効果的なSEAと事例分析(平成15年6月)

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3.5. 事例研究: オランダ飲料・工業用水計画に対するSEA

3.5.1. はじめに

3.5.1.1計画の性質

本事例分析が行われた時点では、オランダでの水供給は地方水道会社が担っていた。 それらの企業は、州の政策に基づき州政府から具体的なプロジェクトに関する許可を得ていた。一方、州の政策は国の政策と適合しなければならない。当該国家政策は環境省により策定され「飲料水・工業用水供給計画(BDIV)」に即して行われる。 BDIVは以下の決定を含む。

SEAはBDIVの準備の一環として行われた。

3.5.1.2 SEAの役割

SEAの2つの主な目的は、国の水生産政策に関する複数案の環境インパクトを特定し、 水の生産方法に関する複数法を比較することであった。

3.5.2. 背景:前後関係及び論点

3.5.2.1 社会面及び環境面での状況

水供給に係わる最大の環境問題は、水生産設備に関連する土壌の脱水及び土地利用であった。 これらの2つの問題は生物多様性にも深刻な影響を及ぼしている。他方で飲料水の製造にあたり淡水資源の多くが汚染され、一層高価な浄化手法の必要性が高まっている。最も汚染の少ない資源の活用は、生物多様性に対して最も有用である。

3.5.2.2 SEAと意思決定プロセス

本BDIVの設定は、いわゆる「物質的計画策定の中心に関する決定(PKB)」と呼ばれる物質計画の策定法の手続きに従って行われた法的手続きである。この手続きは4つのフェーズを経て意志決定が行われる:

SEAは、同計画策定プロセスに統合されている。なぜなら、ステップ1の前段階に追加的な手続きが設けられたためである。

3.5.3アプローチと活用された手法

3.5.3.1 情報収集

大半のベースライン・データは水道供給会社から提供された。オランダでは表層水及び地下水の質、土の湿気、生物多様性、視覚的/歴史的上の景観などについて広範なモニタリングが行われている。例えば、土壌脱水性に対する陸上植物の敏感性及び、一旦当該陸上植物が喪失された場合の再生産の可能性などを1km×1kmグリッドの地図上で示すことができる。また、水道会社の活動も適切にモニターされている。 情報源は国立及び半国立的な科学機関が提供しているものがある。SEAは 主として既存情報に基づいて実行されたが以下の2つの要素に関しては新しいモデルの開発が行われた。この新モデルの開発には非常に時間を要した。しかし、これはSEAが相対的に高い期待を持っていることを示す。

3.5.3.2 複数案の立案

生産方針に関する複数案
評価の第一歩として将来の全国の水生産政策に関する5つの複数案が立案された。2つの大きなカテゴリに分類できる。

A 現在の地下水/地表水利用の比率に基づく
  • 飲料水の生産を増加させること
  • 飲料水の生産量の縮小
  • 工業用水量の縮小
B 地下水/表層水利用の比率の変化に基づく
  • 地下水利用量を増加(浅・深地下水、浸透した川水)させ、地表水利用量を減少させる。
  • 地下水の利用の削減、地表水利用量の増加

生産方法に関する複数案
SEAは以下の生産方法の比較を行った:

1. 地下水の利用:
  1. 浅い地下水の利用
  2. より深い地下水の利用
  3. 浸透した河川水の利用
2. 地表水の利用:
  1. 自然の溜め池からの直接取水
  2. 人工貯水池からの直接取水
3. 人工的な浸透水の利用(すなわち、表層水の地下へ浸透させ、それを地下水として利用):
  1. 表面浸透
  2. 深い浸透

