このモデルは、道路構造、沿道の地形、建物等の状況をモデル化するとともに交通条件(交通量、走行速度等)に基づき発生させた乱数により自動車の位置を決め、各車両からの騒音レベルの瞬時値を予測地点ごとに求める計算過程を繰り返したのち、騒音レベルの統計値(中央値L50)等を算出する手法である。予測精度は極めて高いのが特徴である。 | ||
調査・予測の 必要条件 |
自動車のパワーレベル 大型車、小型車の走行速度 自動車と計算点との距離 道路の縦断勾配による補正値 周辺の建物、地形等の障壁位置の設定 |
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適用範囲 | 道路の分合流点、インターチェンジなど、道路構造が複雑な部分。 自動車が非定常走行をする部分。 トンネル坑口周辺など、無限長直線道路とみなすことができない部分。 |
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課題 | ・
条件設定、計算にかかる時間が多大であり経済的でない。 ・ 収束計算であるため、1ケースの計算に数回の計算を行い、その平均値を予測値とする。従って、計算値の再現性に課題が生じる。 |
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参考とした 文献・資料 |
佐々木寛・山下充康(1984)道路特殊箇所の騒音の予測方法に関する検討-インターチェンジ部周辺-.日本音響学会誌、40(9)、638-643. 神奈川県(1994)三浦縦貫道路事業環境影響予測評価書 資料編. |
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備考 |
環境項目 | 騒音 | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | 新交通、モノレール及びリニア等の鉄道騒音予測 | ||
技術等の概要 | [1] 鉄道騒音の予測においては、[1]東京大学石井教授らによる提案式(以下、石井らによる提案式)及び[2]鉄道総合研究所の森藤らによる提案式(以下、森藤らによる提案式)が主に用いられているが、これらは、いずれも在来線高架鉄道の騒音の予測を行なうものである。しかしながら、新交通、モノレール及びリニア(リニア推進方式)の騒音予測においても援用されている。この場合には音源のパワーレベルなどについて、実測調査等による類似事例調査により補正等の検証を行なっている。 [2] また、実測調査等による類似事例調査による回帰式により予測を行なう。 | ||
調査・予測の 必要条件 | ・
車両形式及び構造の違いから転動音、構造物音に大きな違いが想定されるが、基本となる石井らによる提案式、森藤らによる提案式の適用性を確認するため、類似構造の車両の事例調査が必要となる。 ・ 回帰式による場合は、類似構造の車両の事例調査が必至である。 |
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適用範囲 | 対象とする車両形式及び構造の鉄道騒音のみ適用となる。 なお、石井らによる提案式及び森藤らによる提案式の適用範囲は添付資料-1に示すとおりである。 |
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課題 | [1]リニア(リニア推進方式)の供用路線が限られており、また、そのほとんどが地下構造となっているため、事例調査が非常に困難である。しかし、新交通システム(ゆりかもめ等)については十分な調査が可能である。ただし、供用区間であることから調査結果データの取り扱いは慎重に行なう必要がある。 [2]在来線の高架鉄道において、バラスト系以外の軌道(省力化軌道)の導入が進んでおり、リニア推進方式と同様、石井らによる提案式、森藤らによる提案式を準用しているが、事例調査が困難な状況にある。また、周波数成分の違い等も課題。 [3] 鉄道に近接する高層建物への騒音影響を予測する際にも、石井らによる提案式を準用しているが、式の適用範囲以外であること、さらに実測事例と理論減衰に相違が見られることが多々あることから、補正等を行う必要がある。 |
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参考とした 文献・資料 |
環境庁大気保全局(1995)在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針. 石井聖光・小安勝・長祐二・木庭啓紀(1980)在来線高架鉄道からの騒音予測方法(案)について.騒音制御、4(2)、4-10. 森藤良夫・長倉清・立川裕隆・緒方正剛(1996)在来鉄道騒音の予測評価手法について.騒音制御、20(3)、146-151. 森藤良夫(1997)在来鉄道騒音の評価と対策.騒音制御、21(3)、156-160. (社)日本騒音制御工学会(1999)環境アセスメントに係る騒音予測とその実習 平成11年度. 東京都・東京臨海新交通(株)(1998)環境影響評価書案 都市高速鉄道東京臨海新交通臨海線(有明~豊洲間)建設事業. |
