平成11年度第2回陸域分科会

資料2

関連図表

スコーピングに関連するもの

表1 既存資料調査による動植物種・植物群落リスト
表2 環境要素概略調査票(例)
表3 事業地周辺において生息の可能性のある動植物種・植物群
表4 事業地と類型区分とのオーバーレイにより影響を受けると予想される類型
表5 主要な生育環境-生物種・群集表
図1 食物網の模式図例
図2 地形・地質断面とそこに成立する生物群集の模式図例
表6 注目種・群集の一覧
図3> インパクトフロー
環境影響評価(本調査)に関するもの
表7 生育環境ごとの基盤環境及び生物群集の整理

※この資料は、今回の検討のたたき台として作成したものであり、今後の検討により大幅に変更されうるものですので、取り扱いにあたっては充分留意していただくようお願いいたします。

表1 既存資料調査による動植物種・植物群落リスト

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表3 事業地周辺において生息の可能性のある動植物種・植物群落

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表4 事業地と類型区分とのオーバーレイにより
影響を受けると予想される類型

類型区分

面積比(%)
高位台地-常緑広葉樹林 12.5
高位台地-落葉広葉樹林 20.6
丘陵地-落葉広葉樹林 27.4
高位台地-スギ・ヒノキ植林 12.2
丘陵地-スギ・ヒノキ植林 15.8
草地 1.8
丘陵地・高位台地-畑地 5.4
河岸段丘-水田 4.5
人工草地(シバ地) 0
住宅地・市街地・砂取場
0