3.5.3.3 課題と指標の選定

「影響分析」を参照。

3.5.3.4 影響分析

生産方針に関する複数案
複数案の環境影響は以下のステップで影響評価された。

  1. 生産方針に関する各複数案に関して、将来の水生産容量の見通しが作成された。
  2. 地下水及び地表水に対して、国家水文学モデルが開発されるとともに、適切な地理情報システム(GIS)が開発された。
  3. 将来見通しと水文学的モデルを組み合わせて、オランダにおける地表水と地下水に関する各生産方針に関する複数案のインパクトが特定された。
  4. オランダにおける湿地帯生態系の自然の価値を決定するモデル(いわゆる「DEMNAT」モデル)が開発された。同モデルの主な特徴は、同質の生態系(エコトープグループ)の識別と、以下に基づいた生態系1平方キロ当たりの既存の自然の価値の評価である
    ・エコトープグループの存在
    ・これらの国内・国際的な希少性
  5. 最後に、ステップ3の結果がDEMNATモデルの中で活用され、オランダにおける地表水と地下水の状態に関して、生産方針に関する複数の案の結果として既存の自然の価値がどのように変化するかを調べた。

生産方法に関する複数案
以下のアプローチが生産方法に関する複数案の影響評価のために用いられた。

1.複数案の影響が以下の環境面について影響評価された。

これらの環境面に加えて以下の側面への影響も調べられた。

2.副次的基準が、各々の側面について定義され、また定量的及び定性的に影響評価された。定性的影響評価では、複数案は1から8までに順番にランク付けがされた。(1がベスト、8が最低)

表 23 生産方法に関する複数案

3 多基準分析手法によって副次的基準のスコアは1つのスコアに統合された。

本アセスメントは、主として専門家の判断、文献調査、モデルに基づき実施された。自然、水消費者に対する社会コスト、農業に対する土壌の湿気を上昇させるためのコストなどである。

3.5.3.5 複数案の比較

生産方針に関する複数案
生産方針に関する複数案はDEMNATモデルの結果を活用し、オランダの自然の価値に対する影響について比較された。

生産方法に関する複数案
各方法の最終スコアは以下の5つの異なる側面を活用した多基準分析により、生産方法に関する複数案に対して最良から最悪までのランク付けが行われた。

最終スコアを活用して、適用された手法の不確実性、スコアに関する不確実性及び重み付けに関する不確実性に関する感度分析が行われた。また、個々の側面について、どの副次的基準が最終スコアにおいて最も重要か。またどのような将来の開発が最終スコアに影響を及ぼすのかについて議論が行われた。

3.5.3.6 公衆参加

省庁間の協議、公衆参加が下記の方法によって行われた。

参加プロセスの結果は別文書として公表された(PKB手続きのパート2)。結果が、意志決定の中でどのように利用されたかについてBDIVに関する閣議決定の中で公表された(PKB手続きのパート3)。また、公衆参加の結果は独立EIA委員会の助言の中に組み込まれた。実際、EIAの手続きはオランダの飲料水生産に関して公衆との意見交換の起爆剤及び構造化に役立っている。SEAの結果は計画システムの再構成の動機付けとなった。

3.5.3.7不確実性分析

不確実性分析(SEAで法律上要求される部分)は以下の主な不確実性を特定した。将来の水資源の質(環境政策の有効性に関する不確実性)、将来の水消費量(将来の経済成長の不確実性に関連)、計画期間内における水生産及び処理技術の進歩、新プロジェクトの実現である。

SEAプロセスの教訓は、予測された環境影響は既存の水供給設備に伴う影響をなくすことはできないということである。より環境に配慮した設備が、将来に開発されるであろう。 このような環境改善の可能性を推定し、アセスメントに織り込むことは現実的であるとされた。

3.5.3.8 モニタリング及びフォローアップ

モニタリング計画を定める研究はBDIVに含まれていた。第一歩は、低いレベルとの関連に関するモニタリングシステムを設定する必要があり、情報を統合する省へ報告するというものであった。モニタリング計画中の主な要素は以下のものであった。

3.5.3.9 概観:何が良かったのか、またその理由

独立EIA委員会は、SEAを審査し、品質が良いSEAであると結論づけた。 特に、DEMNATモデルの開発は、特に高く評価された。しかし、所管官庁に対しては、地域レベルに影響評価の結果を適用する場合には注意を要することが助言された。 SEAの中で最高評価の生産技術も、地域毎に水文状態が異なることにより、成果が異なる可能性がある。例えば、全ての地域において取水が自然に影響を及ぼすわけでもない。また、生産技術のスコアは地域内の関連するセクター、例えば農業の開発に関連する。例えば、特定地域では後段で農民によって取水・放水が行われる場合、自然の保全を目的として地表水の飲料用への活用を止めるのは効果的ではない。EIA委員会は、水生産によって影響を受ける自然の保全又は自然開発を目的として、EIA手法のフレームワークの活用を助言した。

