平成13年度第1回全体会合
資料2-1

技術シート

登録番号:土壌-1

環境項目

土壌

技術等の種類

調査

技術等の名称

簡易土壌調査法

技術等の概要

 土壌サンプラーをガソリンエンジン付き動力ハンマーで打ち込み、不攪乱土壌試料や土壌ガスを採取する。採取した土壌試料は、トリクロロエチエレンなどの揮発性有機化合物であればPIDガスクロや検知管を用いて、現場で汚染状況の溶出濃度を簡易に調べることができる。

 

 

 

 

調査・予測の必要条件

 浅い不攪乱試料の採取であれば、2名程度が作業できる面積、高さ3m程度のスペースが必要。

 コンクリート等の床面は、別途カッターで小孔掘削が必要。

 

 

適用範囲

 

 

対象物質:重金属(Cd、Pb、As、Se等)、無機化合物(シアン等)、還元性無機化合物(Cr6+等)揮発性有機化合物(ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等)、難揮発性有機化合物(PCB等)、揮発性炭化水素(ベンゼン等)、農薬(有機燐化合物、1,3-ジクロロプロペン、チウラム、シマジン、チオベンカルブ等)

地  質:N値が15(砂礫を含まない)以下の土壌であれば採取可

(但し15m以浅)。

 

 

課題

 N値が15以上の砂礫あるいは砂礫混じりの土壌には不適。

 騒音は直近で95dB程度ある。

 液状物質の場合には、不攪乱試料採取時に逃がす可能性がある。

 粘土など不透水層を打ち抜くと、浅い土壌・地下水汚染では汚染物質を深層にまで侵入させる可能性がある。

 

 

 

参考とした

文献・資料

(社)土壌環境センター(1999)土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針および運用基準.

山本 勇(1997)地層・地下水・地下空気汚染診断のための効率的な試料採取・分析技術.環境と測定技術、24(9)、26-31.

 

 

備考

 孔の大きさによるが、試料の採取孔は土壌ガス吸引井や観測井として使用可

 

 

 

 

 

技術シート        登録番号:土壌-2

環境項目

土壌

技術等の種類

調査

技術等の名称

車載型地中試料採取技術

技術等の概要

 揮発性物質による土壌・地下水汚染調査として、土壌/土壌ガス/地下水採取用プローブを目的に応じて油圧ハンマーで打ち込み、試料を採取する技術である。そのため打撃式簡易ボーリングに比較して作業効率がよく、作業員の労力も軽減できる。

 

 

 

 

 

調査・予測の必要条件

 バギー車(1.5m×2m程度)の入るスペースが必要。

 建屋内での作業には、排ガスに留意する必要がある。

 コンクリート等の床面は、別途カッターで小孔掘削が必要。

 

 

 

適用範囲

 

 

対象物質:重金属(Cd、Pb、As、Se等)、無機化合物(シアン等)、還元性無機化合物(Cr6+等)揮発性有機化合物(ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等)、難揮発性有機化合物(PCB等)、揮発性炭化水素(ベンゼン等)、農薬(有機燐化合物、1,3-ジクロロプロペン、チウラム、シマジン、チオベンカルブ等)

 

 

課題

 騒音は作業者近くでは95dB程度になる。

 液状物質の場合には、不攪乱試料採取時に逃がす可能性がある。

 粘土など不透水層を打ち抜くと、浅い土壌・地下水汚染では汚染物質を深層にまで侵入させる可能性がある。

 

 

 

参考とした

文献・資料

(社)土壌環境センター(1999)土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針および運用基準.

 

 

 

 

備考

 孔の大きさによるが、試料の採取孔は土壌ガス吸引井や観測井として使用可。

 

 

 

 

 

 

 

技術シート        登録番号:土壌-3

環境項目

土壌

技術等の種類

調査

技術等の名称

パックテスト

技術等の概要

 試薬が密封されたポリエチレンチューブに、使用時にピンで穴をあけ、試料水をスポイトと同じように吸い込み、指定時間後に標準色と比色することによって、濃度を測定するものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

調査・予測の必要条件

水溶液で測定

 

 

 

 

適用範囲

 

 

対象物質:重金属(As、Ni、Cu、Zn等)、無機化合物(シアン等)、還元性無機化合物(Cr6+等)

適用濃度:数十~数百ppb以上

 

 

 

 

課題

 

 

 

 

 

参考とした

文献・資料

浦野紘平・石井誠治(1998)水質簡易測定技術の開発状況と応用.水環境学会誌、21(5)、2-7.

