平成13年度第1回環境負荷分科会

議事録

○日時  平成13年6月5日(火)10:00~12:30

○場所  経済産業省別館E11号会議室

○出席者

<検討員>永田委員(欠席:浦野委員、細見委員、森口委員)

<研究委員>白鳥委員、内藤委員、山田委員

<事務局>小林課長、上杉調整官、柴田専門官、川越補佐ほか(環境省)

黒崎課長ほか(日本工営)

靏巻課長ほか(八千代エンジニアリング)

山本副部長ほか(東電環境エンジニアリング)

○議題

(1)調査・予測・評価の進め方

(2)その他

○検討経過

これから大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術検討会環境負荷分科会を開催したいと思います。

 最初にお手元の資料を確認させていただきたいと思います。

                (配付資料確認)

上杉調整官 それでは、座長の永田先生から議事進行の方、よろしくお願いいたします。

永田座長  お忙しい中、朝早くからお集まりいただきましてありがとうございます。

 それでは、環境負荷分野分科会を始めさせていただきます。

 まず、資料につきまして事務局から説明していただいた後、ディスカッションという格好でよろしいですね。

 それでは、よろしくお願いいたします。

八千代エンジニヤリング(靏巻)

 『前回の環境負荷分科会における指摘事項とそのその対応』(資料-1)

 『環境負荷分野における調査・予測・評価の進め方』(資料-2)

                 (資料省略)

永田座長  どうもありがとうございました。浦野先生もおみえにならないので、私だけですが、これは事前に皆さんには見ていただいているわけですね。

柴田専門官 はい、お送りしております。

永田座長 なかなか言いづらい点はあるかもしれませんが、活発にご発言いただいて、まとめていきたいと思っております。

 どうやっていったらいいかなと思って考えていましたが、先ほど指摘事項の話のところは、今後、行うものも含めて取り入れられるものは入れましたという話になっているんですね。ただ、検討してほしいという話があった中では、例えば総論のところで、「ベースライン設定も長期で考えれば変動していく。その考え方を取り入れたベースラインについても考えるべきである」とあるが、その記述はどの辺に示されていますか。あるいは、その上の「電力ベースラインとしては電力需要への対応を前提としたシナリオで考えることができるのではないか」。

八千代エンジニヤリング(靏巻) まず1項目目のベースラインも長期的に変わっていく……

永田座長  この辺、ベースラインの話が結構多いんですよね、検討の裏側のところは。その辺のところでどのような考え方を示されたのかというのは、言葉を切ってしまって申しわけありませんが、そういう意味では総論のところですよね。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 2-8については、そのようなアドバイスと受け取っているのですが、ケーススタディを行ってみて、足りない点等を指摘していただきたいと思っています。ベースライン設定の考え方ですね。

永田座長 全体的に聞いていて思ったんですが、特にケーススタディで、こういう格好で挙げてしまって本当に大丈夫かな。という話もあって、実態としてやられているものを相当調査していただいて、その中でかなりの程度、そういう意味では高度化されたアセスだなと思われるような例を示さないと、逆に例示ではない。例示ではないと言っているんだけれども、何か影響を与えやしないかなという気がするのと、それに対して、そういう数値が出てくるときのバックグラウンドをちゃんと示してもらう、ある意味では説明責任みたいなもので、後でもう一度計算しようと思ったり、あるいは原点をたどっていって、何でこんな数値が出てくるのか調べようと思ったらそれが必要なんだというところもちゃんと見せなくてはいけないんだろうと思いますが、そういう点は余り配慮されていないケーススタディの例が多いなというふうに、多いというか、二つですけれども、あるなという点も気になる。そういう点からすると、もう少し思想として、先程のベースラインの話もそうですが、どういう状況でそういうものを使うかということさえはっきりしてもらえれば、その考え方に沿ったベースラインの設定の仕方はきっと説明できているんだろうと思うし、それに対して反論があるのなら反論してもらえばいいということになると思うんですが、そういう意味ではもう少しないのかなと思って。

 もう一つ、ベースラインで変動していくものについては、その後のフォローアップみたいなもので、事後調査等で検討していきますよ。という方法論だってとれないわけではないなと思って話聞いていたんですが、そういう意味ではもう少しベースラインに関して、5ページ目にベースラインの話が示されているのですが、少し整理されたらどうなんでしょうか。そこのところは違うんですか。ケーススタディを見てくれと言われるが、我々からしてみると、前の方も大分気になるなと思うところもあって。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 2-9については、長期ということについて、実はどう入れていくのかというところは難しい問題で、今のところ前の方が示されていないんですけれども。

永田座長 全体像の話からすると、環境アセスは実施する側の思想といいますか、そういうもので、やり方自体もこれでなくていけないんだという話で考えているのではないんですよと。その中でとり得る対策等も含めてフレキシビリティは相当高くなったという中で考えていると、今のような話は、このような考え方もあるのではないかということを示すことでも、事後調査の中で実施してもらうというか、あるいは事前でもいろいろなことを考えてください。ということを書いておくことが重要であって、どこに書くかとか、これでなくてはいけないんでしょうかという議論は、どうしてもだめなものについては、そうやって外していかなくてはいけないのかもしれませんが、そういう方法もある。ということであったとすれば、入れていいのではないかなと思って話を聞いていました。

