海外における戦略的環境アセスメントの技術手法と事例(平成13年9月)

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3.総合開発計画に関するSEAの事例分析(アメリカ)

(1)事例分析の視点

 総合開発計画に関する事例として、サンホアキン郡(アメリカカリフォルニア州)の総合計画プログラム2010に関するSEA、及び、そこで位置付けられた新規の地域開発計画(マウンテンハウスの宅地開発)のEIAを取り上げた。事例分析においては、同じ土地利用系の分野で、一連の流れとして採択された総合開発計画及び地域開発計画においてそれぞれ行われた環境影響評価の内容を整理することにより、SEAとEIAに求められる役割の違いを明らかにした。取り上げたSEA及びEIAの事例は以下の通りである。

総合開発計画に対するSEA

宅地開発計画に対するEIA

注)SEAを実施した時点では、サンホアキン郡総合計画プログラム2010にマウンテンハウスを含む5つの新規/拡張地域開発が位置付けられていたが、実際に採択された計画にはマウンテンハウスは盛り込まれず、それ以外の2つの新規/拡張地域開発のみが盛り込まれた。その後、サンホアキン郡総合計画プログラム2010の採択の半年後に同計画の部分的な修正が行われ、マウンテンハウス地域開発がそこで初めて正式に総合計画プログラムの中に位置付けられた。本調査で後続のEIAとして取り上げたものは、マウンテンハウス地域開発が正式に位置付けられた後、地域開発の許可に際して検討されたマウンテンハウスマスタープランや同事業計画などを対象に実施されたEIAである。

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