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備考 |
[1] 石井らによる提案式
本式による方法は、在来線を列車が走行するときその軌道から約10~100mの距離における騒音レベル(転動音、高架構造物音)の概略値を試算するために用いられるもので、次の条件が満たされるときにのみ適用される。
・ 線路が平坦で直線であること
・
レール継ぎ目を溶接したロングレールであること
・ 列車速度は50~120km/時の範囲で、注目する区間において速度変化がないこと
・
構造形式は鉄筋コンクリート・ラーメン高架橋とし、鋼桁橋た対象としない
・
列車の種類は中・近距離通勤用電車とし、電気機関車に牽引される列車、内燃車及び特に短い編成の列車は対象としない
・ バラスト軌道であること
・ 保線の状況が良好であること
・
車両の整備が良好で車輪に著しいフラットがないこと
参照:石井ほか(1980)
[2] 森藤らによる提案式
基本的な計算式は、石井らによる提案式による方法とほとんど同じであるが、相違点は、
(1) 騒音を、転動音、モーターファン音、構造物音の3つに分類した点
(2) 各騒音の音源パワーレベルと騒音の列車速度依存を新しく設定した点 の二つである。この式における適用範囲は、上記の石井らによる提案式による方法と同様である。
参照:東京都環境保全局(1995)、森島(1997)、森島ほか(1996)
環境項目 | 騒音 | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | 高架構造物以外の鉄道騒音予測 | ||
技術等の概要 | [1] 鉄道騒音の予測においては、[1]東京大学石井教授らによる提案式(以下、石井らによる提案式)及び[2]鉄道総合研究所の森藤らによる提案式(以下、森藤らによる提案式)が主に用いられているが、これらは、いずれも在来線高架鉄道の騒音の予測を行なうものである。しかしながら、高架構造物以外の騒音予測においても援用されている。この場合には音源のパワーレベルなどについて、実測調査等による類似事例調査により補正等の検証を行なっている。 [2] また、実測調査等による類似事例調査による回帰式により予測を行なう。 | ||
調査・予測の 必要条件 | ・
基本となる石井らによる提案式、森藤らによる提案式の適用性を確認するため、類似構造の車両の事例調査が必要となる。 ・ 回帰式による場合は、類似構造での事例調査が必至である。 |
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適用範囲 | 対象とする構造の鉄道騒音のみ適用となる。 | ||
課題 | ・ 供用区間での調査結果データを用いることから、その取り扱いは慎重に行なう必要がある。 | ||
参考とした 文献・資料 |
環境庁大気保全局(1995)在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針. 石井聖光・小安勝・長祐二・木庭啓紀(1980)在来線高架鉄道からの騒音予測方法(案)について.騒音制御、4(2)、4-10. 森藤良夫、長倉清、立川裕隆、緒方正剛(1996)在来鉄道騒音の予測評価手法について.騒音制御、20(3)、146-151. 森藤良夫(1997)在来鉄道騒音の評価と対策.騒音制御、21(3)、156-160.(社)日本騒音制御工学会(1999)環境アセスメントに係る騒音予測とその実習 平成11年度. 東京都・東京臨海新交通(株)(1998)環境影響評価書案 都市高速鉄道東京臨海新交通臨海線(有明~豊洲間)建設事業. |
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備考 | ラーメン高架構造以外(桁式、開床式等)の高架構造についても、全く同様のことがいえる状況と言える。 |
環境項目 | 騒音 | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | 建設作業騒音の予測 | ||
技術等の概要 | 等価騒音レベルに基いた建設作業騒音の予測。 等価騒音レベルによる騒音パワーレベルの設定を行ない、音の伝搬理論式から予測を行なう。騒音規制法における規制基準との比較では、等価騒音レベルとLA5、LAmax及びLAmax5とのレベル変換値(ΔL)から算出する。 等価騒音レベルに基づいた予測式であるため、複数の建設機械が稼動する場合の複合影響を予測することが可能である。 また、建設機械の標準的な組合わせ(以下、ユニット)毎の作業における騒音パワーレベルを設定している。 なお、統計的な指標であるLAxへの変換式が提案されている。 |