 そういう意味で、後ろの方に出てくるベースラインからどのくらいだという、それは一つの考え方として、ベースラインはこのように決めました、それに対してこれだけの削減量がありますと。それこそ温暖化効果ガスが、国で目標を定めて、それを削減していかなくてはいけないという話と、この話とは違うんだと思うんです。そうすると、ベースラインは一度決めてもらうのはいいかもしれないけれども、それ以外にもっと多角的な形で、今やろうとしている対策がどういう意味を持っているんだという、ある意味ではベースラインはいろいろな形で振ってみる話にもなるかもしれませんよね。そういうのもどんどん示された方が、対策の意味を一般の人たちにも分かってもらえるのではないかなと思っています。その辺のところも含めて一本で絞って、ベースラインがこれで、対策がこれで、この差がこれだけですよという書き方だけではない方がいいのかなと思って聞いていました。

上杉調整官 そのことに関連してですが、ベースラインの考え方がシステム全体で見ていくとか、いろいろな考え方が示されてはいると思うんですけれども、まずベースラインの設定の考え方のところがこれで足りるのかどうかという点が一つあると思います。特に、先ほどの長期で変動するという話などを考えますと、例えば温室効果ガスで見れば、長期のエネルギーの需給計画が実はベースにあって、それで熱源構成等は、実は割り当てがある程度想定されてしまっているわけだと思うんですが、その中で実際どのように、熟度が高まったものから実際の計画に着手して表に出てくるというような、すごく大きな流れの中でどう考えるかというのが1点あるかと思っています。ただ、それをこのアセスという個別の事業の中でどのように位置づけたらいいのかというのはなかなか悩ましいところがあるなというのが1点であります。

 もう一つは、ケーススタディでは確かに一つしか出ていないので、ベースラインをいろいろな角度から見た中で、というのは、ぜひやらなくてはいけないと思うんですが、特にこのケーススタディで言いますと、業界の自主的な行動計画は数値を出しているわけです。それとの関係などは、ある程度比較できるというところは数字で見せられるのではないかなという感じもしていますが、そうすると、業界の単位というシステムの一つで考えますというベースラインの考え方が示せることになるのではと思います。

 もう一つ気になりますのは、地域単位、地域の一定の行政の範囲の計画を例えばベースにして考えますと、CO2 などはそれで果たしてベースラインになり得るのかどうかというのは非常に疑問がありまして、ベースラインの設定の考え方というのは、何であれば温暖化がその場合使えるのかというのは、もう少し議論が要るのかなという感じがしております。

永田座長 どうでしょう、皆さんからも自由に発言してください。

内藤研究委員 今のベースラインのこととか温暖化の話と、違うところを申し上げたいと思うところがあるんですが、よろしいですか。

 廃棄物ですけれども、26ページに、前半の総論のところで廃棄物の評価の削減対策の内容とか、削減量の評価をするというんですが、例えば、4)「対策の効果に基づいて全体としての削減量及び廃棄物種類毎の削減量」、この削減量と言っている削減量は何なんだろうというのがわかりにくい。上の方を見ると、発生抑制とか排出抑制とか資源化云々書いてあるんですけれども、これが何の発生量として評価するのか。最後の方のケーススタディを見ると、これはすべて最終処分量の削減量といいますか、最終処分量だけで評価をしているようなところがあって、例えば68ページ、69ページあたりの評価のところですけれども、結局最終処分量が減ればいいというようなニュアンスの、例えば69ページの産業廃棄物の廃プラのところ、パルパー粕は焼却施設で焼却する、 7,000トンも出るものを焼却するから、排出は4トンですよと。例えばこういう評価というのは、最終処分量なりを減らすことが廃棄物のところの削減の考え方なのか、ただし、総論のところでは発生抑制とか排出抑制とかいろいろ言っているんですけれども、何かそういうのが余り見えないなと。全部最終処分量にいってしまっているけれども、廃棄物の評価はそれでいいのかなということが気になるなと思いました。

 もう一つは、39ページ、40ページの火力発電の廃棄物の対策について、40ページの表を見ますと、発生量が例えば 600(t/年)あります、再資源化が 420(t/年)です、そうすると処分量は 180(t/年)です。これは、やはり最終処分量のことを言っているようなんですけれども、前のページにこれらの資源化をするから 600のところを 420にしますということだけしか書いていなくて、このような書き方だと、何でも書けば終わりになってしまう気がして、例えば 600のところを再資源化を 500にしますとか何とか幾らでも書けそうな感じがするのですが、そこはやはり永田先生が先ほど言われたように、トレースできるような根拠みたいなものがないと、作文で終わりだと、ちょっと大丈夫かなという気がするなと思いました。そんなところです。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 内藤さんのご指摘、ごもっともだと思っています。指摘されれば、やはり最終処分までに至る過程についての説明が今回のものについては足らなかったなと、指摘されて痛感いたしましたので、その辺は改善したいと思います。

永田座長 そういう意味で、例えばリデュースに相当するようなところの、ここで例示されているものでちゃんと数値が出せる状況になりますか、発生抑制という観点。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 具体的な、今の内藤さんの指摘のところについては別なことも考えていたんですけれども、いろいろな削減対策をやるということについて、その立場を明らかにすることも重要だと書いてあるのですが、例えば焼却することに関して、焼却がいいことか悪いことか、この場合は……。

