大気・水・環境負荷分野の環境影響評価技術(II)TOPへ戻る
環境項目 | 大気質 | 技術等の 種類 |
調査 |
---|---|---|---|
技術等の名称 | 高性能ガスセンサ | ||
技術等の概要 |
大気環境モニタリングの現況は、大型分析機器を用いた、ガス試料の捕集による絶対濃度の測定により行われている。大型分析機器は、高価で、大きな設置スペースも必要であることから、オンライン計測、フィードバック計測及び動態計測に不適当である。よって、これを解消し、同時多点計測による動態調査等を可能にするため、高い性能と信頼性を備えた様々なガスセンサの開発が現在進められている。 | ||
調査・予測の 必要条件 |
実用化されていない | ||
適用範囲 | |||
課題 |
環境モニタリングのためのセンサの開発に際し、以下の必要性がある。 | ||
参考となる 文献・資料 |
三浦則雄(1998)環境保全用を中心とする新しい高性能ガスセンサの研究開発.センサ・マイクロマシン部門誌.66(7)、p695. | ||
備考 |
環境項目 | 大気質 | 技術等の 種類 |
予測 |
---|---|---|---|
技術等の名称 |
自動車走行に係る排出係数 | ||
技術等の概要 | 東京都 対象物質:NOX、CO、HC、SOX、CO2、SPM 対象年:平成12年度、平成17年度 建設省 | ||
調査・予測の 必要条件 |
|||
適用範囲 | |||
課題 | 排出係数は排出ガス試験の走行パターン、年式別自動車保有台数、走行量モデル等を設定して算出されている。従って、算出された排出係数を用いる場合には、これらの設定値の対象とする地域や路線への適用性についても考慮する必要がある。 | ||
参考となる 文献・資料 |
東京都環境保全局(1997)平成8年度 東京都内自動車走行量及び排出ガス量将来予測調査. 大城 温・小根山裕之・山田俊哉・大西博文(2000)沿道における大気汚染予測に用いる自動車の排出係数について.土木技術資料、42(1).60-63. (社)環境情報科学センター(1999)環境アセスメントの技術.中央法規出版、東京、pp1018. | ||
備考 |
環境項目 | 大気質 | 技術等の 種類 |
予測 |
---|---|---|---|
技術等の名称 | 建設機械等からの汚染物質排出原単位 | ||
技術等の概要 |
建設機械からの汚染物質量の排出原単位は、従来「固定燃焼施設における大気汚染物質の排出係数に関する調査報告書」(昭和51年 環境庁)や窒素酸化物総量規制マニュアルに示される船舶用ディーゼルエンジンの値を用いる例が多かったが、最近では建設機械からの汚染物質排出量を直接計測している例が多くなっている。 | ||
調査・予測の 必要条件 |
|||
適用範囲 | |||
課題 | |||
参考となる 文献・資料 |
[1]環境庁(1995)未規制自動車からの排出実態調査報告書. | ||
備考 |
環境項目 | 大気質 | 技術等の 種類 |
予測 |
---|---|---|---|
技術等の名称 | 正規プルーム・パフモデル | ||
技術等の概要 | 有風時(u≧1m/s)には正規プルーム式、弱風時(0.5≦u≦1.0)には弱風パフ式、無風時に(u<0.5)にはパフ式を用いる。 長期濃度を求める場合には、一風向内では濃度が一様であるとし、水平方向の拡散パラメータσuに無関係とした式を用いる。 基本式は高さ方向に風向・風速が一定を条件としている。プルーム式は発生源強度及び流れの場が定常を前提としているが、パフ式は発生源強度及び風向・風速の時間変化に対応可能である。 | ||
調査・予測の必要条件 | 風速 風向 有効煙突高 大気安定度 Lidの有無・高度 | ||
適用範囲 | ・ 基本的には平坦面における定常状態に適用。非定常な場の再現には何らかの擬似的な手法を用いる必要がある。 ・ あまり複雑でない地形変化やダウンウォッシュには、有効煙突高や拡散パラメータの修正により対応が可能 ・ 積分により線源・面源にも対応可能 | ||
課題 | ・安定度階級が不連続に変化している ・Pasquill-Giffordの拡散パラメータは粗度の3cm程度の地域での実験によるものであり、都市のように粗度の大きい地域では粗度の差を無視できない。また、地上源からの拡散実験によっているため、高煙源からの拡散幅とは若干異なる。 ・ 混合層の不安定大気中での煙の挙動は混合層内での大きなスケールの流れにより煙の主軸が上下するが、この主流の向きが表現できない。 | ||
参考となる 文献・資料 |
環境庁大気保全局大気規制課(1995)窒素酸化物総量規制マニュアル〔改訂版〕.公害研究対策センター、東京、pp409. | ||