3.5.4. 結果と教訓

3.5.4.1 SEAがどのように意思決定に貢献するか

生産方針に関する複数案
SEAにより以下のことが判明した。

生産技術に関する複数案
各視点からの主な結論は大枠で同じである。

これらの結論は、感度分析において健全であると判明した。

3.5.4.2 何が起こったか

所管官庁によると、SEAは意志決定プロセスに影響を及ぼした。 SEAの結果は、オランダの将来の公共用水整備に関する国家政策の作成の際に考慮に入れられた。 更に、SEAの一部として開発された方法は水セクターのプロジェクトEIAに影響を与え、また組織立てることに役立った。また、地方レベルで計画策定を行う際に、国家計画を適切に取り入れることを促進した。

3.5.4.3 SEAの優良実践の結論とは

大半のSEAでは、多数の指標に関する影響の定性的評価で最良な複数案の選定が可能であり、予測において不確実性を見る唯一のオプションを見つけるにも十分である。しかし、この事例では、政府は特に水生産と自然との定量的関係を調査しようとし、そのため多少長めの期間を要することとなった。このSEAは、このような方法が原理的には利用可能であり、開発可能であることを示すことができた。本事例では、SEAの一部として、多くの新しいコンピュータモデルを開発した。この結果、SEAは終了するまでに数年を要した。政府は、このことに対して否定的な見解は有していない。これは、SEAで明らかとなった新しい情報は多年にわたり、意思決定をフォローするのに有用であったためである。

3.6. 事例研究: オランダ国家電力計画に対するSEA

3.6.1. はじめに

3.6.1.1 計画の性質

本事例研究では、「国家電力計画」(略称:SEV)は、全国レベルの電気供給に関する環境上・土地利用上の条件を定める計画である。本計画は、オランダ政府が作成した。しかし、電力生産は地方電力供給会社が行っている。これら地方電力供給会社は「電力供給会社協会(SEP)」を組織している。SEPは2年毎に「電力供給計画」を作成している。同供給計画は、SEVで定めている条件を満たす必要がある。例えば、SEVは考えられる発電所の候補地、発電用燃料の適正などを定めている。これらの候補地の中から、SEPは実際の発電所の立地場所及び発電の種類を決定する。
電力法(1989)によれば、SEVは以下の事項に関する決定を含むものとされている。

原子力エネルギーについては、意志決定ラインが異なり、SEVには含まれていない。

3.6.1.2 SEAの役割

SEAはSEVの以下の意思決定を網羅する必要がある。

  1. 500MWe以上の能力を有する発電所の立地
  2. 燃料種の選定とオランダ国内での燃料種別の最大の発電能力

所管官庁はその仕様書の中で、SEAには任意に以下の決定を網羅するべきである定めた。

3.6.1.3 事例研究の焦点

本事例分析では、燃料種、発電技術と緩和措置、及び発電所の立地などの選択のために行われた影響評価に注目している。

3.6.2. 背景:前後関係及び論点

3.6.2.1 社会面及び環境面での状況

オランダは、多量の天然ガスの埋蔵量を有する。しかし、戦略上の理由のため、将来のために天然ガスの一部をとっておくことが国策となっている。従って、オランダの電力の大部分は輸入石炭の使用により発電が行われている。環境の視点からは、天然ガスの使用は、石炭の使用よりも多くの点でメリットがある。このため、オランダの環境NGOは、長い間、天然ガスのより一層の利用を主張してきた。SEAの目的の1つは、天然ガス利用を増加させる政策に関する利点と欠点を見ることであった。

3.6.2.2 SEA/意思決定システム

このSEVは、いわゆる「物質的計画策定の中心に関する決定(PKB)」と呼ばれる、物質的計画の策定法の手続きに従い行われた。 この手続きは、4つのステップに分けて意志決定を実施する。