永田座長 いや、ここのところは、確かに焼却だけで書いてあるから、そういう意味ではサーマルリサイクルみたいな発想でちゃんとやっていかなくてはいけないとか、エネルギー回収の分も出していくとか、そういう手段が必要ですが、もっと大きく、やはり、これからの話からすれば、さっきの3Rではないけれども、そういうねらいみたいなものを前にも書いてあることだし、あるいはそういう区分けごとに書いていくという必要性もありそうだなと思っています。

 それが例示として出せますかね。ここまで細かくなってしまうと、なかなか難しい点もあるかなと思っていて、だからこのようにケーススタディをやったときに、データの精度みたいなものも含めてなかなか得られないところがあって、逆に今のレベルにしか合わない書き方になってしまう可能性があって、先進的なものがなかなか示せないのかなという気がしていて、そういう意味では、このような形でケーススタディを取り上げるのがいいのかなと思って、私も話を聞いている最中ずっと考えていたんですけれども、何か方法論があれば、これはもともとこんな数値だとか、そういう意味では何トン削減されたということを示したいためにやっているわけではないでしょう。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 数字を示すことが目的ではないです。

永田座長 だから、その目的に対して、本当に合った書き方になっているんでしょうかという気がしていて、今のような、結局実例に引っ張られてしまって、最初に書いたもう少しちゃんとした、そういう意味では目標に掲げたような内容の中の、今の具体的な例からいえば排出削減量みたいなものを、発生抑制の量が出せるぐらいの話を示してもらう方が、これからの流れとしては重要なのではないかというか、でも実態そういうのがあるんだろうと思っているんですが、逆にそういうのが示せなくてなってしまうと。

北村審査官 私、環境省で発電所のアセスを担当している者ですけれども、きょう初めて参加させていただきまして、今までの議論の流れがわからないので、こういうことを言っていいのかどうかわからないんですが、実際にアセスを担当している現場側から申しますと、きょうケーススタディでLNGのケースをいただきましたが、実はアセス法が施行されてから火力発電所は12~13ございますが、そのうちLNGはなく、石炭が一番多いわけです。あとは抽出油、あるいは超重油、非常にカーボンの割合が高い。もっと高いのでは高炉ガスとかそういうものがありまして、国の政策としても、どうしても当分は原子力がこのような状況になっておりますので、石炭の増加はやむを得ない状況になっております。それと日本でも、最近は非常にIPPが多いので、やはり入札のときにこういう燃料でということでやっておりますし、それから場所的にも途中で燃料を切りかえようと言っても、それは実際問題できないケースが非常に多いわけです。

 今、私どもCO2 の問題で一番悩んでいるのは、やはり石炭の問題で、特に日本でも 150万キロワットぐらいの原発並みの石炭火力が構造されるという時代になってきまして、その点について、非常にどうしたものかなということで悩んでおります。

 基本的には、ここに書いてあるように最新の技術、熱効率のいいものをとりわけやっていると。そういう観点からすると、やはりケーススタディなり、いろいろな調査なりで、今何が一番進んでいるのかというその辺の調査を十分することが必要なのかなと思っておりまして、石炭でもガス化でコンバインドサイクルがそろそろ実証プラントの段階にかかるように聞いておりますけれども、今それを持ち出しても、それはとても無理ですよという返事が返ってくるだろうと思うんですが、いずれはそのようなことをきちんと示してやらなければならないので、やはり最新の技術、新技術はそういうことで、特に石炭などは進んでおりますので、その辺の最新の知見をこちらサイドとして持っておく必要があるだろうなと一つ思っているところです。

 あと、既存施設を含めてCO2 の発生量を下げてほしいことは常々言っているのですが、手法として、一つは当たり前のことですけれども、一般的な意味での会社の省エネを進めていただくと。最近は発電所も石油会社とかセメント会社とか、それから鉄工所などに隣接して、比較的CO2 の排出量の高いところと一緒になってつくられることが多いですので、そういう意味で一般的な省エネと、それからほかでの燃料、例えば石炭から変えてもらうとか、そういうことも必要なのかなと。

 それから、これは発電所の効率にもかかわることですが、石炭の廃熱をできるだけ有効に利用していく、そういうことが必要かなと思っています。その辺でそういうケーススタディといいますか、事例を収集していくことが必要かなと考えているところです。

永田座長 先程の話のケーススタディからすれば、最新技術の石炭火力との比較も必要なのではないでしょうかという話、LNGを取り上げるとしても、そういう話でもあるでしょうし、それからマクトの話ですよね。現在の最先端の利用可能な技術はどんなものがあるのという調査は、やはり常に続けていかなくてはいけない話なのかなと思っているんですけれども、そういう流れの話になってくるのかなと思っているのですが、わかりました。