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調査・予測の 必要条件 | ・ 主要な工種における建設機械の組合わせ(ユニット)毎のパワーレベル、その代表周波数及びレベル変換値ΔL ・ ユニットの数 | ||
適用範囲 | ・騒音の変動特性が同じ場合にエネルギー合成が可能 | ||
課題 | ・ 騒音パワーレベル及びレベル変換値ΔLに関する原単位データの蓄積、データベース化 ・ 異なる変動特性(例えば、変動騒音と間欠騒音)を有する騒音間での合成方法の検討 |
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参考とした 文献・資料 |
橘 秀樹・山本貢平(1998)建設工事騒音の伝搬計算方法の基本的考え方.日本音響学会講演論文集、p7. 河川事業環境影響評価研究会(1999)ダム事業における環境影響評価の考え方. 塩田 正純(1998)騒音・振動の予測手法の現状と課題.騒音制御、22(2)、88-96. 新田恭士・村松敏光(2000)工事中に発生する騒音の予測手法.土木技術資料、42(1)、48-51. | ||
備考 |
環境項目 | 騒音 | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | 発破騒音予測及び評価 [1] 実測による推定式 [2] 重回帰式による発破音の予測 [3] 類似事例による予測 | ||
技術等の概要 | [1] 換算距離(相似距離)を用いる音圧・騒音レベルの予測方法既存の実測データである音圧レベル・騒音レベルを換算距離(m/kg1/3)との関係で整理し、回帰式を求めて予測に用いる方法。 [2] 現場計測結果の考察による音圧レベル・騒音レベルの予測方法発破現場の諸要因も考慮に入れ、発破条件の関係で整理する方法。ベンチ発破からの発生音の統計的予測式として以下の式が示されている。重回帰分析により、Kp、a、b、n、cの各係数を求める。 ![]() [3] 類似事例による予測方法類似発破条件における実測結果から予測する。 |
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調査・予測の 必要条件 | ・発破の諸条件 薬量、段当たり薬量、ベンチ面積等 なお、[2]、[3]の場合は、類似地形及び類似発破条件(薬量、ベンチ面積、岩区分等)での多点による実測調査が必要 | ||
適用範囲 | |||
課題 | ・ [1]の方法では、データにばらつきが大きく、発破方法、地表面及び地形別のデータの蓄積が必要と考える。 ・ [2]の方法では、データの十分な蓄積のもと、汎用的に用いられるための諸係数の設定が必要である。 ・ [3]の場合は、発破条件等の類似性の確認が必要である。 ・ 衝撃性騒音の評価を行なう場合の指標の検討が必要である。 |
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参考とした 文献・資料 |
(社)日本騒音制御工学会技術部会・低周波音分科会(1996)発破による音と振動.山海堂、東京、pp307. | ||
備考 |
環境項目 | 騒音 | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | 音圧レベルを基に騒音レベルのピーク値を求める方法 | ||
技術等の概要 | ベンチカット発破を矩形面音源とし、矩形面音源における音の伝播式(近似式)から予測地点における音圧最高値を求め、既存の発破騒音の測定結果より推定された換算式より騒音レベルを計算する。 | ||
調査・予測の 必要条件 | ・ 岩盤から大気中に投射される音波の音圧設定 P0=800~4,000Pa ・ 面音源(ベンチカット面)の大きさの設定 ・ 発破位置の設定 | ||
適用範囲 | ・
ベンチカット発破(内部装薬発破)の場合 ・ 発破位置と予測位置が十分に離れている場合 |
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課題 | 岩盤から大気中へ投射される音波の音圧(P0)の設定値によって予測値が左右される為、このP0の設定について妥当性の検証が必要である。 | ||
参考とした 文献・資料 |
大阪府(1986)阪南丘陵開発計画に係る土砂採取工事に関する環境影響評価書.和歌山県土地開発公社(1986)加太開発計画に係る土砂採取事業に関する環境影響評価書. | ||
備考 |
[1] 予測の手順
・
土砂採取計画に基づいて発破計画及び地域の状況を考慮した予測対象地点の設定
・ 発破計画を基に予測対象時期の設定・
予測対象地点との位置関係を考慮して発破位置を設定
・ 実験から求められた予測モデルを用いて音圧レベル、騒音レベルを予測
[2]予測モデル
予測モデルは、音圧レベルを基に騒音レベルのピーク値を求める方法である。
(ア) 音圧レベル
発破による音圧レベルは、適正内部装薬発破が行われ、音源と予測地点との距離が十分離れていることから、次式を用いる。なお、面音源からの音圧比の距離減衰は下図に示すとおりである。
