大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術(II)TOPへ戻る
環境項目 | 水象 | 技術等の 種類 |
調査 |
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技術等の名称 | 河川低水流況観測技術 | ||
技術等の概要 | 河口感潮部や堰の背水影響区間では、水面勾配の変動、流速分布の短期変動や流向の逆転等のため、従来型の回転式流速計を用いた流速測定や、通常のH-Q曲線式による水位観測値からの流量への変換が困難である。
きめ細かな河川の水量・水質管理に対する社会的要請の高まりを受け、特に、下流部における低水観測の精度向上が重要な課題となっている。 現在、超音波流速計や超音波ドップラー流速分布計(ADCP)等の流速観測技術の進歩を背景に、低水流況把握精度の改善を行っている。 |
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調査・予測の 必要条件 |
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適用範囲 | 河川下流域 低水流況 |
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課題 | |||
参考文献 | 金子誠・吉谷純一・鈴木俊朗・松浦達郎:低水観測精度の向上方策に関する調査.建設省土木研究所 平成9年度成果概要. | ||
備考 |
環境項目 | 水象 | 技術等の 種類 |
調査 |
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技術等の名称 | 河川流況観測技術 (流量観測の省力化) |
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技術等の概要 | 流量観測精度向上および省力化のため、ラジコンボート(RCボート)に搭載した超音波ドップラー流速計(ADCP)の開発を行っている。 | ||
調査・予測の 必要条件 |
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適用範囲 | |||
課題 | |||
参考文献 | 金子誠・吉谷純一・新行内利隆・松浦達郎:流量観測技術の向上に関する調査.建設省土木研究所 平成9年度成果概要. | ||
備考 |
環境項目 | 水象 | 技術等の 種類 |
調査 |
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技術等の名称 | 簡易型波浪監視計 (浅海域の波浪観測) |
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技術等の概要 | 本波浪監視計は、浅水深における波浪諸元を簡易かつ安価に観測することができ、なおかつリアルタイムでモニターできる。
(機器構成) ・ 海底面に設置される水圧センサー ・ 簡易無線装置を搭載した小ブイ ・ 陸上データ受信装置と表示・記録装置 本監視計は、現地実証実験結果から観測精度・信頼性は満たされるものであった。また、有義波高が4m近い時化にも、システムは正常に機能した。 |
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調査・予測の 必要条件 |
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適用範囲 | |||
課題 | |||
参考文献 | 菅原一晃・永井紀彦・橋本典明・鈴木高二朗・清水康男・浪間雅晶(1997)波浪監視計の開発.港湾技術研究所資料、860、pp25. | ||
備考 |
環境項目 | 水象 | 技術等の 種類 |
調査 |
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技術等の名称 | ハイブリドパラメータモデル (沖波の波浪推算) |
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技術等の概要 | 本モデルは、短フェッチ海域の風波を対象としたパラメータ法による波浪推算モデルであり、大阪湾の気象・海象観測データをもとに開発し、東京湾において検証が行われている。
従来の有義波法やスペクトル法による推算結果と比較してより高い精度が得られることが確認されている。 |
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調査・予測の 必要条件 |
・ 地形条件;水深、構造物
・ 風条件 |
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適用範囲 | 短フェッチ海域
沖波の推算 |
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課題 | 実務レベルでの適用例は少ない。(関西新空港において適用) | ||
参考文献 | 後藤智明・末次広児・永井紀彦(1990)短フェッチ海域の波浪推算モデル. 港湾技術研究所報告、29(3)、3-26.
永井紀彦・後藤智明・小舟浩治(1990)ハイブリッドパラメータ法による波浪推算モデル(第1報)-東京湾における検討-.港湾技術研究所報告、29(4)、85-118. 後藤智明・青野利夫(1993)沿岸域における風波の周波数スペクトルと無次元パラメータの特性-ハイブリッドパラメータ法による波浪推算モデル(第2報)-.港湾技術研究所報告、32(1)、53-99. |
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備考 |
環境項目 | 水象 | 技術等の 種類 |
調査 |
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技術等の名称 | 新ブシネスクモデル (波浪変形計算) |
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技術等の概要 | Nwoguが開発したもので、線形分散特性を修正することによって、深海から浅海までの広い海域での不規則波の浅水変形計算を可能にしたものである。 | ||
調査・予測の 必要条件 |
・ 地形条件;水深、構造物 ・ 波浪条件;沖波 |
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適用範囲 | |||
課題 | 任意反射面が扱えない(防波堤等の反射条件を任意に変えられない)
実海域への適用例は殆どない。 |
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参考文献 | Okey NWOGU・高山知司・池田直太(1992)新ブジネスクモデルによる不規則波の浅水変形計算.港湾技術研究所報告、31(2)、3-19.