表5 主要な生育環境-生物種・群集数

類型区分 地形 相観 植生 植物 哺乳類 鳥類 両生・爬虫類 魚類 昆虫類 その他
高位台地-常緑広葉樹林 高位台地 常緑広葉樹林 ヤブコウジ-スダジイ群集 スダジイ、アカガシ、ウラジロガシ、ヤブニッケイ、カクレミノ、ヤブコウジ、モチノキ、ジャノヒゲ、ベニシダ、カンアオイ、ウメガサソウ、イチヤクソウ、コクラン ヒミズ、ノウサギ、ニホンリス、ムササビ、アカネズミ、ヒメネズミ、タヌキ、イタチ アオバズク、フクロウ、ヒヨドリ、トラツグミ、アカハラ、ヤマガラ、メジロ、カケス、 ジムグリ   クチキコオロギ゙、クマゼミ、コクワガタ、ベーツヒラタカミキリ、アオスジアゲハ  
  シイ・カシ萌芽林   シロテンハナムグリ、ムラサキシジミ  
高位台地-落葉広葉樹林 高位台地 落葉広葉樹林 コナラ群落 コナラ、クヌギ、クリ、ヤマザクラ、ヤマコウバシ、ヒメウズ,ニリンソウ、キンラン、ササバギンラン、フタリシズカ、カタクリ ヒミズ、ノウサギ、ニホンリス、ムササビ、アカネズミ、ヒメネズミ、タヌキ、イタチ コジュケイ、キジバト、アオゲラ、コゲラ、ヒヨドリ、エナガ、シジュウカラ、メジロ、カケス ジムグリ   ヒグラシ、地表性ゴミムシ類、ミヤマセセリ、コミスジ、イチモンジチョウ、コシロシタバ  
竹林 竹林(モウソウチク・マダケなど) モウソウチク、マダケ、シュロ、チャノキ、シロダモ、ヤブガラシ、ミツバアケビ オナガ     ゴイシシジミ、ベニカミキリ  
低木林(乾性) 伐跡群落 アカメガシワ、ミズキ、ヤマグワ、ニワトコ、ハゼ、ケヤキ、ムクノキ、アズマネザサ、カラスザンショウ、イヌビワ モズ、ウグイ、スジョウビタキ、ホオジロ     ホシカメムシ類、訪花性カミキリムシ類、モンキアゲハ、カラスアゲハ  
丘陵地-落葉広葉樹林 丘陵地 落葉広葉樹林 コナラ群落 コナラ、クヌギ、クリ、ヤマザクラ、ヤマコウバシ、ヒメウズ,ニリンソウ、キンラン、ササバギンラン、フタリシズカ、カタクリ ヒミズ、ノウサギ、ニホンリス、ムササビ、アカネズミ、ヒメネズミ、タヌキ、イタチ コジュケイ、キジバト、アオゲラ、コゲラ、ヒヨドリ、エナガ、シジュウカラ、メジロ、カケス ジムグリ   ヒグラシ、クロナガオサムシ、アオバセセリ、イチモンジチョウ、コシロシタバ  
常緑針葉樹植林 アカマツ植林、クロマツ植林 アカマツ、クロマツ、ヤマツツジ、ヒサカキ、ツクバネウツギ、ミツバツツジ サシバ、ビンズイ、ウグイス、エナガ、カワラヒワ、   ハルゼミ  
竹林 竹林(モウソウチク・マダケなど) モウソウチク、マダケ、シュロ、チャノキ、シロダモ、ヤブガラシ、ミツバアケビ オナガ     ゴイシシジミ、ベニカミキリ  
低木林(乾性) 伐跡群落 アカメガシワ、ミズキ、ヤマグワ、ニワトコ、ハゼ、ケヤキ、ムクノキ、アズマネザサ、カラスザンショウ、イヌビワ モズ、ウグイス、ジョウビタキ、ホオジロ     訪花性昆虫類  
高位台地-スギ・ヒノキ植林 高位台地 常緑針葉樹植林 スギ・ヒノキ植林 スギ、ヒノキ、アオキ、シロダモ、アラカシ、リョウメンシダ、イズセンリョウ、コバノカナワラビ、ミヤマカンスゲ、イワガネソウ ヒミズ、ノウサギ、ニホンリス、ムササビ、アカネズミ、ヒメネズミ、タヌキ、イタチ アオジ、カケス     マスダクロホシタマムシ、ウバタマムシ、ヒメスギカミキリ  
丘陵地-スギ・ヒノキ植林 丘陵地 常緑針葉樹植林 スギ・ヒノキ植林 スギ、ヒノキ、アオキ、シロダモ、アラカシ、リョウメンシダ、イズセンリョウ、コバノカナワラビ、ミヤマカンスゲ、イワガネソウ ヒミズ、ノウサギ、ニホンリス、ムササビ、アカネズミ、ヒメネズミ、タヌキ、イタチ、アブラコウモリ アオジ、カケス        
丘陵地・高位台地-畑地 丘陵地・高位台地 果樹園他 落葉果樹園   ジョウビタキ        
苗圃 クワ     クワカミキリ、キボシカミキリ  
草地   草地(乾性) ススキ-アズマネザサ群集 ススキ、アズマネザサ、ヨモギ、ナワシロイチゴ、ノイバラ、ワラビ、ミツバツチグリ、ワレモコウ、タムラソウ、ツリガネニンジン ジネズミ、ヒミズ、ノウサギ、アカネズミ、カヤネズミ、タヌキ、イタチ キジ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、ムクドリ     セアカヒラタゴミムシ  
路傍雑草群落 ヨモギ、ヤハズエンドウ、カゼクサ、タチイヌノフグリ、スズメノカタビラ、シロツメクサ、オランダミミナグサ        
ヒメムカシヨモギ-オオアレチノギク群落 ヒメムカシヨモギ、ヒメジョオン、オオアレチノギク、アキノエノコログサ、     ケゴモクムシ、  
丘陵地・高位台地-畑地 丘陵地・高位台地 草地(乾性) 畑地雑草群落 ミドリハコベ、コハコベ、コニシキソウ、エノキグサ、カラスビシャク、メヒシバ、オオイヌノフグリ、シロツメクサ、ヤエムグラ ジネズミ、ヒミズ、ノウサギ、アカネズミ、カヤネズミ、タヌキ、イタチ       ツマキチョウ、ヒメアカタテハ  
水田 河岸段丘 落葉広葉樹林 ハンノキ群落 ハンノキ、ミゾソバ、ヨシ、セリ、ハンゲショウ、イボタノキ、ヨシ、カサスゲ アブラコウモリ、ノウサギ、カヤネズミ、タヌキ、イタチ コサギ、セグロセキレイ        
低木林(湿性) メダケ群落 メダケ        
草地(湿性) 休耕田雑草群落 ヨシ、ミゾソバ、チゴザサ、セリ、ガマ、イ、タコノアシ、チョウジタデ、コブナグサ、チゴザサ、アシボソ ヤマカガシ、クサガメ、トウキョウサンショウウオ、シュレーゲルアオガエル ホトケドジョウ、ドジョウ、メダカ アオゴミムシなどの地表性甲虫類、ゲンゴロウ類・ミズカマキリなどの水生昆虫類  
水田雑草群落 キカシグサ、アゼトウガラシ、ウリクサ、トキンソウ、ウリカワ、オモダカ,ヒデリコ、ウキクサ、イチョウウキゴケ、オオアカウキクサ、タガラシ、スズメノテッポウ、タネツケバナ、ムツオレグサ オオシオカラトンボ、オニヤンマ、ヘイケボタル  
ミズオオバコ群落 ミズオオバコ、ヒルムシロ   イトトンボ類、ゲンゴロウ類  
カサスゲ群落 カサスゲ、ハンゲショウ、アオミズ、クサヨシ、ミゾソバ   オオネクイハムシ  
開放水域 開放水域(ため池・河川) ヒシ、ヒルムシロ、ミズオオバコ、ミズヒキモ、クロモ、マツモ   カイツブリ、カルガモ、カワセミ ウシガエル、クサガメ ゲンゴロウブナ、ブラックバス、ブルーギル 水生昆虫類、ギンヤンマ ヌカエビ、アメリカザリガニ
人工草地(シバ地)   ゴルフ場草地 シバ草地 シバ            
住宅地・市街地・砂取場   草地(乾性) 造成地 セイタカアワダチソウ、ヒメジョオン、ブタクサ、アレチマツヨイグサ、ヨモギ、 アブラコウモリ ヒバリ、タヒバリ、ツグミ、カワラヒワ、ムクドリ     オオカマキリ、ヨモギハムシ、アカタテハ  
市街地 市街地 ギンゴケ、ツメクサ スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ドバト        
住宅地 緑の多い住宅地     アゲハチョウ、スジグロシロチョウ  

