*1 | a:一般の価値判断,既往の研究等から得られた知見の適用 |
b:被験者を用いて直接評価データを取得するための手法(アンケート・ヒアリング、計量心理学的手法等) | |
*2 | 調査方法等のうち、計量心理学的な測定手法については、表-2参照。 |
№ | 手法分類(*1) | 適用要素 | 空 間タイプ | ジャンル | 調査方法等(*2) | 概要 | 資料の出典等 [1]研究等のタイトル:、[2]:出典、[3]:著者、[4]:発行年 |
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景観資源 | 眺望資源 | 眺望点 | ||||||||||
a | b | |||||||||||
1 | ● | ● | ● | ● | 都市~近郊 | シンボルとなる景観資源の抽出とその構成要素の分析 | 道内都市部住民を対象とした想起アンケート | ・ | アンケートにより想起された地点・施設について、カテゴリー分け(景観分類、立地傾斜度、対DID立地条件等)し、その傾向について分析。 | [1] | 北海道におけるシンボライズされた都市景観要素としての緑地 | |
[2] | 造園雑誌 48(5) 270-275 | |||||||||||
・ | カテゴリーの分析により、対象地の特性・傾向等(自然的-人工的、歴史的-近代的等)の把握が可能としている。 | [3] | 浅川昭一郎、鈴木幹雄、小林昭裕 | |||||||||
・ | 当該研究では、こうした分析の成果を都市計画立案にあたって配慮すべき事項として活用することを提案。 | [4] | 1985 | |||||||||
2 | ● | ● | ● | ● | 全般 | 眺望タイプ別に視点場となりやすい場所を抽出 | 地域住民に対するアンケート調査とその分析 | ・ | 好まれる眺望を視点と視対象との関係から「[1]通景(ヴィスタ景)」「[2]囲繞景・中近景」「[3]囲繞景・遠景」「[4]水平景」に区分。それそれの保全対象とすべき典型的な視点場を抽出。 | [1] | 好んで眺める風景と視点場等の保全 | |
[1]通景:谷詰の独立峰、裏山・神社等の境内、峠、渓流上等 | [2] | 小原豊明 | ||||||||||
[2]囲繞景・中近景:田園の中の小高い丘、周辺の山、自宅及びその周辺、上流の山・峠、下流の河川敷等 | [3] | |||||||||||
[3]囲繞景・遠景:高台・公園等、土手、地区外の山・峠 | [4] | |||||||||||
[4]水平景:高台、公園、高架、河川敷、河口、海岸等 | ||||||||||||
3 | ● | ● | ● | 緑地 | 緑地の抽出とそれに対する市民意識の把握 | 空中写真判読、一般市民アンケート調査 | ・ | 長野市内の都市計画区域全域を対象に、1/25,000航空写真から1,000㎡以上の緑地を抽出、分布地区や緑地種別(公園、山林、河川、社寺林等)で分類し、その分布傾向を分析。 | [1] | 都市計画における緑地の調査研究(Ⅱ)緑地意識と緑地の保全・整備、長野市を事例として- | ||
・ | 一般市民3,000人を対象としたアンケート調査により長野市全域及び居住地周辺の「多い緑、少ない緑、残したい緑」について意識を把握。その結果以下のような傾向が得られている。 | [2] | 第14回日本都市計画学会学術研究発表会論文集、415-420 | |||||||||
[1]緑に対する意識は身の回りの緑量によって規定される、[2]緑の認知は視覚的に見えること、もしくは利用することにより生じる、[3]居住地周囲の山林や社寺林等の歴史性のある緑の認知が高い、[4]河川緑地の認知度が全般的に低い | [3] | 丸田頼一、阿部邦夫、島田正文、峯村富太 | ||||||||||
[4] | 1979 | |||||||||||