平石哲也・上原功・鈴木康正(1995)ブシネスク方程式を用いた波浪変形計算法の適用性.港湾技術研究所資料、814、pp22. |
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備考 |
環境項目 | 水象 | 技術等の 種類 |
調査 |
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技術等の名称 | 最大エントロピー原理法の拡張 (波浪観測値の解析手法の簡易化) |
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技術等の概要 | 本モデルは、簡便かつ汎用性に富み、あまり計算時間を要しない方向スペクトル推定法として開発されたものであり、最大エントロピー原理法(MEP)を拡張した新しい方向スペクトル推定法(拡張最大エントロピー原理法:EMEP)である。
本モデルは、ベイズ型モデルを用いた方向スペクトル推定法(BDM)と同様に観測データの誤差の影響を考慮した方法である。 また、MEPやBDMと同程度の推定精度を有し、BDMに比べて計算時間を大幅に短縮でき、パーソナル・コンピュータによるリアル・タイム処理が可能である。 |
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調査・予測の 必要条件 |
波浪観測データ | ||
適用範囲 | |||
課題 | |||
参考文献 | 橋本典明・永井紀彦・浅井正・菅原一晃(1993)海洋波の方向スペクトルの推定における最大エントロピー原理法(MEP)の拡張.港湾技術研究所報告、32(1)、3-25. | ||
備考 | 同モデルは、修正され、入・反射波共存場への適用可能なモデルの開発も行われている。
(資料) 橋本典明・永井紀彦・浅井正(1993)海洋波の方向スペクトルの推定における拡張最大エントロピー原理法の修正-入・反射波共存場を対象として-. 港湾技術研究所報告、32(4)、25-47. |
環境項目 | 水象 | 技術等の 種類 |
調査 |
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技術等の名称 | ワン・ライン(1-Line)モデル | ||
技術等の概要 | 海岸線変化として、沿岸方向の漂砂量の収支を基本として、沿岸方向の汀線の変化を予測するモデル。
モデルは以下の3つのサブモデルにより構成され、フローに示す計算を繰り返す。
なお、同モデルを拡張し、複数の等深線の位置を計算することにより、擬似的に平面的な地形変化を計算するn-Lineモデルもある。 |
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調査・予測の 必要条件 |
砕波諸元 | ||
適用範囲 | 沿岸漂砂の遮断や供給源の減少に伴う広域的かつ長期的な海浜の土砂収支については十分な精度を有している。しかし、
・ 岸沖漂砂は長期的には釣り合っている。 ・ 断面地形は漂砂帯内において初期断面地形と平行に変化する。という仮定をおいているため、 ・ 岸沖方向の漂砂移動 ・ 離岸堤や防波堤など沖合での砕波が生じる場合のこれらの構造物の影響などは考慮されない。 |
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課題 | |||
参考文献 | 土木学会海岸工学委員会研究現況レビュー小委員会(1998)漂砂環境の創造に向けて.丸善、東京、pp359. | ||
備考 | 計算時間が比較的短いため、実用的なモデルとして多用されている。 |
環境項目 | 水象 | 技術等の 種類 |
調査 |
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技術等の名称 | 三次元海浜変形モデル | ||
技術等の概要 | 海浜の変形を物理的なメカニズムに基づいて予測するモデル。
モデルは以下の3つのサブモデルによって構成され、されにその内容によって多くのモデルに区分される。 1) 波浪場の計算 2) 海浜流場の平面分布計算 3) 漂砂量と地形変化の計算 これらのステップを一度だけ実施する「定常解析」は、定性的な地形変化の傾向を把握するために用いられる。 また、各ステップの計算を繰り返す「非定常解析」は、実際の海浜変形を定量的に把握するために用いられるが、計算時間と時空間スケールを勘案して簡略化することが必要である。 漂砂と地形変化については ・ 海浜流のみを考慮するモデル ・ 砕波帯内の流れを断面平均流として解く ・ 断面平均流に鉛直1次元、あるいは鉛直2次元モデルによる戻り流れを考慮する などに区分される。 |
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調査・予測の 必要条件 |
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適用範囲 | 三次元海浜変形モデルを含む海浜変形モデルの適用範囲は、その時空間スケールからおおむね次ページの図のように表される。 | ||
課題 | 現状では時空間スケールや空間的精度に、計算機の計算時間による限界が生じており、何らかの簡略化が必要とされる。 | ||
参考文献 | 土木学会海岸工学委員会研究現況レビュー小委員会(1998)漂砂環境の創造に向けて.丸善、東京、pp359. | ||
備考 |
図 海浜変形モデルの適用範囲
環境項目 | 水象 | 技術等の 種類 |
予測 |
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技術等の名称 | 多層レベルモデルによる航路埋没の予測計算 | ||
技術等の概要 | 底泥の巻上げ・輸送・堆積により航路が埋没する、シルテーション現象を計算する数値計算手法である。 底泥の巻上げは、底層の流れに起因するものであり、底層の流れに関係する潮流と波浪による海浜流の計算と、その計算結果の流動条件による移流拡散計算が基本となる。 |
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調査・予測の 必要条件 |
・ 地形条件;水深、構造物
・ 波浪条件;沖波 ・ 潮流観測結果;潮流調和分解結果、潮流楕円等 ・ 底泥条件;粒度組成 ・ 河川等流入淡水流量 |
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適用範囲 | ・非常に微細な粘土やシルトが堆積し、底泥の巻き上げが起こりやすい浅海域
・予測内容:底泥の巻き上げ・輸送・再堆積(シルテーション現象)による航路埋没等の予測 |
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課題 | ・
粒径がシルトより小さい場合についての検証がまだ行われていない。
・ 水中から沈降する有機物(プランクトンの死骸等)にあてはめる場合には、モデルの改良が必要になるものと思われる。 |
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参考文献 | 鶴谷広一・村上和男・入江功:多層レベルモデルによる航路埋没の予測計算.海岸工学論文集、36、379-383.
鶴谷広一・村上和男・入江功・笹嶋博・糸井正夫(1994)Fluid mudを考慮した三次元シルテーション予測モデルについて.海岸工学論文集、41、1011-1015. |
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備考 |
環境項目 | 水象 | 技術等の 種類 |
予測 |
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技術等の名称 | リーフ域における波と流れの計算 | ||
技術等の概要 | |||
調査・予測の 必要条件 |
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適用範囲 | |||
課題 | |||
参考文献 | 平山克也・上原功・永松宏一・平石哲也(1998)珊瑚礁リーフにおける波と流れの計算方法.海洋工学論文集、45、161-165. | ||
備考 |