大変長らくお待たせいたしました。只今より環境影響評価シンポジウムを開催させていただきます。本日は、お忙しい中、また、大変お暑い中、お集まりいただきまして、ありがとうございました。私は本日の司会進行を務めます環境庁の環境影響評価課長、寺田でございます。よろしくお願いいたします。
まず、開演に先立ちまして、主催者を代表いたしまして、環境庁企画調整局長、岡田康彦よりごあいさつ申し上げます。局長、よろしくお願いいたします。
ただいま紹介いただきました環境庁の企画調整局長、岡田でございます。本日は、実はお手元のこのシンポジウムのプログラム等では私どもの大臣、真鍋環境庁長官からごあいさつ申し上げることになっておりまして、大臣もここであいさつができるということで非常に張り切っておられたんですが、ちょうど今日、この時間帯、国会のほうで拘束されてしまったということで、私、企画調整局長、岡田から環境影響評価シンポジウムの開催に当たりまして一言ごあいさつ申し上げます。大臣のごあいさつにつきましては、お手元のプログラムのすぐ見開きの最初のところに出ておりますので、お目通し願えれば幸いであります。
まず、本日は皆様方、大変お忙しい中を環境影響評価について深くご関心を持たれている方々に多数お集まりいただきまして、ありがとうございます
いよいよ明後日、6月12日に環境影響評価法が全面的に施行されることになりました。これは今までの環境アセスの制度を大きく改善するものでありまして、これによって我が国の環境アセスメントは新たな時代を迎えたと言っていいと思います。
この新たな環境アセスメントの特徴といたしましては、事業の内容を早い段階から公開し、地域住民や専門家の方などの意見を活かしながら、環境保全の観点から柔軟に事業計画を見直していくところにあります。これらの特徴、つまり、早い段階での情報公開により多様な意見を引き出すこと、そして、それらの意見を計画に反映させ、柔軟に計画を見直していくことは、環境アセスメントに限らず、行政の様々な分野で、今、必要性が指摘されているところでもございます。
また、この新しい制度では、環境基本法に対応して、地球環境、あるいは廃棄物、生態系、自然との触れ合いなどの項目が新たに環境アセスメントの対象となりました。本日のテーマであります生態系につきましては、従来実施されていなかったこともございまして、そのアセスメントの技術については、いまだ不充分な状況にあると言っていいと思います。環境庁といたしましては、生態系のアセスメント技術について調査を進めるとともに、本日の講演をお願いした先生方をはじめとする専門家の方々による検討会を設けまして、検討を重ねていただいているところでございます。その初年度の成果につきましては、本日、この席でもお話がいただけるものと思っております。
言うまでもなく、我が国は極めて豊かで多様な自然環境に恵まれております。しかしながら、経済発展を図る中で、そうした良好な自然環境を損ねてきたこともまた事実であります。健全な環境があらゆる人間活動の基盤であり、地球規模で人と自然との共生が必要であることが認識されるようになりました現在、我が国の豊かな自然と生態系を守り、次の世代に引き継いでいくことは、私たちの重大な責務であると思われます。環境庁といたしましては、新しい環境アセスメント制度の適切な実施によりまして、我が国のすばらしい自然環境を守り、将来の世代に引き継ぎ、持続可能な社会を実現することに努めてまいりたいと考えております。
本日のシンポジウムがその一助となることを心から祈念いたしまして、ごあいさつとさせていただきます。