公害防止事業団事業に係る環境影響評価実施要領に関する事務取扱要領について

(公害防止事業団理事長あて環境庁企画調整局長通達)
 公害防止事業団事業に係る環境影響評価の実施については、昭和六〇年四月二〇日付け環企企第一九六号をもつて環境庁長官から通知された「公害防止事業団に係る環境影響評価の実施について」の記の「公害防止事業団事業に係る環境影響評価実施要領」(以下「実施要領」という。)により行うこととされたところであるが、これに基づく手続等の取り扱いについて「公害防止事業団事業に係る環境影響評価実施要領に係る事務取扱要領」を左記のとおり定めたので、実施要領に基づく環境影響評価の実施に際してはこれに十分留意するようお願いする。

 「公害防止事業団事業に係る環境影響評価実施要領に関する事務取扱要領」
第一 環境影響評価準備書に係る事項
 一 環境影響評価準備書の作成(実施要領第二の一関係)
   環境影響評価準備書(以下「準備書」という。)は、別添一の要領に従つて作成すること。
 二 準備書の公告(実施要領第二の二(一)関係)
  (一) 準備書の公告については、準備書を作成した旨と併せて、次の事項を公告すること。
   ① 名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地
   ② 対象事業の名称及び種類
   ③ 対象事業を行う区域及び関係地域の範囲
   ④ 準備書の縦覧の場所、期間及び時間
   ⑤ 実施要領第二の三(一)に基づく意見書を提出できる期間、提出先その他意見書の提出に必要な事項
   この場合、関係地域については、準備書における調査・予測地域、予測結果等を参考にして定めるものとし、その範囲については住民表示による町、丁目、字等の区画等を用いて定めることができるものである。その際、あらかじめ関係都道府県知事及び関係市町村長と連絡をとり、関係地域の範囲に関する情報の提供を得るよう努めることとし、情報が提供された場合にはこれに留意すること。
  (二) 公告の方法は、次に掲げる方法のうち適切なものにより行うこと。この場合、関係都道府県知事及び関係市町村長の協力を求めることが適当なものにあつては、その協力を得て行うよう努めること。
   ① 関係都道府県及び関係市町村の公報又は広報紙への掲載
   ② 掲示場への掲示
   ③ 日刊紙等への掲載
   ④ 印刷物の配布
 三 準備書の縦覧(実施要領第二の二(一)関係)
   準備書の縦覧は、事業団の事務所が関係地域内にある場合はその事務所で行うとともに、関係都道府県知事及び関係市町村長の協力を得て関係都道府県及び関係市町村の庁舎等の場所において行うよう努めること。この場合、準備書の概要を記載した書類(以下「概要書」という。)を併せて縦覧に供するよう努めること。
 四 準備書の説明会の開催(実施要領第二の二(二)関係)
  (一) 説明会の日時及び場所を定めるに際しては、できる限り関係地域の住民の参集の便を考慮することとし、必要と認める場合には関係地域をいくつかの区域に区分して当該区域ごとに説明会を開催すること。また、関係地域内に説明会を開催する適当な場所がないときには、関係地域以外の地域における適当な場所において開催することができること。
  (二) 説明会を開催するときは、その予定の日時及び場所を関係都道府県知事及び関係市町村長に通知するとともに、二(二)の①から④に掲げる方法のうち適切な方法により、次に掲げる事項を説明会開催予定日の一週間前までに公告するよう努めること。
   ① 説明される準備書の名称
   ② 説明会の日時
   ③ 説明会の場所
  (三) 説明会の開催に当たつては、その開催の趣旨について説明又は会場への掲示等の方法により周知するとともに、議事の進行については質疑において予定時間を定め、質疑者に住所、氏名を明らかにしてもらう等その円滑な運営に努めること。
  (四) 必要があると認める場合には、説明会の会場において概要書を参加者に配布すること。
  (五) 実施要領第二の二(二)の説明会を開催することを要しない場合は、次の各号に掲げる場合とすること。
   ① 天災、交通の途絶その他の不測の事態による場合
   ② 説明会の開催又は続行が平穏に行いえない場合
   ③ 関係都道府県知事等から公共の安全の確保その他の公益上の理由から説明会の中止を求められた場合
   ④ その他①から③までの場合に準ずる事業団の責に帰することのできない理由で説明会を開催することができない場合
  (六) (五)により説明会を開催しない場合には、準備書の縦覧期間内に次に掲げる方法のうち適切なものにより、準備書の周知に努めること。
   ① 概要書を関係住民に提供すること。
   ② 準備書の要旨を公報、日刊紙等に掲載すること。
   ③ その他事業団が準備書の周知を図るために適切な方法
第二 環境影響評価書に係る事項
 一 環境影響評価書(以下「評価書」という。)は、別添二の要領に従つて作成すること。
 二 第一の二及び三(二(一)⑤は除く。)は、評価書の公告、縦覧につき準用する。この場合「準備書」とあるのは「評価書」と読み替えること。
第三 準備書の変更等に係る事項
 一 準備書の変更
   実施要領第二の二(一)による準備書の送付後、実施要領第二の四(一)による評価書の作成までの間において、準備書についてその記載事項の内容を変更する必要があると認めるときは、事業団はその変更する部分に係る環境影響評価に関する手続等を実施要領第二の一から四までの例により行うものとすること。ただし、その変更が環境に著しい影響を及ぼすおそれがないと認められる等により、その手続等の全部又は一部を行わない場合は、次に掲げる事項を準備書又は評価書(変更後に行う手続が評価書の作成以後の手続である場合は評価書)に記載すること。
  ① 内容の変更を行つた年月日
  ② 準備書の記載事項の変更の内容及び変更の理由
 二 対象事業の廃止等
  (一) 実施要領第二の二(一)による準備書の送付後、実施要領第二の四(二)の縦覧期間の満了の日までの間において、対象事業を実施しないこととした場合、対象事業を対象事業以外の事業に変更した場合又は対象事業の実施を他の対象事業として他の事業者に引き継いだ場合には、事業団は準備書の送付を受けた者(実施要領第三の一により評価書を送付した後であるときは、準備書の送付を受けた者及び評価書の送付を受けた者)にその旨を通知するとともに、実施要領第二の二(一)による公告の後であるときは、関係地域においてその旨を第一の二(二)に定める方法により行うこと。
  (二) 他の事業者が実施しようとする他の対象事業の実施を引き継ぎ、当該他の対象事業が対象事業であるときは、従前の事業者が当該他の対象事業について行つた手続等で実施要領に基づく手続等に相当するものについては、事業団が当該対象事業について行つたものとみなすこととし、従前の事業者について行われた手続等は事業団について行われたこととみなすこと。
 三 対象事業の内容の変更
   評価書に記載された対象事業の内容を変更して対象事業を実施しようとする場合には、当該対象事業については、実施要領第二の一から四まで及び第三に定める手続等を行うこと。ただし、その変更が次に掲げる場合はこの限りではない。
  ① 事業の規模が事業施行区域内において単純に縮小されるもの
  ② 対象事業の規模の拡大その他の変更で、その実施により環境に著しい影響を及ぼすおそれのないもの
  ③ 対象事業に係る公害の防止又は自然環境の保全のために行われる緑地、緩衝空地等の整備であるもの