*本図はスコーピング段階での資料調査、ヒアリング、概略踏査で得られた情報(推定も含む)により作成

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※本図は主要な食物連鎖について既存資料を主に作成した。

図1 食物連鎖の模式図

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図2 地形・地質断面とそこに成立する生物群集の模式図例

表6 注目集・群集の一覧

選定種 観点 選定理由
フクロウ 上位性 森林性の鳥類であり、ネズミ類などを主要な餌としている。調査地域においては、食物連鎖の上位に位置する種である。繁殖のためには、まとまった規模の常緑広葉・針葉樹林が必要である。森林の伐採や土地利用改変などの影響を受けると予想される。
タヌキ 典型性 里山の自然環境に典型的に見られる雑食性の中型哺乳類である。森林の伐採や土地利用改変、道路等構造物の設置による影響を受けると予想される。
ムササビ 典型性 森林性の種であり、長距離の滑空ができないことから、森林の分断により影響を受けやすい種である。本種への影響を調査することにより、森林の分断による影響を把握する。
ヤマガラ* 典型性 本種は営巣、採食を森林に依存しており、里山の階層構造が発達した良好な広葉樹林を代表する種である。森林の質や広がりなど、本種の生息場所への影響を調査することにより、森林性鳥類群集への影響の一端を把握する。
森林性両生類(トウキョウサンショウウオ、イモリ、アマガエル、シュレーゲルアオガエル、ニホンアカガエル、アズマヒキガエル)* 典型性 谷戸の休耕田や水田に見られ、森林域(幼体期~成体期)と水域(卵期~幼生期)を利用している。谷戸の埋め立てにより、生息場所の消失や水環境と森林環境との分断の影響を受けると予想される。本種群により、水域に生息する生物群集や森林域と水域との連続性に依存する生物群集への影響を把握する。
オオムラサキ* 典型性 クヌギ、コナラを中心とした落葉広葉樹二次林に生息し、成虫は樹液を餌とし、幼虫は谷戸周辺の斜面下部のエノキで見られる。事業により落葉広葉樹林が失われることから、本種の生活史の各段階への影響から、樹液に依存する昆虫類など本種と同じ資源に依存する生物群集への影響を把握する。
コナラ群落 典型性 里山を代表する植生であり、多くの動植物の重要な生息環境となっているが、地形的な要因や人為的な管理状況などにより生物群集が異なる場合もみられる。本群落の調査により、植生の変化やそれに依存する動植物への影響を把握する。
カタクリ* 特殊性 限定された地形・水分条件下に生育している。多くの春植物と共に生育しており、本地域の落葉広葉樹二次林を特徴付けている。
ミズオオバコ 特殊性 ため池や水田周辺のごく限られた湿地に生育している。他の水生・湿地性植物と共に生育しており、本地域の湿地を特徴付けている。

*印は今回、種・群集ごとの作業内容を示したもの。

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図3 インパクトフロー

表7 生息環境ごとの基盤環境及び生物群集の整理

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