平成12年度 第1回検討会
議事資料

参考資料1

表-2 代表的な計量心理学的測定手法

方法的
分類
測定法 目的・分析対象 方法の概要
評価尺度を伴わない方法 観測的方法 アイマーク・レコーダー 注視点行動 アイマークカメラを用い、注視点行動の観測を行う方法。
視覚記憶測定法 想起法 情報量、イメージ分析 被験者の自由な意見を聞いたり、イメージマップや絵画を描かせたり、ある対象(事物の名称や写真等)によって連想される事物や対象を聞いたりする方法。
再生法(マップ法等)
再認法
評価尺度を伴う方法 分類評価尺度 選択法 分類、位置づけ n個の対象からある基準によって一つまたは複数個の対象を選択する。選択基準が評価に係わるものであれば、評価法としての意味を持ってくる。測定データは、単純に選択頻度によって順位付け評価を行うのが一般的。その他対象の特性を分析する意味でクロス集計による連関分析、選択の不確実性を測度とする情報理論などの処理法がある。
序数評価尺度 評定尺度法 分類、位置づけ、重み付け 評価尺度を被験者に示し、その対象を位置づけさせる方法。このうち、数値尺度法は、何らかの意味で順位づけられたn個のカテゴリーに1~nといった数値を与えておき、対象をどれかのカテゴリーに配置させる方法であり、その尺度を一定の距離(間隔)尺度と見なす。
品等法(順位法) 対象をある基準のもとに順位付けさせる方法。この方法による評価は、各対象の各試行での順位番号、順位値の総和、平均値、メディアンによって行うのが一般的。
一対比較法 n個の対象を二つずつの組み合わせにし、その対ごとに上位判定を行わせ、その判定を統計処理によって順位付けする方法。順位付けや距離尺度を構成するデータとしての信頼性が高い。データは主に距離尺度を導くのに用いられる。
距離評価尺度 分割法 重み付け  
系統カテゴリー法
等現間隔法
比例評価尺度 マグニチュード推定法 刺激量と心理量の対応 ある刺激の持つ刺激量を直接推定する方法。得られる尺度は比例尺度とされる。まず一つの標準刺激を設定し、その刺激量を100とする。次に比較刺激を与え、標準刺激に対する刺激量を推定させ、この平均を感覚的刺激量として各刺激を位置づける間隔尺度を構成する。
百分率評定法  
倍数法  
多元的評価尺度 SD法 意味、情緒 評価性、潜在性、活力性の三つの主要な因子を代表する形容詞対を選択し、「非常に」「かなり」「やや」「普通」等の重み付けがされた評価尺度にしたがって測定する。測定の内容や対象により、3~9段階の評価尺度があり、測定結果は中央値「普通」を0として数値化して分析される。
観測的方法あるいは評定尺度による方法 調整法 閾値、等価値等定数の決定 比較刺激を被験者が自由に変化させ、標準刺激と同等感じる刺激を探っていく方法。
極限法 ある刺激を段階的に変化(上昇/下降)させ、所定の反応を被験者に行わせる方法。
恒常法 程度の違う刺激をランダムに与え、得られた反応から閾値を推定する方法。得られた反応から閾値を求める方法には、直線補間法、算術平均法、加算法、正規グラフ法、最小自乗法等がある。