 先程ベースラインの話がありましたが、ベースラインのところ、もう少し何か整理してもらえますか、さっきの話も含めて。

八千代エンジニヤリング(靏巻) はい。

山田研究委員 その点で、ベースラインシナリオの決定の理念と方法が一番大事になるのかなと。ベースラインとプロジェクトを比べて、出てきたものをどういう使い方をするのかで、ベースラインシナリオの決定の仕方が大分違ってくるような気がします。例えばCDMみたいなもので炭素にお金がついて、削減分を市場に出すというようなことを考えるのであれば、ベースラインはかなり厳格にやっていかなければいけない。だけれども、ここでは、最大限の努力をしましょうというプロジェクトにしていただくためのプロセスだと私はとらえたんですが、そうだとすると、ベースラインの設定はどこを努力してこれだけやったのかということが明確になる方法を選ぶべきで、具体的には、例えば石炭火力の発電所で発電効率なりで最新鋭のものを入れても、多分LNGと比較したら増えますということになってしまうわけです。そのような評価がここで正しいのかどうか。正しくないとすれば、例えば石炭火力で一般的なものはこういうもの、要するに市場というか、日本全国で大体平均的にはこんなもの、または最近3年なり5年なりで建てられた石炭火力、世界でもいいのかもしれないですけれども、これらでいくとこれぐらいのレベルだけれども、これだけ努力したというところがわかるやり方が、こういう場にはふさわしいのではないのかなと。

 実例で言うと、3年なり5年なりで日本で設定されたものはこうだけれども、これにこれだけ頑張って上乗せしたと、そんなストーリーが必要なのではないかと思うんですが。

永田座長 ですから、その中でC社がベスト、本当にベースラインは決めなくてはいけないのかどうかというのがよくわからないんだけれども、これがベースラインですと、一つの方がわかりやすいのであれば一つ決めてもらって、それ以外にも今おっしゃったような、いろいろな方法論でやっている対策を評価していくことが重要なんだろうなと思っていて、LNGだって石炭と比較して、LNGをやるというなら、石炭をやるのにLNGと比較する、これはまたやっている人の思考体系を少し整理してもらわなくてはいけないかもしれないけれども、逆のパターンはあり得ると思うので、そういうものが比較対象になってもいいのかなと思っていましたけれども、そういう意味では、今、山田さんも言われたように、我々、厳密にベースラインとの差がどうだこうだという議論の話ではなさそうなので、効果の判定としてわかってもらえるような内容のベースラインの考え方とか、あるいはそれを補強するような比較対象の考え方とか、そういうので整理されていた方がいいのかなと思っているんですよね。

上杉調整官 今回の全体の中で、いわば環境保全措置については具体的に踏み込んでいないのですが、実際は、削減対策ないと、つまり予測もうまくできない、評価もできないということで、かなり環境保全措置に踏み込んで書いてあると思いますが、そういう意味では最新の技術云々というのはほとんど環境保全措置の中身そのものの議論になってしまわざるを得ないという意味で、今回中途半端なところがどうしても出てきているのかなという感じがいたしますけれども……。

永田座長 逆に、それをにらんだ上でここのところまでまとめてもらわないと。

上杉調整官 考え方としてどうするかというところをまとめると。

永田座長 後で齟齬が出てきてしまうのではないかという気がしまして、そういう意味では、先程のごみの話にしても同じですよね。そこまでにらんだ上でここのところをまとめておかないと、さっきのご指摘のような、最終処分だけのことしか考えていないのと。今の時代にはこんなものは合わないよという話になってきてしまうかもしれませんし。

上杉調整官 特にCO2 関連のベースラインのところで、CDMの話が出て、実はこれは努力量だけ、つまり本来あるべきところからこれだけ減らしたという努力をしたということだけ書いていていいのかというのは、両用の考え方が本当はあっていいのかなという気もしています。ベースラインを設定する以上は、6%削減しますという国全体としての大きな目標があって、個別の業界で見るのか、会社で見るのかという自主削減努力はそれぞれやりますという建前になっていて、強制力という話と別ですが、そのように皆さんが宣言をしている中で、この事業の位置づけはどうなんだというところを全く見せなくていいのかなというのは気になります。ただ、メカニズムとしてのCDMはまだはっきりしていないという、そのようなものを入れてしまっていいのかというのは、また別の議論があると思いますので。

白鳥研究委員 私、一応産業界というか、ゼネコンを代表して来ていまして、今言われた業界の数値をベースラインに設定するというのは、ゼネコン側としてはよくやるやり方でして、それは対応できると思います。CDMについては、まだ弊社でもそういう概念自体が、知っている人が本当にいるかいないかの世界ですから、そこまでやられてしまうと難しいものがあるのかなということがあります。

 全体を通して6点ほど意見がございます。まず一つが、発生土、建設残土を評価対象として挙げていただいているんですが、ゼネコンの立場からすると、これは慣習的に余り問題になるものではないので、これが評価対象になることはちょっと違和感があるなということ。あと廃棄物の方で、委託業者の能力と安全性を確認して下さいとされていますが、これは会社が違ってきてしまうので、なかなか深く突っ込んでそこまで判定できないと。

 あと、ISO 14001システムを導入することに言及されていますが、これは民間企業としてはかなりの会社が導入していまして、スライドしてここに落とし込んでいただけるということは、作業の負荷ということを考えますと、やっていることをそのままスライドするだけの話なので、案外手間にはならないかなと。

 あとは、昨年永田先生も言われましたとおり、いわゆる3Rの概念で企業も進んでいまして、循環法でも3Rと言われていますので、それが社内の体制にも落とし込まれてきていますので、3Rの概念を具体的にやっていただくことに対しては、そう負荷はないと思います。というのは、社内の一般的な概念になってきております。

