表3-1 植物群ごとの留意点(4/7)
蘚苔類 |
---|
-特性 ・蘚苔植物は鮮類、苔類、ツノゴケ類の3群に大別される。岩上、地上、樹上など海水中を 除くほとんどあらゆる場所に生育する。 ・各都道府県のコケ植物フロラは維管束植物レベルほどには解明されていない。 ・コケ植物にとって良好な生育環境は維管束植物と必ずしも一致しない。 ・大気汚染などの生物指標として用いられることがある。 -調査手法 ・植物体が小さいので野外での同定や再確認、定量的解析が難しい。調査に多くの作業と時 間を要するため、調査は維管束植物とは別に行なう必要がある。 -調査時期・頻度 ・種を識別するには配偶体だけでなく胞子体が必要であるため、胞子体を得やすい時期に調 査を行う。 -留意すべき影響要因 ・絶滅の危機に瀕しているコケ植物は維管束植物に比べて特定の環境に依存する種が多く、 生育地の消滅がそのまま種の絶滅につながる可能性が大きい。 ・森林の伐採などによる生育地の乾燥化が影響を及ぼしている例も多い。 -予測・評価手法 -保全方針検討の観点 ・コケ植物は水文環境が変化しただけで枯死してしまう場合もあり、微環境の変化に生育状 況が左右されやすい。このため、「移殖」「代替生育地の確保」「環境創造による復元」など による保全ではなく、現在の生育環境や水系全体の保全を検討する必要がある。 -事後調査手法 -事後調査期間 |