備考 |
プルーム式(基本式)
プルーム式(長期平均式)
パフ式(基本式)
パフ式(定常・無風時)
パフ式(定常・弱風時)
環境項目 | 大気質 | 技術等の 種類 |
予測 |
---|---|---|---|
技術等の名称 | ダイオキシン類濃度の予測 | ||
技術等の概要 | (1) ごみ焼却施設の煙突から排出されたダイオキシン類の拡散の状況をシミュレーションすることにより、年平均レベルの最大着地濃度及び発生距離を予測する。 (2) ゴミ焼却施設から排出されるダイオキシン類が、ガス状態及び粒子状物質に付着した状態で存在する報告があり、粒子状物質状態での拡散予測を行う。 | ||
調査・予測の 必要条件 |
(1)拡散計算モデル | ||
適用範囲 | ・ 平坦部における予測 ・ 重力沈降を考慮する場合は、ばいじんへの吸着及び粒子状物質の凝集は考慮しない。 | ||
課題 | ・発生源原単位に関して今後のデータの集積を踏まえて整備が望まれる。 | ||
参考となる 文献・資料 |
環境庁大気保全局大気規制課(1995)窒素酸化物総量規制マニュアル〔改訂版〕.公害研究対策センター、東京、pp409. 環境庁ダイオキシンリスク評価検討会(1998)ダイオキシンリスク評価検討会 報告書.都市と廃棄物、28(6)、52-59. | ||
備考 | ・ 複数の炉形式について沈降を考慮した予測を行った結果、沈降を考慮した場合における年平均最大着地濃度の増加は3~6%と考えられ、排ガス中の粒子状物質粒径のほとんどは予測条件として与えた20μmより小さいことを考慮すると、ガス状物質として拡散予測を行っても大きな誤差はないと考えられた。 ・ 準連続やバッチ形式処理の場合、炉の立ち上げ時、埋火時において高濃度のダイオキシン類が排出される。そのような非定常状態での予測の結果、年平均値への影響は10%程度であった。 |
環境項目 | 大気質 | 技術等の 種類 |
予測 |
---|---|---|---|
技術等の名称 | 煙軸修正プルーム | ||
技術等の概要 |
非定常、非一様な拡散条件を表現するため、プルーム式の煙軸を風の流れに沿ったものと想定するモデル。 | ||
調査・予測の 必要条件 |
各時間毎の風速・風向・大気安定度・Lidの有無・高度 | ||
適用範囲 | |||
課題 | |||
参考となる 文献・資料 |
環境庁大気保全局大気規制課・浮遊粒子状物質対策検討会(1997)浮遊粒子状物質汚染予測マニュアル.東洋館出版社、東京、pp398. | ||
備考 |
環境項目 | 大気質 | 技術等の 種類 |
予測 |
---|---|---|---|
技術等の名称 | 沈着を考慮したプルーム式 (Surface Depletion Model, Horst,1977) | ||
技術等の概要 | 裸地表面から飛散する粒子状物質(浮遊粒子状物質、降下ばいじん)の着地濃度(年平均値)を予測するモデル。 同モデルでは、濃度の鉛直分布を考慮し、一定方位内の水平濃度が均等になると仮定した下式を用いる。 | ||
調査・予測の 必要条件 |
気象条件 粒子状物質発生原単位 | ||
適用範囲 | |||
課題 | 排出原単位の設定(事例では裸地表面からの飛散量は興嶺・鈴木(1982)の式を、発破についてはWalter(1965)を用いている) | ||
参考となる 文献・資料 |
|||
備考 | 大阪府(1986)阪南丘陵開発計画に係る土砂採取事業に関する環境影響評価書 |
環境項目 | 大気質 | 技術等の 種類 |
予測 |
---|---|---|---|
技術等の名称 | EPAのスクリーニング手法 | ||
技術等の概要 | 米国環境保護庁(EPA)が提供する簡易な大気汚染物質濃度予測手法。 EPAでは、検討対象となる事業が大気質に与える影響について、 STEP1 単純な手法による影響が微細であるかどうかの確認 STEP2 最大短期濃度による影響の検討 STEP3 詳細な予測検討 のステップを踏んだスクリーニングを推奨している。 最も簡単なスクリーニング手法は、"Screening Procedures for Estimating the Air Quality Impact of Stationary Sources Revised"により提供され、基本的に上記STEP2までが電卓レベルで計算が可能なようになっている。 また若干複雑な手法として、パソコン上で稼働する"SCREEN2"を提供している。これらのスクリーニングの結果、影響 が懸念される場合には、さらにより詳細な予測手法として推奨するモデル等が定められている。 | ||
調査・予測の 必要条件 |