 一応そのような点が大体言わせていただけるかなと思います。

永田座長 発生残土の話は、これは廃棄物の範疇に前から取り上げていたんですよね。廃棄物の範疇に入れてはいけないことになるのかもしれないけれども、廃棄物等という中で入れていたんでしょう、これまで。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 建設発生土ですね、はい。

永田座長 抵抗感ありますか。それがどういう形でリサイクルされていくんだ、あるいは対象とされるんだという話は。

白鳥研究委員 抵抗というか……。

永田座長 廃棄物ではないんですよ、廃棄物等という話で。

白鳥研究委員 ちょっと違和感があるなという感じはありますね。

永田座長 具体的には、建設関係も残土の話は相当重要だと考えているでしょう。

白鳥研究委員 それはもちろん、はい。

永田座長 そういう意味では、一つの環境負荷といいますか、それがどういう形で処理されていくのか、流れていくのかという話をきちんと見きわめていく対象物にはなるのかなと思っているので、説明の仕方をいろいろ考えてみましょう。

 もう1点の話、2点目は……。

白鳥研究委員 処理業者の能力や安全性を確認する、ここですと22ページと30ページですけれども……。

永田座長 逆に私は書き足りないなと思って聞いていたんですけれども、対策の確実さというのも言葉として難しい言葉で、では、どういう格好で表現されているのかというと、22ページでしたっけ、随所に出てきますよね。

八千代エンジニヤリング(靏巻) この辺については、一般廃棄物ですと確実に追いかけられますので、割と簡単にできると思います。

永田座長 いや、基本的にはその逆のものだって追いかけなくてはいけないんですよね。そういう思想で廃掃法の改正もされたことだし、そういう意味ではちゃんと排出者が自分の廃棄物がどうなっているかということを、通産(省)の絡みでガイドラインでもつくりましたけれども、そういうものを見に行けよという話にもなっているから、もう少しこの辺のところはきちんと書いた方がいいのかなと。余りにも月並みな対応策で十分なんですよという文章を書かれること自体、この辺のところは、これからの環境省として出す書面として、私は気になってしようがないなと思っていて、これぐらいやるのは過剰ではないかと言われるぐらいの話の方があるかなと思って見ていたけれども。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 候補が二つあって、金ではないけれども公害対策が立派な企業、産廃処理業者を選びましたというぐらいのことをアセス書に書いてもらう……。

永田座長 それぐらいでもいいかもしれない。だって、基本的にはそんな趣旨だと思います。

柴田専門官 法も改正になって、最終的に産廃業者に頼んだものが最後まできちんと責任がある形で処理できなければ、前は産廃業者だけが罰せられたのが、今度は委託者まで罰せられるよう改正にされましたので、当然一定の責任が相当出てきているということですから、その辺まで書き込んでも十分なのかなと。

永田座長 法律の内容まで書けとは言わないけれども、そこから出てくる対応の仕方は、もう少し簡便に見える形で表現してもらって、これだったら別に今やっていることと全く違いないし、これで十分なんですよと言われて、そうですかというような話ではないのかなと思って見ていましたよ、逆に我々の方は。

 それから、ISOの話はどういうことで……。

白鳥研究委員 ISOの仕組みがあるかどうかで評価するということで……。

永田座長 それはどこかに書いてあったんでしたっけ。

白鳥研究委員 70ページ以降、・(「対策実施の実現性と効果の確実性」)のところで……。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 確実にやられているかどうかをどうやってチェックしますかということに関して、廃棄物ならマニュフェストがありますけれども、そのほかにISO 14001は別に取得しなくてもEMSのシステムがあれば、それを公表できるのではないかということでここでは書いているんですけれども。

永田座長 それはどういう意味なのですか。対策の確実な実施の確保について、「この点についてはマニュフェストによる記録のほか、企業の環境管理システム(ISO 14001)に」、ここのISO 14001をだれが取得しているという話になるんですか。そんな話ではないんですか。例えば、産廃を受ける側の業者がちゃんと取得していますよとか、そういうことを見ていきなさいという話……。

八千代エンジニヤリング(靏巻)実際のアセスをやる当事者の会社等がそういうEMSを社内で構築していて、一応追いかけられる体制をとってくださいよと。EMSを構築しているということは、一応社外的にもそういうデータを公表しますということになりますので、そういう公表するシステムがあるということ、見ようと思ったら他人も見られることが担保されているので、そういうシステムがあれば、排出後の、事業実施後のモニタリングなり事後調査の結果についてもある程度監視ができるということで、こういうシステムがあればいいということで書いておりますけれども。

永田座長 これはケーススタディの中で書いているんですよね。

八千代エンジニヤリング(靏巻) ケーススタディの中です。

永田座長 ケーススタディの中で書くということは、要するにアセスをやる主体の方、実施者の方でこういう文章を書きなさいということを言っているんですよね、きっと。

八千代エンジニヤリング(靏巻) こういう観点で文章が書けるのではないかということを言っているんですけれども。

永田座長 ISO等では、そういう意味では、我々の感覚からすれば、前にもそういう議論があったのですが、処理業者がISO 14001などを取得しているところを選びなさいとか、そういう話はあり得そうだなと思って見ていたんだけれども、自分のところはISO 14001を取得しているから、もうそれで安心してくださいねという言い方は、処理を確実に担保するという中で、自分がどういう行動をしていくのかという中にはなかなか漠としていて、表現として十分なのかなという気がしないでもない。まあ廃棄物だけではないですものね、ISO 14001は。