(イ) 騒音レベル
音波のピーク値のレベルから騒音レベルへの換算は、実測調査結果より次式を用いる。
環境項目 | 騒音 | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | 航空機騒音の予測式:加重等価感覚騒音レベルWECPNL | ||
技術等の概要 | 米国連邦航空局(FAA)が提案した航空機騒音予測モデル(INM:Integrated Noise Model)はEPNL(実効感覚騒音レベル)とスラントディスタンス(航空機から受音点までの最短距離)とで整理された騒音距離減衰のデータベース(以下、騒音基礎データという)を基に計算するものであるが、そのままでは国内に適用できない。 本予測手法は、このINMの騒音基礎データを「航空機騒音に係る環境基準」に定めるWECPNL算出式に対応させるために、EPNLを騒音ピークレベルdB(A)に換算した騒音基礎データを用いてWECPNLを計算する方法である。 WECPNLの予測式は、「航空機騒音に係る環境基準について」に示される計算式を用いる。(添付資料-1参照) | ||
調査・予測の 必要条件 | ・
騒音基礎データ(騒音ピークレベル-スラントディスタンス) ・ 飛行プロフィル ・ 離着陸回数 | ||
適用範囲 | |||
課題 | |||
参考とした 文献・資料 |
宇田浩三・渡辺正己(1987)関西国際空港における航空機騒音の予測.騒音制御、
11(2)、83-86. (社)環境技術科学センター(1999)環境アセスメントの技術.中央法規出版、東京、pp1018. 東京都(1998)環境影響評価書 大島空港拡張整備事業. | ||
備考 |
[1]WECPNLの予測手順
[2]スラントディスタンス-騒音レベル曲線(騒音基礎データの例)(B747-LR)
[2] 離陸プロフィルの例(B747-LR)
[3] 着陸プロフィルの例
出典:宇田川・渡辺(1987)
環境項目 | 騒音 | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | ヘリコプター騒音:時間帯補正等価騒音レベルLden | ||
技術等の概要 | ヘリコプターの運航に伴う騒音の予測を行うものである。「小規模飛行場環境保全暫定指針」(環境庁 平成2年9月)に基づく時間帯補正等価騒音レベルLdenを求める。予測式は点音源の距離減衰式(自由空間)を用いる。 | ||
調査・予測の 必要条件 | ・
既存測定結果からパワーレベルの設定(単発暴露騒音レベル) ・ 飛行ルート・飛行プロファイルの設定 ・ 時間帯別離発着回数の設定 | ||
適用範囲 | 運行予定ヘリコプターと同機種の騒音レベル測定結果が必要。 | ||
課題 | ・
時間帯別離発着回数の設定により予測値が左右されるため、設定は十分に検討が必要。 ・ パワーレベル原単位の蓄積が必要。 | ||
参考とした 文献・資料 |
大阪市(1996)舞洲ヘリポート(仮称)建設事業 環境影響評価書. 宮城県(1991)宮城県庁ヘリポート整備に伴う環境影響評価 報告書. | ||
備考 |
環境項目 | 騒音 | 技術等の種類 | 予測 |
---|---|---|---|
技術等の名称 | 屋外の音の伝播における空気吸収の計算 (JIS Z 8738:1999)(ISO 9613-1:1993) | ||
技術等の概要 | ISO 9613-1に基づき作成された日本工業規格であり、音源から遠く離れた場所での環境騒音のレベルを予測するため、屋外を伝わる音の空気吸収による減衰を計算する方法を定めている。主な内容は以下のとおりである。 ・ 音響模型実験で使用する超音波領域の周波数及び上空から地上へ向けて伝搬する音の予測をする場合に必要な低い気圧など特殊な用途にも適する。 ・ 1/Nオクターブバンドフィルタで分析した広帯域の音の空気吸収の減衰を、その中心周波数に相当する周波数の空気吸収による鈍音の減衰から計算する方法を示す。 ・ 気象条件の一様な大気に適用され、様々な気象条件における空気吸収による音の減衰の違いを説明するため、音圧レベルの測定値に加える補正値を算出する場合にも用いることができる。 ・ 濃霧及び不純物を含まない大気の中で起こる吸音機構の主要なものについて規定する。 空気吸収による鈍音の減衰の基本式は以下に示すとおりである。 減衰の基本式 Pt=Piexp(-0.1151αs) Pt:音圧振幅 Pi:初期値 s:距離 0.1151:定数 音圧レベルの減衰 また、周波数fの純音の音圧レベルがs = 0の地点の初期値から距離sの地点のレベルになるまでに受ける空気吸収の減衰δLt(f)(単位:デジベル)は次式で示される。 δLt(f)=10log10(Pi2/Pt2)=αs (dB) | ||
調査・予測の 必要条件 | |||
適用範囲 | 次に示す変数の範囲において適用される。 ・音の周波数:50Hz~10kHz ・気温:-20℃~50℃ ・相対湿度:10%~100% ・気圧:101.325kPa(1気圧) |