STEP1:ガス排出速度 排出口径 ガス温度 気温 ガス排出量 | ||
適用範囲 | 平坦地形の固定発生源 ・ダウンウォッシュが発生しないこと ・50km圏内にプルーム高より高い地形が存在しないこと (ダウンウォッシュ、地形は、SCREEN2においては考慮されている。) | ||
課題 | 米国の気象条件、地形条件を前提にしたスクリーニング手法であり、我が国に適用するためには、条件等の適合性を考慮する必要がある。 下記の参考文献には手法の適用方法のみが記載されているため、適合性の検討には大気質予測手法に関する相応の知識が必要である。 | ||
参考となる 文献・資料 |
U.S.ENVIRONMENTAL PROTECTION AGENCY(1992)Screening Procedures for Estimating the Air Quality Impact of
Stationary Sources Revised. (http://www.epa.gov/scram001/t26.htm) | ||
備考 |
環境項目 | 大気質 | 技術等の 種類 |
予測 |
---|---|---|---|
技術等の名称 | ISC3 (Industrial Source Complex Model) | ||
技術等の概要 | 工場等の固定発生源による大気質濃度を、正規プルームにより予測するEPAの推奨モデルの一つ。短期予測を行う ISCST3と長期予測を行うISCLT3がある。 | ||
調査・予測の 必要条件 |
煙源情報:位置、排出量、煙源高さ、排出速度、煙突内径、排煙温度 気象情報:時間毎の大気安定度、風向、風速、気温、混合層高さ | ||
適用範囲 | 煙源:工場等の固定源。点源、線源、面源、さらに高さ方向のボリュームを持つ煙源に対応。 地形:郊外および都市域。平坦~起伏地形。 予測範囲:50km以下 予測時間:1時間~1年間 対象物質:一次物質 その他:沈着(乾性沈着)を考慮できる 影響を及ぼす建物から建物高さまたは幅の3倍以内の距離は、逆流域内で気流が激しく乱れるため予測できない。 | ||
課題 | 米国の気象条件、地形条件等での予測を前提に作成されているため、我が国における適応については慎重な検討が必要である。 なお、同モデルはソースコードが公開されているが、コードに変更を加えた場合には"ISC3"ではなくなることに注意が必要である。 大気安定度分類がパスキルが定めた6段階なので、日本の大気安定度(10段階分類)との対応を図る必要がある。 | ||
参考となる 文献・資料 |
U.S.ENVIRONMENTAL PROTECTION AGENCY(1995)USER’S GUIDE FOR THE
INDUSTRIAL SOUCE COMPLEX (ISC3) DISPERSION MODELS VOLUMEI- USER
INSTRUCTIONS. U.S.ENVIRONMENTAL PROTECTION AGENCY(1999)Appendix W to 40CFR Part51. Source Code等は、"National Technical Information Service(NTIS),U.S. Department of Commerce, Springfield, VA 22161 で入手可 | ||
備考 | ISC3は、EPAの7th Modeling Conference(2000年6月)により、最新版ISC-PRIMEとなり、建物によるダウンウォッシュについての取り扱いがより詳細なものとなった。 (http://www.epa.gov/scram001/t29.htm) |
環境項目 | 大気質 | 技術等の 種類 |
予測 |
---|---|---|---|
技術等の名称 | CALINE3 | ||
技術等の概要 | 高速道路からの大気質濃度を、正規プルームにより予測するEPAの推奨モデルの一つ。 | ||
調査・予測の 必要条件 |
道路条件(20路線まで):位置、構造、交通量、排出源強度、混合幅 気象条件:風速、風向、大気安定度、混合層高さ、バックグラウンド濃度 | ||
適用範囲 | 道路構造:平坦、盛土、橋梁、切土 地形:郊外および都市域。平坦。 予測範囲:50km以下 予測時間:1~24時間 対象物質:一次物質 その他:沈着(乾性沈着)を考慮できる | ||
課題 | 米国の気象条件、地形条件等での予測を前提に作成されているため、我が国における適応については慎重な検討が必要である。 なお、同モデルはソースコードが公開されているが、コードに変更を加えた場合には"CALINE3"ではなくなることに注意が必要である。 | ||