八千代エンジニヤリング(靏巻)そういう面では意図を理解してもらうにはちょっと文言が不足していたような気がします。意図としては、いつでもデータは公表しますよと、そういう体制をとっている、EMS……。

永田座長 データを公表しますよって、私もISO 14001で要求したらどのくらいのデータが出てくるのか知りませんが、そういう意味ではそこに行って見てきたとか、あるいはそこの処理の状況をきちんと把握しているという話になるんですか。どこに出しているぐらいの話になってしまうのではないんですか。そういうことはないの。

八千代エンジニヤリング(靏巻)ですから、そういうような、何をやっているかということは、外向けにとりあえず出すわけです。みんな抱え込んで知りませんよということにはとりあえずならない。

永田座長 これを持ち出すと、ほかの問題に対してもみんなこれが合えばいいという話にもなってしまうので、自分のところがISO 14001という話になってくると。

八千代エンジニヤリング(靏巻)この辺、例えばマニュフェストにしても、マニュフェストで追いかけているからいいよというような話に、マニュフェストにしてもそういう危険があるので、実はどうやってこの確実さを、確実にやられているかということを担保していくかということをこの予測の段階で文章にするのは難しいなと感じているんですけれども……。

永田座長 例えばその中の体制なんか、廃棄物の担当者みたいな人たちがちゃんといるんですよとか、そういう部署がありますよと。その人たちが産廃を出したときには、例えば年に1回とか、あるいは半年に1回、必ず処理先の実態を把握に行きますとか、そういう話は書けないわけではないですよね。

八千代エンジニヤリング(靏巻) はい、できればそこまで書いていきたいと。

上杉調整官 今の話に関連してですけれども、69ページの表3-15で対策が「業者委託」というのが並んでいて、これが全部削減されて対策後の排出量はゼロになると書いてあるんですけれども、そうしますと、これはどういう趣旨になるんでしょうか。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 下の方について言えば、これは効果の方に入れ過ぎているかなとも考えているんですけれども。

上杉調整官 要するに、委託で出す業者がどうするか完璧に確認がとれていないとここまで書けないはずですね。

八千代エンジニヤリング(靏巻) そういうことになります。

上杉調整官 それが先ほどの、つまり信頼できる業者であるとか、あるいはマニュフェストが確実に追いかけられるんだという前提でこうなっているということなんでしょうか。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 先ほど内藤委員からもご指摘ありましたが、排出後に処分対象の廃棄物でなくなるという考えでこのような表になっているんですけれども。委託側で、委託した側の業者さんの方で処理して、下の方は廃液については水になるという……。

永田座長 こういう視点は、先ほどの話ではないんですが、本当にリサイクルされているかなんていったら、ガラスで閉じることなんてきっと、そうならないでしょう。そういうものも結構入っているんですよね。そういう意味では、出してしまったら悪いとか、あるいはバッテリーミートから出ていくものが、どうなるかというぐらいのことしか考えていなかったり、そういう意味では業者に出してしまえば、市町村には渡らないから、これは廃棄物ではないんですよという考え方になっていて、そういう意味ではさっきのような、本当にリサイクルされているのか、どうかをきちんと追いかけていくような、あるいは国の目標だって、最終処分場も半減しなくてはいけないような状況の話が出てきている、あるいはリサイクルをもっと積極的に進めていかなくてはいけないという話が出ている中では、少し不十分な例なのではないかなと思って、そうではないですかね。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 改善いたします。

永田座長 確かに今のレベルではこの辺かなという気はしないではないんですが、地方自治体、市町村や県の面倒には余りなりませんというような話で対策後の排出量を出されるのかもしれないけれども、例として出すのなら、もう少し踏み込んだ中身をちゃんとやっていってもらった方がいいのではないですかね。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 今日の議論を聞いて、少し数字だけの追っかけで終わり過ぎているかなと痛切に感じていますので、その辺、先ほどの全体の枠組みのような指摘を踏まえて少し書きかえたいと思います。

永田座長 それから、使っている表の中に、すごく古いものも入っていて、こういうのはもう少し皆さんの方からも情報を出していただいて、最新のものはないんですかね。すごく古いとは言わないですけれども、こっちの技術シートの中に昭和何年なんて書いてあるものもあるし。21ページあたりに日本立地センターの「先端技術産業のコンプレックス形成と立地展開」、昭和57年3月の報告書だと。光産業だとどのくらいの従業員の数がいますよとかいう話なんでしょう。モデル工場の立地諸元とか何とかと書いてあるんですけれども、こういうのはちょっと古過ぎるような気がするし、最新版も立地センターあたりに聞いてみれば何かあるのではないですか。あるいは、もう少し別の統計資料みたいなもの。それから本体の60ページに一般廃棄物の発生原単位で、割と重要な話なんでしょうか、積み上げ方式で計算していく原単位の根拠になっていますよというたぐいのがありましたよね。これも1993年の話ですよね。多摩地区の事業所アンケート調査とあるけれども、アンケート調査だけでこういうことをやるのもちょっと危険なのではないかなと思っているのと同時に、この辺の環境の資料は結構いろいろ出ているのではないですか、東京都などの資料も含めて。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 東京都の資料は……。

永田座長 だめなの、使えないの? これだけ細かく分けていない?