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課題 | |||
参考とした 文献・資料 |
日本規格協会(1999)屋外の音の伝播における空気吸収の計算(JIS Z 8738). | ||
備考 |
環境項目 | 振動 | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | 建設省土木研究所提案式(道路交通振動の予測) | ||
技術等の概要 |
建設省土木研究所提案式は、自動車1台走行時の地盤振動値を設定し、交通流の発生にシミュレーションを用い、交通量、路面平坦性及び地盤条件等から回帰分析手法を用いて、予測式の各種補正項を設定した式である。![]() |
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調査・予測の 必要条件 | 小型車および大型車の時間交通量 平均走行速度 上下線合計の車線数 地盤卓越振動数 道路構造 | ||
適用範囲 | 平面道路:等価交通量(600以下)、走行速度(20~100)、車線数(2~8)、路面平坦性(1~7mm) 高架道路:等価交通量(50~850)、走行速度(40~100)、車線数(2~8)、最大段差量(5~30mm) 盛土道路:盛土高さ(2~8.5m) 切土道路:切土深さ(2.5~10m) 掘割道路:掘割深さ(2~6m) |
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課題 | ・
振動源と受振点に介在する媒質の変化量を考慮した予測の検討 ・ 地盤性状を考慮した予測の検討 |
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参考とした 文献・資料 |
建設省(1986)建設省庁所管道路事業環境影響評価に関する実施上の運用(案)について. 日本道路協会(1989)道路環境整備マニュアル.丸善、東京、pp257. | ||
備考 |
環境項目 | 振動 | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | エネルギーベースの道路交通振動の予測 | ||
技術等の概要 |
東京都の地盤を対象に作成された式であり、建設省土木研究所提案式との主な相違点は以下のとおりである。 ・ 地盤の種類を明確に分類していること(ローム、砂礫、沖積地盤) ・ 舗装構造を取り入れている 本式は振動加速度レベルのエネルギ―平均値(Leq)を求め、実験値のシミュレーション結果から求められた振動加速度レベルの80%レンジの上端値との関係式からL10を算出し、実測結果から求めた加速度レベルと振動レベルの差、ΔLから振動レベルを予測するものである。 本式では、振動加速度レベルのエネルギー平均値を算出することから、各車線からの振動を合成することが可能である。 | ||
調査・予測の 必要条件 | 走行速度、車両台数等 | ||
適用範囲 | ・
地盤:ローム、砂れき、沖積地盤 ・ 車線数:最大6車線 ・ 路面の平坦性:1~6mm ・ 等値換算総厚:10~60cm ・ 走行速度:20~70km/時 ・ 車両台数:(35台/10分~350台/分)/1車線 ・ 予測範囲:道路直角方向30mまで |
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課題 | ・ 東京都の地盤上の平面道路が対象 | ||
参考とした 文献・資料 |
横田明則(1994)道路交通振動の予測.騒音制御、18(6)、300-303. | ||
備考 |
環境項目 | 振動 | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | 回帰式による予測方法(地下鉄) | ||
技術等の概要 | トンネルからの距離(X)、トンネル重量(Y)、走行速度(Z)の各々の基準値に対する増減による振動レベルの増減を、軌道別の振動レベルの基準値Kに加えて、地表振動の予測値を求める方法である。 帝都高速度交通営団の提案式であるが、事例調査結果を用いて、K、X0、Y0、Z0を回帰分析より求め援用して用いられている。
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調査・予測の 必要条件 | トンネル重量、走行速度、地盤性状等 | ||
適用範囲 | ・
地下鉄トンネル近傍の地表振動レベルの予測。 ・ 東京と近辺の一般的地盤を対象としたものである。 | ||
課題 | ・ 他地域で用いる場合は、その適用の妥当性を検証する必要がある。(特に土質が明白に異なる場合の使用は基本式の検証を要する。) | ||
参考とした 文献・資料 |
(社)日本騒音制御工学会・研究部会(1997)環境振動予測手法の現状と適用事例 営団7号線環境影響評価書 都営12号線 新宿・練馬間及び環状部環境影響評価書 | ||