SEAは、同計画策定プロセスに統合されている。なぜなら、 ステップ1の前段階に、追加的な手続きが設けられたためである。

3.6.3. アプローチと活用された手法

3.6.3.1 情報収集

ベースライン・データとして、SEAは発電に関連する既存環境問題に焦点を当てた。 発電所に関係する主な問題は以下のとおりである。

燃料の使用に関係する主な問題は以下のとおりである。

電力需要シナリオ(以下を参照)を例外として、評価は既存の情報に基づいて行われている。

3.6.3.2 複数案の立案

立地選択

立地に関する複数案は、主として前国家電力計画に基づくものである。 当該計画では、31のサイトが既に潜在的候補地として選定されていた。 これらの内、9つのサイトは、他との比較で明らかに不利であることと、新しい電力需要予測から、もはや必要でなかったため、本SEVから除外された。 残りの22のサイトに加えて、廃熱再利用の可能性を加味して2つの新しいサイトが付け加えられた。合計24の候補地が、SEVの立地に関する複数案と見なされた。これらは現在発電所が無い場所、及び今後発電容量を拡張する場所の両方を含む。

燃料タイプの選択

複数案は、以下のステップを通じて立案された。

ステップ1: 需要シナリオ
将来(2000年から2010年)に予測される電力需要に関するシナリオが作成された。毎年、2つのシナリオが作成された。相対的に低需要の場合のシナリオと、高需要の場合のシナリオである。これらの予測は、経済成長率、構造変化及び省エネルギー対策について、高レベルと低レベルの開始点を仮定して、簡単なコンピューターモデルにより作成された。
  • 経済成長の予測は経済企画庁(CPB)(高度なコンピューターモデルを実施)の公表資料を活用した。
  • 予測される構造変化は、電力密度に関する現在のトレンドを活用した。
  • 省エネルギーは国家の省エネルギープログラムの目標値を用いた。
また、集中型発電の必要性は分散型発電を通じて得られる発電の期待量を差し引いて計算された。
ステップ2: 燃料種に関する複数案
各需要シナリオに対して2つの「燃料種別複数案」が立案された。
  • 政府の望ましいオプション:石炭50%、ガス50%の使用
  • 天然ガスを中心とする環境オプション:石炭33%、天然ガス及び石油ガス化で67%の使用
ステップ3: 発電技術及び緩和措置に関する複数案
各燃料種について、最先端技術が記述された。各燃料種に基づき4つの代替発電技術及び利用可能な緩和技術が記述され、一般的な方法で、環境・その他の側面についての比較が行われた。
ステップ4: 統合的複数案の立案
ステップ1、2及び3の情報に基づき、以下の複数案が立案された。
  1. 高シナリオ; 50%の石炭と50%ガス; 従来の石炭技術
  2. 高シナリオ; 33%の石炭と67%ガス及び石油ガス化
  3. 低シナリオ; 50%の石炭と50%ガス; 従来の石炭技術
  4. 低シナリオ; 33%の石炭と67%ガス及び石油ガス化
更に、複数案1と3 については「副次的複数案」が検討された。これは、 従来の石炭利用の代わりに石炭ガス化技術を使用する。
  1. 高シナリオ; 50%の石炭と50%ガス;石炭ガス化
  2. 低シナリオ; 50%の石炭と50%ガス;石炭ガス化
合計6つのいわゆる「基本的」複数案が立案された。
ステップ5: 環境にやさしい複数案の立案
基本的複数案を出発点として、集中型発電に関する「環境にやさしい複数案」が作成された。

1 下記のような環境上の利点と欠点が検討された。

2 その後、最高特定のパターンが3つの最も環境にやさしい複数案としてまとめられた。

3.6.3.3 課題と指標の選定

立地選定

全ての候補地と検討された複数案は、以下の基準で評価された。

燃料タイプの選択

全ての複数案は、以下に掲げるインパクトによって比較された。

3.6.3.4 影響分析

インパクトは、モデルの組み合わせ(例えば、需要シナリオ、騒音影響、リスクアセスメント)、専門家の判断及び既存文献の知識の活用により評価された。 統合的な 複数案のインパクトは、大きなスプレッド・シート・モデルで評価された。この評価は、立地の複数案の適切性に関する定性的なスコア及び燃料種の複数案に関する定量的なスコアに活用された。