八千代エンジニヤリング(靏巻) 実は私どもの方でやっていまして。

永田座長 こんなに細かく分けていないの。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 分けたデータもあります。

永田座長 それならどうしてこういうところに入ってこられないの。

事務局 大丈夫です。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 当事者なので、少し……。この辺の資料は、逆にそういう面ではほかのところに転載されていることを確認したものを入れていましたので、だから93年のデータは「環境アセスメントの技術」という本に出ていたデータなので。

永田座長 別にそれは意識する話ではないと思う。そこに載っていなくてはいけないという話でもないんでしょう。

八千代エンジニヤリング(靏巻) そうではないです。

永田座長 あと、いかがでしょうか。大分全体的な考え方についてもご指摘をいろいろいただいているので。

 前からご指摘いただいている資源枯渇、環境リスク、土地消費、水資源の話、今回は外して余り検討対象にはしていませんという話はいいんですが、それに対する話がそんなに大きく触れられているわけではなくて、最後のまとめのところに少し出てくるんでしたっけ。あるいは、前の方の文章の中にも若干は入っているんだけれども、何かもう少し、ここではこういうものに限りましたよという話は結構なんですが、総論の中で、そういう意味では環境負荷というのも時代の流れによっても変わるでしょうし、それからなかなか技術的な問題で算定が難しいような話の中から、今ではまだ取り上げられていないというものもあるのかしれない。そういう話も含めながら、もう少し環境負荷の広がりみたいなものは前の方で触れておいてもらった方がいいのではないでしょうか。これはたびたび浦野さん、森口さんに指摘を受けているので。どこかに入っていたですよね。とにかくその辺、配慮していただけませんか。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 少しトライアルをしてみたのですが、取ってつけたような文章になったので、今日のところは少し取り下げています。

内藤研究委員 かなり事務局の方でご苦労されているなと思うので、余り指摘するのはどうかと思うんですが、例えば資料2の3ページの上の方で、他の大気とか騒音のように対症療法的な対策が不可能であることは明らかである。したがって、環境保全措置として、事業計画そのものに対する代替案を用意することが他の環境要素より重要になる。これは、先ほど調整官の方から保全対策の措置のことについてはまだ半端ですよということがありましたけれども、もしこの代替することを重要であると書くのであれば、ケーススタディなどでもう少し示せるのであれば、あるべき論として何か書けないものだろうかという、今のケーススタディは現実に随分引っ張られて、従来型みたいな感じがどうもしてしまいまして、ここがかなり志高くやるという宣言であれば、もう少し後ろも、済みません、難しい指摘だと思うんですけれども、そんなことを思いました。

永田座長 逆に私、ここのところで気になっていたのは、そういう意味では表のところから変えていかなくてはなかなか対策というのは表現できないんですと書かれるから、どういう印象になって出てくるかなと。実態として見れば、先ほどのような話も成立することになるんでしょうし、対症療法とは言わないけれども、かなり細かい話を積み上げていくという努力も必要になってくると思うんです。もとから方針変更しても、なかなか大変な話になるでしょうし、そういう中では、ベースの話はそれほど変化ない中で、やはり改善策が存在しているパターンもあり得るだろうと思うので、そういう意味でこうやって言い切ってしまうこと自体がどうなのかなと思って聞いていたんですがね。エンドパイプ的な話というのも、難しいんですよというか、そうではない方法をできるだけとっていってほしいですねという話と同時に、そういう別の方法をとってもどこかで、エンドパイプとは言わないけれども、さらに努力するんだったら、小さな効果しかないかもしれませんが、方法論はいろいろ散りばめられる話が出てくるんだろうと思っているんですよね。逆に言えば、大きなものをやっておいて、これで十分ですよという話でもないんだということにもなるんだと思うので、そういう意味ではこの辺の書き方をもう少し工夫してもらった方がいいかもしれませんね。私もここのところはちょっと気になっています。

 あとはいかがでしょうか。いろいろご努力いただいて広がりを、前から環境負荷というのは、パターン化されているのはCO2 ぐらいで、あとはなかなかなかったというところもあったわけで、廃棄物も含めてだんだんに広がりを皆さんの方にお知らせしていこうではないかという努力としては、いろいろやっていただいてありがたいなと思っているんですけれども、そういう中で……。

柴田専門官 済みません、細見先生からファクスをいただいておりまして、今日は申しわけありませんが欠席ということで、コメントをいただいていますので、読み上げたいと思います。

 1、予測評価の対象とする時期の考え方はOK、評価できます。

 2、ベースラインの考え方--これは6ページになりますが、新しい考え方で評価できる。特に廃棄物処理施設についてこうした評価は画期的である。例えば、こうした考え方で対象要素として廃棄物量、各分類に応じただけで評価するのではなくて、ダイオキシン量で評価すると廃棄物処理施設のとらえ方も変わってくるのではないか。なお、最終処分場については、跡地利用、廃止の問題まで含めておくべきではないか。

 3、ケーススタディについても、現時点で考慮されるものが含まれていると思われる。

 4、全体としては、新しい視点が含まれており、よくまとまっているのではないかと思う。

 以上です。

永田座長 ありがとうございます。今のダイオキシンなんかの話は、そういう意味では、例えば大気汚染や、水質汚濁で評価してもらうという話も出てきたんですかね、あるいは土壌の話だとか。廃棄物処理に絡む環境負荷のような話の、それが大気汚染で絡んできたりなんかするとどういうことになるんですかね。こういうところに書いておいてもいいということになるのですか。