備考 |
環境項目 | 振動 | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | 新幹線鉄道における統計予測式 | ||
技術等の概要 | 新幹線鉄道振動の変動要因がどのように振動に係わるかの概略を知ることを目的として、作成された統計予測式である。予測式は以下に示すように線形回帰式を基に作成された。対象とした構造はラーメン橋及び桁橋(PC、RC桁)区間である。 L=a0+a1x1+a2x2+……+apxp L :振動レベル xj:説明変数 aj:回帰係数 なお、詳細な式等は添付資料-1に示すとおりである。 | ||
調査・予測の 必要条件 | ラーメン橋の場合については添付資料-2に示すとおりである。 なお、桁橋(PC、RC桁)区間及び高架区間については、現在資料を収集中である。 | ||
適用範囲 | ・ ラーメン橋区間及び桁橋(PC、RC桁)区間に適用される。 ・ 軸重16t、走行速度220km/時の車両条件である。 ・ 予測地点は構造中心から12.5mである。 | ||
課題 | ・
回帰分析により得られた純粋たる統計学的回帰変数を設定したものではなく、工学的に妥当と考えられる回帰変数を設定したため、幾分客観性が落ちることが否めない。 ・ 今後十分な再検討が必要である。 | ||
参考とした 文献・資料 |
(社)環境情報科学センター(1999)環境アセスメントの技術.中央法規出版、東京、pp1018. 吉岡 修(1997)環境振動予測手法を用いた適用事例-新幹線鉄道-.(社)日本騒音制御工学会・研究部会技術レポート、20、16-19. | ||
備考 |
環境項目 | 振動 | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | 建設作業振動の予測(Bornizの式) | ||
技術等の概要 | 建設機械の作業における基準点振動レベル、振動レベルの幾何減衰係数n及び土質の内部減衰係数αから予測点における振動レベルを予測する。 L(r0)=L(r1)+20log(r1/r0)n+8.68α(r1-r0) L(r1):基準点振動レベル(dB) | ||
調査・予測の 必要条件 |
・建設機械の作業における基準点振動レベル ・土質条件等 | ||
適用範囲 | ・ 予測範囲の土質が均一 ・ 振動源と受振点との間の構造的な変化がない ・ 地盤表面の性状が均一 | ||
課題 | ・
建設機械の作業における基準点振動レベルのデータの蓄積 ・ 幾何減衰定数(波動の種類:表面波、実体波、表面波と実体波の複合)や土質(シルト、ローム、砂礫、粘性土、沖積土、洪積土、岩盤等)の内部減衰定数が固定化される傾向にある。 ・ 波動の分離による減衰傾向や土質の違いによる減衰傾向の詳細な検討 ・ 地盤性状を考慮した予測の検討 ・ 振動源と受振点に介在する媒質の変化量を考慮した予測の検討 | ||
参考とした 文献・資料 |
塩田 正純(1986)公害振動の予測手法.井上書院、東京、pp237. 塩田 正純(1998)騒音・振動の予測手法の現状と課題.騒音制御、22(2)、88-96. | ||
備考 |
環境項目 | 振動 | 技術等の種類 | 予測 |
---|---|---|---|
技術等の名称 | 最大速度振幅による予測(実測結果による式)[1] | ||
技術等の概要 |
構造物などが被害を受ける程度と良い相関を示す最大速度振幅を予測し、最大速度振幅から振動レベルを算出する予測式である。 最大速度振幅を求める式は下式に示すとおりであり、予測にあたり、K、a、bを仮定することになる。
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調査・予測の 必要条件 | ・ 発破の装薬量 ・ K、a、bの定数の設定 | ||
適用範囲 | ・ トンネル発破 ・ ベンチカット発破 ・ 得られた結果はあくまでも目安にすぎないと考える。 | ||
課題 | ・
環境アセスメントの段階において、現地での試験発破を実施することは困難と考える。したがって、上記の定数を採用せざるを得ない。 ・ 振動レベルの変換式は、連続正弦波形(継続時間無限大)に対して成立する理論式である。したがって、発破振動波形のように継続時間の極めて短い衝撃的な振動波形に対しては、明らかに振動レベルを過大評価することになる。 | ||
参考とした 文献・資料 |
(社)日本騒音制御工学会技術部会・低周波音分科会(1996)発破による音と振動.山海堂、東京、pp307. 大阪府(1986)阪南丘陵開発計画に係る土砂採取事業に関する環境影響評価書. | ||
備考 |
環境項目 | 振動 | 技術等の種類 | 予測 |
---|---|---|---|
技術等の名称 | 最大速度振幅による予測(実測結果による式)[2] | ||
