ボックスカルバート、パイプカルバート、橋梁下、オーバーブリッジの設置


 

環境保全措置の概要

道路事業において多く見られた環境保全措置である。
横断路の構造は道路下のボックスカルバートやパイプカルバート、橋梁下、オーバープリッジなどが一般的である。
   (「国土技術政策総合研究資料 No.393-395 June 2007」参照。」)
ボックスカルバート
主に谷筋のけもの道を代替する。多くの動物の移動経路として利用されている。
しかし、野生動物は非常に敏感で物音や人の気配を感じたときは身を隠せるような樹林やプッシュに逃げ込む習性があるため、入口付近に身を隠すことができるような植栽をすることが望ましい。
また、タヌキやイタチなどは開けた場合を好まず、ボックスカルボート内の側溝を利用することが多く、シカやイノシシなどはできるだけ大断面のボックスカルバートが適している。
出入口等に設置することの多いグレーチングはひづめのある動物(シカ等)は嫌うことや、小動物が落下するので設置は避ける。
ボックスカルバート
パイプカルバート
中小動物(タヌキ、テン、イタチ、カメ類等)に対しては排水用管路を利用した移動経路が有効である。
常時流水がある場合は段を付け歩きやすいようにするとよい。
パイプカルバート
橋梁下
主に谷筋のけもの道を代替する。
大きな空間が確保できるとともに、現況に近い状態で移動経路を確保でき、沢部に設置する場合は多くの動物が利用する水辺沿いの移動経路を確保できる。
できるだけ改変を避けるとともに、動物の移動を妨げる構造物(立ち入り防止柵等)の設置は避けるようにする。
オーバーブリッジ
主に尾根部のけもの道を代替する。
オーバーブリッジの設置にあたっては、出入口付近や側壁部への植栽や、路面を土にするなどの誘導措置が望まれる。
オーバーブリッジ

 

評価書で本環境保全措置が記載されている事業

・表中”事業名称”の該当する事業名称をクリックすると、事業ごとの環境保全措置の情報が得られます。
・表中”事業主体の関連サイト”右のURLをクリックすると、該当する事業の事業主体が公開しているサイトをみることができます。
・表中”事後調査情報サイト”右のURLをクリックすると、該当する自治体が公開しているサイトをみることができます。
事業名称 対象種

「都市計画道路大内白鳥バイパス線(一般国道11号大内白鳥バイパス)」(発行年月:2004年3月)(所在都道府県:香川県)

イタチ属

「祓川水系伊良原ダム建設事業」(発行年月:2005年3月)(所在都道府県:福岡県)

ニホンヒキガエル、ニホンアカガエル、ヤマアカガエル

「成田新高速鉄道線建設事業」(発行年月:2005年11月)(所在都道府県:千葉県)

(動物・生態系)

「都市計画道路 出水阿久根線」(発行年月:2005年12月)(所在都道府県:鹿児島県)

カスミサンショウウオ

「美保飛行場拡張整備事業」(発行年月:2005年12月)(所在都道府県:鳥取県)

(重要な哺乳類・地上徘徊性動物)

「一般国道464号北千葉道路(印旛?成田)」(発行年月:2005年11月)(所在都道府県:千葉県)

(動物・生態系)

「函館圏都市計画道路1・4・3新外環状線」(発行年月:2006年11月)(所在都道府県:北海道)

ニホンテングコウモリ、エゾクロテン、テン類、キタキツネ

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