柴田専門官 一応、ダイオキシンに関しては大気の方でという考え方に……。

永田座長 環境基準まで決まっているような物質になってくると、どうも向こうに入れてしまえという話になってきそうだなと思っているのですが、ただ焼却との絡みをどうやって表現していくかという話はあるのかもしれませんよね、一連のものとして存在しているわけだから。わかりました、少しその辺も考えていきたいと思います。

 あと気になったのは、LCAの話が盛んに出てくるんですけれども、どちらかというと、今の段階、それから特にCO2 しか考えていないとか、温室効果ガスしか考えていないという話になってきて、LCA的ぐらいの話で整理しておいた方がいいのではないですか。それもまた完全に、なかなかLCA的な発想でやっているという、ケーススタディでもそんな例というのは余り引いていないですよね。

八千代エンジニヤリング(靏巻) ケーススタディは使っていないです。

永田座長 そういう意味では、将来こんな方向で評価だとか、排出量の算定だとか、環境負荷の算定と言った方がいいですか、そういうものをやっていった方がいいのではないかという例みたいな、そういう意味ではつくり上げてしまうという話になるんだけれども、そういうのはできないですか。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 将来的にといいますか、自分がいいことをしているんだよということをあらわすには、LCA的にやった方が効果が出てくるのではないかと思うんです。そういうところまで見てあげるような雰囲気が出てくると……。

永田座長 それだけではなくて、いろいろな状況の中で、ある段階では増えても、ある段階では減るのではないかといういろいろな考え方もあるし、そういう中では最近みんなそういう議論になるわけで、結局はLCA的な方法論でという話が出てきますよね。逆に言えば、ここで減っているのに、それだけ評価していいんですかという議論がある、その中でのLCAの必要性も出てきているわけですから、そういう流れで見ていったときに、もう少し、環境負荷の範囲を広範囲にとるという話もさることながら、ライフサイクルで一つのCO2 ならCO2 でもやりますという話は、別にそれがやる側のいいことだけを評価している話にはならないと思う。そういう流れの中で、皆さんがLCA的な評価を要求しているんだろう思っている。皆さんがというのは、要するに消費者なり市民の人たちが、そういう視点で見ていけば、そういう方向性で評価、だからそれだけで評価しろというのではない。先ほど言いいましたような評価の方法論としてこういう方法がある、ああいう方法があるという中で、これからはこんな方法の評価も実施してほしいなという例を出していった方がケーススタディという意味合いが。そちらが最初からケーススタディはそういうものではないでしょうかという意図で、ケーススタディを記述しましたという中に沿っているのではないかという気がするんですけれども。

八千代エンジニヤリング(靏巻) 検討してみます。

永田座長 なかなか難しい話になるのかもしれませんが、データの整理だとか、まだ、こちらの方もつくっていかなくてはいけないし。

 さて、大分時間がたったんですが、先に進ませていただいて、今後の予定とか、その他ということになるんでしょうか。済みませんけれども、そこをご説明していただいて、あとはまとめて皆さんの方からまた何かあればご意見を聞かせてください。

上杉調整官 では、資料4に今後のスケジュールという資料がございますが、一応、今日でこの大気・水・環境負荷分野の個別の分科会が一通り終わった形になっております。それぞれまだ課題を抱えておりますけれども、全体的な構成の仕方ですとか、あるいは評価のところの基本的な考え方などについては、共通するような部分もございますので、全体を合わせた検討会を最後にやりたいと考えております。今のところ、7月ごろを目途に検討会をできればと思っております。個別の分科会ごとのまとめがある程度めどがついた段階で別途日程調整をまたさせていただきたいと思っております。

 いずれにせよ、最終の検討会を踏まえて、全体の取りまとめをいたしまして、去年出しました、このような最新の報告書の形でまた印刷して公表することをこの夏にはできればやりたいとは思っております。

永田座長 よろしいでしょうか。そういう意味では、今日はいろいろ宿題を受けたわけですけれども、それは先ほどのお話のような次回の検討会に向けての中で作業させていただいて、次回の検討会のときにそういう宿題を踏まえた上での検討結果をお示しするという形でよろしいんですね。

上杉調整官 分科会の先生方には個別にご相談をさせていただきたいと思います。途中で、ですね。それを踏まえて最終版をつくり、特に全体の横で見た、整合がとれない点がないかということを中心に全体の検討会でも見ていただく形にしたいと思っております。

永田座長 よろしいでしょうか。そういう形で取り扱いさせていただきますので、まだまだ時間がありますので、こんな点を変更した方がいいとか、配慮した方がいいという話がありましたら、1週間以内だったら十分間に合うと思いますので、その辺のところで皆さんご意見いただければと思っております。各先生については、また事務局の方から説明していただいて。

上杉調整官 個別にまた、はい。

永田座長 よろしいでしょうか。何か全体をまとめてご意見ございませんでしょうか。よろしいですか。

 それでは、最後に小林さんおみえですけれども、何かごあいさつございますか。

小林課長 難しい課題を詰めていただきまして、ありがとうございます。

永田座長 それでは、長時間にわたりまして、どうもありがとうございました。 

(完了)