技術等の概要 | 振動-5(最大速度振幅による予測(実測結果による式)[1])における振動レベルへの換算式において、振動速度波形の最大速度振幅と振動波形の継続時間から振動レベルを算出する式が提案されている。単発発破の場合の右辺第二項の0.63は振動レベル計の動特性を規定する時定数(s)を示す。![]() | ||
調査・予測の 必要条件 | 振動振幅速度の算出式において、定数Kは、火薬の種類、填塞状況、穿孔等の発破条件や地盤の性質、成層状況などの要因が含まれている。より精度の高い予測値を得るためには、事前に薬量の少ない試験発破を現地で実施し、現地の状況をよりよく反映した実験式を求めることが望ましい。 | ||
適用範囲 | ・ トンネル発破 ・ ベンチカット発破 ・ 得られた結果はあくまでも目安にすぎないと考える。 | ||
課題 | ・
環境アセスメントの段階において、現地での試験発破を実施することは困難と考える。したがって、上記の式を採用せざるを得ない。 ・ ただし、同様の岩種における発破時の振動レベルデータを蓄積することによって、より精度の高い実験式を得ることが可能と考える | ||
参考とした 文献・資料 |
(社)環境情報科学センター(1999)環境アセスメントの技術.中央法規出版、東京、pp1018. (社)日本騒音制御工学会技術部会・低周波音分科会(1996)発破による音と振動.山海堂、東京、pp307. | ||
備考 |
環境項目 | 振動 | 技術等の種類 | 予測 | |
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技術等の名称 | 環境振動に対する居住性能評価の動向 | |||
技術等の概要 | ・ 居住性能評価値に関しては、加振源ごとに表-1のような基準類が国内外に制定されている。ISO2631-2(1989)などの国際基準も整備されているが、我が国では独自に基準類を制定し、評価してきた。しかし、全身振動評価の基盤となるISO2631-1が1997年に大幅に改訂されたことを受け、関連する国際基準類も改訂・整理される方向にあり、国際的動向への配慮を意識せざるを得ない状況にある。この全身振動の国際規格の改訂は、直接振動が人体に入るような乗り物や間接的に振動が人体に入る建物内振動の評価に大きな影響を及ぼすと考えられる。 ・ 我が国の振動規制法における振動レベルの測定方法は、「JISZ8735 振動レベルの測定方法」に従って「JISC1510 振動レベル計」の定める振動レベル計を用いて行なうことになっている。 ・ JISZ8735では、測定点については、全て敷地境界線上での振動測定となっており、この敷地境界線上での振動測定値が振動規制法で定められた値以下であれば問題ないとされてきた。しかし、この境界での値が規制値以下でも、境界から建物に伝達した振動が建物の振動特性に依存して増幅された場合に、建物内での振動が振動感覚閾値以上になり、クレームが多発しているのが現状である。 ・ しかし、ISO2631-2(1989)、ISO/DIS2631-2(1999)においては、振動の測定を建物内での人体の近傍での測定を考えている。今後は、日本においても、建物内外での振動を測定する点等を規定していく必要があると思われる。 ・ また、現在、我が国においては、ISO2631-2(1989)の鉛直方向の周波数補正曲線を用いて、敷地境界線上での振動レベルを測定している。しかし、人体近傍での測定を考えた場合、今後はISO2631-1(1997)で規定された鉛直方向、水平方向の周波数補正曲線及びISO2631-2(1989)、ISO/DIS2631-2(1999)で考えられている複合周波数補正曲線を用いた人体近傍での振動測定を考えなければならないと思われる。 ・ 評価方法においても、ISO2631-1(1997)における新しい周波数補正曲線の使用した建物内での人体へ入る振動の評価やISO/DIS2631-2(1999)にある建物内での人の応答の評価方法について考えていかなければならないと思われる。表-1 環境振動の発生源と評価方法 出典:石川孝重(2000)
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調査・予測の 必要条件 | ||||
適用範囲 | ||||
課題 | ||||
参考とした 文献・資料 |
石川考重(2000)居住性能評価の現状-第18回環境振動シンポジウム- 性能設計に向けた環境振動評価.日本建築学会環境工学委員会 環境振動小委員会. 前田節雄(2000)国際規格の動向-第18回環境振動シンポジウム- 性能設計に向けた環境振動評価.日本建築学会環境工学委員会 環境振動小委員会. | |||
備考 |
環境項目 | 低周波音(衝撃性音圧レベル-発破低周波音) | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | 【発破低周波音予測及び評価】回帰モデル | ||
技術等の概要 |
換算距離(相似距離)を用いる音圧レベルの予測方法 既存の実測データである音圧レベルを換算距離(m/kg1/3)との関係で整理し、推定式を求めて予測に用いる方法。以下に事例を示す。 ![]() |