別表
第一 記載事項等
  準備書の記載事項及び構成は以下を基本とすること。
 一 概要
  (一) 対象事業の名称
  (二) 名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地
  (三) 対象事業の内容の概略
  (四) 環境に及ぼす影響の評価の結論
 二 対象事業の目的及び内容等
  (一) 目的
  (二) 内容等
    対象事業を実施しようとする区域及びその面積、事業の構造等の概要及び工事期間等並びに造成した土地において予定されている事業活動等の概要
 三 地域の概況
   対象事業を実施しようとする区域及びその周辺地域の気象、水象等の自然条件及び人口、産業等の社会条件
 四 調査結果
  (一) 調査項目
  (二) 調査結果の概要
 五 予測
  (一) 予測及び評価項目
  (二) 対象事業の実施による影響の内容及び程度の予測
 六 公害の防止等及び自然環境の保全のための措置
 七 評価
   対象事業の実施による影響の評価
第二 体裁
 一 用紙の規格は、原則として日本工業規格B四判によること。
 二 横書き、左とじにすること。

第一 記載事項等
  評価書の記載事項及び構成は以下を基本とすること。
 一 概要
  (一) 対象事業の名称
  (二) 名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地
  (三) 対象事業の内容の概略
  (四) 環境に及ぼす影響の評価の結論
  (五) 準備書からの変更の内容の概略
 二 対象事業の目的及び内容等
  (一) 目的
  (二) 内容等
    対象事業を実施しようとする区域及びその面積、事業の構造等の概要及び工事期間等並びに造成した土地において予定されている事業活動等の概要
  (三) 準備書からの変更の内容と変更の理由
 三 地域の概況
   対象事業を実施しようとする区域及びその周辺地域の気象、水象等の自然条件及び人口、産業等の社会条件
 四 調査結果
  (一) 調査項目
  (二) 調査結果の概要
 五 予測
  (一) 予測及び評価項目
  (二) 対象事業の実施による影響の内容及び程度の予測
  (三) 準備書からの変更の内容と変更の理由
 六 公害の防止等及び自然環境の保全のための措置
 七 評価
  (一) 対象事業の実施による影響の評価
  (二) 準備書からの変更の内容と変更の理由
 八 関係住民の意見の概要及びそれについての事業団の見解
 九 関係都道府県知事の意見及びそれについての事業団の見解
第二 体裁
 一 用紙の規格は、原則として日本工業規格B四判によること。
 二 横書き、左とじにすること。