3.6.3.5 複数案の比較

立地選定

サイトの複数案が3つの方法で比較された。

  1. インパクト毎のSEAの要約では評価結果が定性的に議論された。すなわち、どのサイトのスコアが高く、どのサイトが低いかということ。
  2. SEAの本文中で、スプレッド・シートが作成され、影響評価された様々な側面について、全てのサイトについて、適性が質的に記述された。 例えば、 「十分な冷却水の確保」の観点では、あるサイトが適切か否か、またある条件の下で適切又はある対策下で適切などである。
  3. また、サイト毎に、本文の中で、サイトの適性及びサイト利用の前提となる対策に関する定性的な議論が記述された。

燃料の利用

燃料の複数案も3つの方法で比較され。

  1. 要約では、全複数案のスコアは政策目標と比較された。 各案が、政策目標を達成するか否か。 複数案のどれも達成しない場合、どの案が最も良いか。
  2. SEAの本文の中で、全ての複数案、すなわち基本的な複数案や環境に望ましい複数案がスプレッド・シート中で全ての面で定量的な影響評価が行われた。
  3. 更に本文では、各複数案に対し、それらがどのように影響評価されたのか、他の複数案と比較してどうか、などの結論が導かれた。

3.6.3.6 公衆参加

公衆参加は下記方法によって行われた。

上記のステップにおいて、オランダ中の誰でもコメントを提出する権利を有する。 コメントの概観および議論は、SEAのための仕様書(「ガイドライン」)として、PKB-SEVのパート2及びEIA委員会によるEIA調査報告書で公表された。

本事例の場合、電力計画はそれほど多くの公衆参加を得られなかった。全体で32のコメントが提出された。オランダで最も妥当と考えられる利害関係者は、あらゆる段階で戦略計画の形成の大半に関与しているためである。例えば、政府の公式助言会議の参加者としてである。一般公衆があまり参加しなかった理由は、SEVの決定は直接的に彼らに影響を及ぼすものではないためである。

3.6.3.7 不確実性分析

概して、SEAの結果は、特に新しくて実証されていない技術の場合には、多くの不確実性が含まれている。次の主な不確実性が特定された。

3.6.3.8 モニタリングとフォローアップ

閣議決定では、SEV発効の5年後、SEAに述べられた形に沿って、またEIA委員会の助言に沿って、当該計画の効果の評価が行われることが決定した。

SEAには以下の記述がある。

EIA委員会は、以下をモニターすることを勧告した。

3.6.3.9 概観:何が良かったのか、またその理由

独立EIA委員会は、活用された方法論及び結論に関する明瞭な記述について、肯定的な判断を下した。 しかし、EIAの委員会は、持続可能性に関する考え方の取り扱いが不十分であると述べた。 EIA委員会は、SEVの評価の中に、持続可能性に関する目的が電力政策へどのように統合されるかについてモニタリングを行うべきと勧告した。

3.6.4. 結果と教訓

3.6.4.1 SEAはどのように意思決定に貢献したか

意思決定者は、SEAを意志決定に役立つものと判断した。 更に、彼らの見解では、SEAが行われなかった場合に、SEVがどのようなになったかは誰にも分からないが、SEAは最終的に採用されたSEVに大きな影響を及ぼしたものとした。

3.6.4.2 何が起こったか

SEAに基づいて、18のサイトが発電所の立地サイトとして認められた。各サイトに対して、使用する燃料種が決定された。燃料使用に関しては、2010年には、最大6000MWのうち、必要とされる電力の33%のみが石炭の活用によると決定された。新発電所は石炭ガス化を使用することとなった。

3.6.4.3 SEAの優良実践の結論とは

SEAで活用されたアプローチは、適切であると考えられた。しかし、意思決定者による批判的な一つの意見では、SEAは詳細に実施されすぎた側面もいくつかあるということである。次回においては、それほど詳細な情報を活用しないことで、SEAをもっと早く実行することが可能かもしれない。

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