 

 

備考

 土壌環境基準の適合状況は、公定法にて行うこと。

 

 

 

 

 

 

技術シート        登録番号:土壌-4

環境項目

土壌

技術等の種類

調査

技術等の名称

酸抽出溶出促進金属測定法

技術等の概要

 土壌中の重金属分析において、最も時間とコストのかさむ分析試料溶液作成までの前処理過程の効率化を目的として開発された分析法。すなわち、塩酸溶液で土壌中の重金属を短時間で抽出し分析する、簡易迅速分析法。

 公定法を補完する方法として用いることができる。

 

 

 

 

 

 

 

調査・予測の必要条件

 

 

 

 

 

適用範囲

 

 

対象物質:重金属(Cd、Pb、As、Se等)

 

 

 

 

 

課題

 抽出効率が良いため、公定法に比べ対象範囲を広く見積るおそれがある。

 

 

 

 

参考とした

文献・資料

(社)土壌環境センター(1999)土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針および運用基準.

 

 

 

 

 

備考

 土壌環境基準の適合状況は、公定法にて行うこと。

 

 

 

 

 

 

 

技術シート        登録番号:土壌-5

環境項目

土壌

技術等の種類

調査

技術等の名称

検知管調査法

技術等の概要

 検知管はガス漏れ簡易調査法として普及している。一般には対象ガスを検知管を通して100ml採取し、検知管内に封入された検知剤の変色長さから、対象物質のガス濃度を現場で読みとる。表層土壌ガス調査法は、削孔した小孔底付近にまで検知管を挿入し、地上から検知管を通して土壌ガスを採取してトリクロロエチレンなどの汚染物質濃度を読みとる。

 

 

 

 

 

 

調査・予測の必要条件

 土壌ガス採取に直径2~3cm、深さ1m程度の小孔掘削が必要。

 削孔が容易であれば、1地点の調査時間は数分~数十分。

 コンクリート等の床面は、別途カッターで小孔掘削が必要。

 

 

適用範囲

 

 

対象物質:揮発性有機化合物(ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等)、揮発性炭化水素(ベンゼン等)

適用濃度:検出感度は1ppmv以上

地  質:不飽和帯、透水層

 

 

 

課題

 トリクロロエチレンなど揮発性有機化合物を塩化水素に還元して分析するため、個々の物質の同定はできない。

 検出感度が低いため、高感度分析法と同等レベルの検査結果を得るためには、調査地点数はかなりの数に上る。

 

 

 

参考とした

文献・資料

(社)土壌環境センター(1999)土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針および運用基準.

 

 

 

 

備考

 地下水汚染プルーム調査や汚染源探査調査技術として、土壌ガス調査を応用した技術にライン調査法がある。

 

 

技術シート        登録番号:土壌-6

環境項目

土壌

技術等の種類

調査

技術等の名称

ヘキサン固定法

技術等の概要

 土壌ガス採取用の小孔底から土壌ガスをガスタイトシリンジで採取し、現場で土壌ガスに含まれている揮発性物質をミニバイアルに入れたヘキサンに固定する。ヘキサンを実験室に持ち帰り、ガスクロ分析を行う。採取するガス量は、土壌ガス濃度により異なるが、通常は数十ml程度であり、これを数mlのヘキサンに固定する。

 物質の判別は可能で、通常の研究機関の分析のできる比較的感度の高い調査法。

 

 

 

 

調査・予測の必要条件

 土壌ガス採取に直径2~3cm、深さ1m程度の小孔掘削が必要。

 現場での作業時間は検知管法と同程度。研究室での分析に時間がかかる。

 コンクリート等の床面は、別途カッターで小孔掘削が必要。

 

 

 

 

適用範囲

 

 

対象物質:揮発性有機化合物(ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等)、揮発性炭化水素(ベンゼン等)

適用濃度:1mlのヘキサンに100mlの土壌ガスを打ち込めば100ppbvの検出感度がある。

地  質:不飽和帯、透水層

 

 

課題

 実験室に持ち帰り、分析する場合は、結果が出るまで時間がかかる。

 

 

 

参考とした

文献・資料

(社)土壌環境センター(1999)土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針および運用基準.