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調査・予測の 必要条件 | ・ 発破の諸条件 薬量、距離 ・ 実測データ(発破工法の種類、ピーク音圧レベル、発破薬量、測定距離)の収集 | ||
適用範囲 | ・
実測データから求められる予測式であるため、実測における換算距離を上回る場合は適用できない。 ・ 同様と考えられる発破工法での実測データから回帰式を求める必要がある。 | ||
課題 | ・
データにばらつきが大きく、発破方法、地表面及び地形別のデータの蓄積が必要と考える。 ・ 衝撃性騒音の評価を行なう場合の指標の検討が必要である。 | ||
参考とした 文献・資料 |
(社)日本騒音制御工学会技術部会・低周波音分科会(1996)発破による音と振動.山海堂、東京、pp307. | ||
備考 |
環境項目 | 低周波音 | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | 回帰モデル(機械の稼動等) | ||
技術等の概要 | 類似プラントなどの機械の稼動により発生する低周波音の多点(側線)実測を行ない、伝搬理論に基づいた回帰式を用いて予測を行なう。 | ||
調査・予測の 必要条件 | 類似のプラント等の実測データの収集又は実測 | ||
適用範囲 | 対象とするプラント等のみに適用となる。 | ||
課題 | 低周波音の反射等による影響を無視できる場においての実測が必要となる。 | ||
参考とした 文献・資料 |
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備考 |
環境項目 | 低周波音(衝撃性音圧レベル-発破低周波音) | 技術等の種類 | 予測 | |
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技術等の名称 | 発破低周波音予測及び評価 (社)日本騒音制御工学会提案による式 | |||
技術等の概要 |
【現場計測結果の考察による音圧レベルの予測方法】 発破現場の諸要因も考慮に入れ、発破条件の関係で整理する方法。 ベンチ発破からの発生音の統計的予測式として以下の式が示されている。 重回帰分析により、Kp、a、b、n、cの各係数を求める。
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調査・予測の 必要条件 | ・発破の諸条件 薬量、段当たり薬量、ベンチ面積等 なお、類似地形及び類似発破条件(薬量、ベンチ面積、岩区分等)での多点による実測調査が必要 | |||
適用範囲 | ||||
課題 | ・
データの十分な蓄積のもと、汎用的に用いられるための諸係数の設定が必要である。 ・ 衝撃性騒音の評価を行なう場合の指標の検討が必要である。 | |||
参考とした 文献・資料 |
(社)日本騒音制御工学会技術部会・低周波音分科会(1996)発破による音と振動.山海堂、東京、pp307. | |||
備考 |
環境項目 | 低周波音(衝撃性音圧レベル-発破低周波音) | 技術等の種類 | 予測 |
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技術等の名称 | 低周波音の評価値(目安) | ||
技術等の概要 | 低周波音の評価指針値については、感覚的、睡眠影響、物理的影響及び圧迫感・振動感についてそれぞれの領域に関して検討する必要がある。表-1に低周波の領域とそれぞれの影響について概要を示す。このような基本的な知見から、最近では、下記のような評価方法が提案され検討されている。(表-2) [1] 低周波音の感覚及び睡眠への影響に関する評価として、G特性音圧レベル(ISO7196/1995)を測定し、100dB(G)を超えるか超えないかで、その影響を評価しようとするものである。G特性は、感覚閾値に基いた特性で10Hzを0dBとして20Hzにピークを持ち低音域側は-12dB/oct、高音域側では-24dB/octの減衰となっているものである。 [2] 低周波音による建具等のがたつきに関する評価として、1/3オクターブバンド幅で周波数分析(1/3オクターブバンド中心周波数5~50Hz)して、評価指針値と比較して評価を行なう。指針値は検討中である。 [3] 低周波音による圧迫感・振動感に関する評価として、1/3オクターブバンド幅で周波数分析(1/3オクターブバンド中心周波数5~50Hz)して、評価指針値と比較して評価を行なう。指針値は検討中である。 | ||
調査・予測の 必要条件 | |||
適用範囲 | |||
課題 | |||
参考とした 文献・資料 |
教育編集委員会(2000)平成11年度 環境アセスメント部門別研修会テキスト(I) 大気環境.(社)日本環境アセスメント協会. 井上保雄(1999)低周波音の実態と対策.騒音制御、23(5)、311-318. | ||
備考 |