海外における戦略的環境アセスメントの技術手法と事例(平成13年9月)

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第1章 諸外国のSEA制度の概要

SEAに先進的に取り組んでいるアメリカ、オランダ、カナダ、イギリス、EUの5か国・地域を取り上げ、[1]制度名/年、[2]制度体系、[3]概要、[4]対象、[5]手続、[6]公衆・専門家・環境担当部局等の関与、[7]評価の対象範囲、[8]評価の視点(複数案の比較評価など)、[9]評価書記載内容について概要を整理した。

アメリカ及びオランダは、制度上、事業実施段階の環境影響評価(EIA)とSEAとを分けておらず、同一の法制度によって両者を規定している。

カナダについては、閣議命令によりSEAが規定されており、EIAとは別の制度として位置付けられている。

イギリスでは、中央政府及び地方公共団体それぞれにおいて、政策あるいは計画に関する環境政策評価の取り組みが行われている。環境政策評価とは、政策の経済的意味付けについて評価する際に環境面の費用便益をそれに統合するものであり、このため、費用便益の計測が重視されているという特徴を持つ。

EUでは、2001年6月に「一定の計画及びプログラムの環境に及ぼす影響の評価に関する2001年6月27日の欧州議会及び欧州理事会の指令2001/42/EC」が採択され、7月に発効している。EU加盟国は、発効後3年以内にこの指令の要求事項に対応する国内措置を整備する必要がある。

いずれの国・地域の制度においても、手続の過程における公衆・専門家・環境担当部局等の関与が求められており、また、複数案の検討が本質的な要素とされている。

以下に、これらの国・地域の制度の概要を示した。

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