SEA総合研究会関連資料 第2回検討会(平成10年10月5日)

ウマティラ国有林の将来管理計画策定に関するアセスメントについて

(1)目的と必要性

 アメリカ北西部のワシントン州とオレゴン州にまたがるウマティラ国有林におけるすべての自然資源の管理事業の方向性を示すこと。森林計画は森林・牧草地の再生可能資源計画法(1974)によってその作成が求められ、国家森林管理法(1976)とそれに付随した国家森林システム土地資源計画規制によって修正・補足されている。

(2)計画のプロセス

(3)評価書案で検討された主な評価項目

大型動物(狩猟) 鹿、ワピチの生息場所
森林資源 木材の生産レベル
社会経済 地元の経済社会的ニーズに対応した製品やサービス
水辺 水辺の管理
野生生物 生息地確保の程度
レクリエーション 野外レクリエーションの組み合わせ
水と土 水及び土壌資源の管理
交通 道路システムの開発・管理
文化的資源 保護と管理
魚類 魚の増殖及び水辺の管理
害虫の管理 寄生虫などの発生による被害の回避と活動のコントロール
鉱物、エネルギー 開発による他の資源への影響

(4)提案された代替案とその評価

1) 代替案A(何もしない案)
既存の資源計画、政策、基準及びガイドラインを踏襲し、現状を維持するという案。
商品生産に重点を置き、集中的な森林管理と道路のないレクリエーション地での狩猟の管理を提示するもの。なお、この案は代替案比較のための基準としても活用される。
2) 代替案D
森林の伐採を概ね1979-88年のレベルに維持し、道路のないレクリエーション地と景観を保全する案。野生生物や大型動物、魚類の生息数及び生息域の質を高く保つことができる。
3) 代替案E
森林の有する自然生態系及び景観上の価値が重視されている案。これは、非商業的な資源とサービスに重点を置くことによるものである。森林伐採を含む植生の管理は低く押さえられ、非商品資源の維持を図っている。これは、市民から提示された代替案を修正して作成した。
4) 代替案F(採択した案)
森林資源、家畜の放牧、狩猟、魚類、レクリエーション等を含む資源の利用を総合的に行っていくという案。公衆の関心等が高い地域、事項に配慮して計画されている。
5) 代替案G
狩猟に対する需要の増大への対応を主たる目的とした案であり、併せて水質、道路整備、景観の管理、保護等が考慮されている。
6) 代替案H
商業的生産を重視した案。他方、ワピチの繁殖を州の目標に近づけるよう考慮された案。地方政府の要請に対応している。
7) 代替案I
林業生産の拡大を目標とした案。地方政府に恩恵を与えるとしている。
8) 代替案J
森林の非商業的資源としての重要性とレクリエーションの拡大を目標とした案。

(5)環境影響評価の結果

好ましいとされた代替案の実施による不可避の悪影響については、以下のような内容が記載されている。

水・土壌 木材伐採及び水辺への人口集中は、水質に短期的な悪影響を及ぼすが、影響は局地的かつ一時的で許容限度内。主に木材の伐採に伴う土壌侵食により、生産性はいくらか減少。
野生動物 木材伐採及び道路建設により、成木、老木及び枯木や倒木の数がいくらか減少。これに伴い、依存する野生生物の数が減少することが予想される。伐採により、多くの種類の野生動物の一時的移移動が起こり、一部の区域で生息地としての有効性が一時的に弱まる。
森林伐採及び放牧活動に伴い、流出した土砂の堆積によって産卵場所が破壊される可能性が高まる。
レクリエーション
及び景観
木材伐採、道路建設及び廃棄木材の処分によって、通常のレクリエーション利用は一時的に中断される。道路のない区域が減少し、伐採区域が拡大することにより、半未開の環境でのレクリエーションの機会が少なくなる。景観も現状よりいくらか低下する。
社会経済性 木材伐採を制限することは、雇用の機会を減らし、さらに郡予算及び連邦財務省の歳入を減少させる。木材の生産に森林を利用することは、ライフスタイルや地域社会にもたらされる森林の効用を減じる可能性がある。

 その他、木材や、大型狩猟動物に関する影響等も記載されている。

(6)環境影響評価書案(DEIS)に対する公衆からの意見等

1) 森林計画と環境影響評価書案(DEIS)の公表の方法及び説明会について

2) 公衆からの意見

(意見内容)