 

 

 

 

備考

 地下水汚染プルーム調査や汚染源探査調査技術として、土壌ガス調査を応用した技術にライン調査法がある。

 

 

 

 

 

 

技術シート        登録番号:土壌-7

環境項目

土壌

技術等の種類

調査

技術等の名称

活性炭吸着/電磁加熱脱着質量分析法

技術等の概要

 先端に活性炭粉末を付着させた磁性ワイヤーをバイアルビン(直径3cm、長さ20cm程度に装填し、このテストピースを深さ30cm程度に埋め込む。現場に2~3週間放置するが、その間に地下化や上昇してきた揮発性物質を活性炭に吸着させ、テストピース回収の後、質量分析計で分析する。

 結果は濃度の絶対値ではなく、イオンカウントとして表示されるが、高感度で表層土壌ガスの相対濃度が分かる。

 汚染源探査や工場敷地内の土壌ガス高濃度地域など、低濃度から高濃度までの土壌ガス調査技術として普及している。この技術は、元々石油など地下資源探査技術として開発された技術である。

 

調査・予測の必要条件

 直径15cm、深さ30cm程度の小孔を掘削し、テストピースを埋め込む

 現場での汚染物質の吸着に2~3週間と分析時間が必要。

 

 

 

適用範囲

 

 

対象物質:揮発性有機化合物(ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等)、揮発性炭化水素(ベンゼン等)

適用濃度:濃度換算で1ppbvまで検出できる。

地  質:不飽和帯、透水層

 

 

 

課題

 汚染物質の吸着や分析にかなりの時間が必要である。

 

 

 

 

参考とした

文献・資料

(社)土壌環境センター(1999)土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針および運用基準.

 

 

 

 

 

備考

 地下水汚染プルーム調査や汚染源探査調査技術として、土壌ガス調査を応用した技術にライン調査法がある。

 

 

 

技術シート        登録番号:土壌-8

環境項目

土壌

技術等の種類

調査

技術等の名称

吸着熱脱離/GC法

技術等の概要

 現場で削孔した小孔から土壌ガスを吸引し、土壌ガスに含まれる揮発性成分をカラムに充填した活性炭に吸着濃縮する。この吸着管から熱脱離させた揮発性成分を携帯用ガスクロ(PID)を用いて分析する。そのため現場で土壌ガス成分の高感度分析ができる。分析器を含め、調査一式は車載されている。

 土壌ガスを吸引し、その濃度に応じて活性炭に濃縮する技術であり、現場で携帯用ガスクロを用いて分析する。

 汚染源探査や工場敷地内の土壌ガス高濃度地域など、低濃度から高濃度までの土壌ガス調査技術として普及している。

 

調査・予測の必要条件

 土壌ガスの採取に直径2~3cm、深さ1m程度の小孔が必要。

 土壌ガス採取地点確保の面積と携帯用分析用車両の駐車面積が必要。

 コンクリート等の床面は、別途カッターで小孔掘削が必要。

 

 

適用範囲

 

 

対象物質:揮発性有機化合物(ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等)、揮発性炭化水素(ベンゼン等)

適用濃度:揮発性有機化合物濃度で1ppmvまで検出できる

地  質:不飽和帯、透水層

 

 

 

課題

 

 

 

 

 

参考とした

文献・資料

(社)土壌環境センター(1999)土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針および運用基準.

 

 

 

 

備考

 地下水汚染プルーム調査や汚染源探査調査技術として、土壌ガス調査を応用した技術にライン調査法がある

 

 

 

 

技術シート        登録番号:土壌-9

環境項目

土壌

技術等の種類

調査

技術等の名称

酵素免疫法

技術等の概要

 抗原抗体反応を利用した分析方法である。特定の有害物質と結合する抗体をつけた試験管に試料水を入れて抗体と反応させ、反応しなかった抗体に酵素(標識物質)を結合させ、これに試薬を加えて酵素反応による生成物を発色させて分光光度計で吸光度を測定する。

 抗原抗体反応を利用して特定化合物を検出するので、きわめて選択的であり、夾雑物の多い試料に適している。また、アメリカ環境保全局(EPA)で承認を得ているキットも多く、信頼性が高い。

 

 

 

調査・予測の必要条件

 

 

 

 

 

適用範囲

 

 

対象物質:ダイオキシン類(水中でppt~ppb)、PCB(土壌中で0.5ppm~)、ベンゼン(水中で5ppb)、農薬(シマジンで水中0.03ppb~)他

 

 

 

 

 

課題

 対象物質に対応する抗体が必要であり、やや高価である。

 

 

 

参考とした

文献・資料

浦野紘平・石井誠治(1998)水質簡易測定技術の開発状況と応用.水環境学会誌、21(5)、2-7.

日色和夫(1996)バイオ技術による水質の簡易測定法の紹介.環境技術、25(11)、51-56.

 

 

 

 

備考