参考となる 文献・資料 |
Federal Highway Administration(1979)CALINE3-A Versatile Dispersion Model for Predicting Air Pollutant Levels
Near Highways and Arterial Streets. Interim Report FHWA/CA/TL-79/23、 Washington. U.S.ENVIRONMENTAL PROTECTION AGENCY(1999)Appendix W to 40CFR Part51. | ||
備考 |
環境項目 | 大気質 | 技術等の 種類 |
予測 |
---|---|---|---|
技術等の名称 | OCD (Offshore and Coastal Dispersion Model) | ||
技術等の概要 | 海上の煙源による大気質濃度正規プルームにより予測するEPAの推奨モデルの一つ。ダウンウォッシュ、沿岸部のフュミゲーション等を考慮することができる。 | ||
調査・予測の 必要条件 |
煙源情報:位置、排出強度、構造物高さ、煙突高さ、ガス温度、煙突内径、排出速度、煙突基部の高さ、 気象条件:風向、風速、混合層高さ、湿度、気温、水温(表層)、鉛直方向の風速切片*、気温鉛直分布*、乱流密度* (*はオプション) | ||
適用範囲 | 全ての予測点は全ての煙源より低い位置になければならない。 沈着等は考慮されない 250の点源、5つの面源、1つの線源、および180点の予測点に対応。 地表面は3600までの矩形グリッドで表現され、各グリッドについて地表、海面の区分を与える。 沈着は考慮されない。 | ||
課題 | 大気安定度分類がパスキルが定めた6段階なので、日本の大気安定度(10段階分類)との対応を図る必要がある。 米国の気象条件、地形条件等での予測を前提に作成されているため、我が国における適応については慎重な検討が必要である。 なお、同モデルはソースコードが公開されているが、コードに変更を加えた場合には" OCD "ではなくなることに注意が必要である。 | ||
参考となる 文献・資料 |
OCD:The Offshore and Coastal Dispersion Model, Version 4. Sigma Research Corporation, Westford, MA. U.S.ENVIRONMENTAL PROTECTION AGENCY(1999)Appendix W to 40CFR Part51. | ||
備考 |
環境項目 | 大気質 | 技術等の 種類 |
予測 |
---|---|---|---|
技術等の名称 | CTDMPLUS (Complex Terrain Dispersion Model Plus Algorithms for Unstable Situations | ||
技術等の概要 | 複雑地形における定常モデルであるCTDMに、非定常状態の予測を加えたモデルで、EPAの推奨モデルの一つ。煙源より高い地点の予測が可能。 | ||
調査・予測の 必要条件 |
煙源情報:煙源位置、高さ、煙突内径、吐出速度、吐出温度、排出源強度(可変排出源であれば時間毎の強度、速度、温度) 気象情報:時間毎風向風速、気温、乱流データ 地形情報:地形コンター | ||
適用範囲 | 煙源:高位置にある煙源 地形条件:郊外および都市地域、煙源より高標高の予測が可能。地形勾配は15°を超えないこと。 予測範囲:50km以下 予測時間:1時間~1年間 | ||
課題 | 米国の気象条件、地形条件等での予測を前提に作成されているため、我が国における適応については慎重な検討が必要である。 特に風向風速、地形等の条件から計算によって地表面の摩擦速度や上層の気象を算出するため、気象条件や地形条件の異なる地域での適用には留意が必要である。 なお、同モデルはソースコードが公開されているが、コードに変更を加えた場合には" CTDMPLUS "ではなくなることに注意が必要である。 | ||
参考となる 文献・資料 |
U.S.ENVIRONMENTAL PROTECTION AGENCY(1989)User's Guide to the Complex Terrain Dispersion Model Plus
Algorithms for Unstable Situations (CTDMPLUS).EPA Publication No. EPA-600/8-89-041. U.S.ENVIRONMENTAL PROTECTION AGENCY(1999)Appendix W to 40CFR Part51. | ||
備考 |