4 | ● | ● | ● | 河川 | 河川景観に対する評価決定要素の分析 | アンケート結果を数量化Ⅱ類を用いて分析 | ・ | 数量化Ⅱ類を用いて河川を撮影した5枚の写真に対する評価(親しみを感じるか否かの二極)を外的基準とし、一般市民アンケート結果から抽出した河川イメージを要因として分析。 | [1] | 大阪市内における都市河川の景観分析に関する一考察 | ||
[2] | 土木学会第35回年次学術講演会講演概要集 第4部、328-329 | |||||||||||
・ | 調査結果では、河川景観の評価要素としては、「自然性」や「広々とした」といった空間要素よりも「護岸形状」「澄んでいる」といった河川形態が重要である点が確認された。 | [3] | 佐藤道彦、松川昭夫、浜田圭一郎 | |||||||||
[4] | 1980 | |||||||||||
5 | ● | ● | 自然風景地~全般 | 景観解析(地域区分)の基本的手法・考え方について | メッシュアナリシス、オーバーレイ | ・ | 景観の構造分析には、大きく分けて以下の2通りが考えられる。 | [1] | 自然風景地計画のための景観解析 Ⅰ | |||
[1]結節地域型:景観の主題をなす中心核とその影響圏からなるような結節地区ごとに区分していく方法。中心核となるものが優先的に決まっている(≒絶対的な保全対象が存在する)場合に適する。 | [2] | 観光、15,58-64 | ||||||||||
[2]均等地域型:均等の特性を持つモザイク的な地区に区分していく方法。前者に対し、中心核となるものが曖昧な場合や、小規模多数の中心核が分布する場合に適する。 | [3] | 塩田敏志、小島通雅、前田豪、布施六郎 | ||||||||||
・ | 景観解析を行う場合の分析指標は、客観的な結果を導くために、個人的な偏差のない物理的指標を用いる必要がある。 | [4] | 1967 | |||||||||
・ | 景観解析は、対象地域にメッシュをかけ、各グリットについて各種指標を用いた評価をする方法が挙げられる。メッシュの大きさは、計画の内容、対象地域や内包される景観のタイプにより適切に設定する必要がある。 | |||||||||||
・ | 景観タイプは大きく「囲繞景観」「眺望景観」に分類される。一般に囲繞景観は直接的操作(創造)が可能であるが、眺望景観は操作不可能である。ただし、囲繞景観の操作により、眺望景観の評価を変化させることは可能である。 | |||||||||||
6 | ● | ● | 自然風景地~全般 | 囲繞景観の解析手法・考え方について | メッシュアナリシス、オーバーレイ | ・ | 囲繞景観には眺望景観と異なり、近・中・遠景といった距離的概念が内包される。ただし、囲繞景観と眺望景観の区別は単純に距離で決定されるのではなく、全体の景観のスケール感等により個々に異なってくる。 | [1] | 自然風景地計画のための景観解析 Ⅱ | |||
[2] | 観光、16,63-69 | |||||||||||
・ | 囲繞景観は、概ね[1]地表状態(自然生態系)、[2]集落その他(人工造型系)、[3]地形の要素から決定される。 | [3] | 塩田敏志、小島通雅、前田豪、布施六郎 | |||||||||
[4] | 1967 | |||||||||||
7 | ● | ● | 自然風景地~全般 | 眺望景観の解析手法・考え方について | メッシュアナリシス、オーバーレイ | ・ | 眺望景観の良否は、基本的に[1]眺望地点の状況(遠くがよく見えること)、[2]眺望対象の状況(興味を惹く対象があること)の2点によって決定される。 | [1] | 自然風景地計画のための景観解析 Ⅲ | |||
[2] | 観光、17,58-64 | |||||||||||
・ | 眺望の解析には、[1]視界量(可視空間量、どれだけ広い範囲が見渡せるか)、可視/不可視(興味対象が見えるか)、興味対象の見込角(興味対象の水平・垂直方向の見えの大きさ)、視野構成(仰・俯瞰、興味対象との間に介在する地物等)等を総合的に判断する必要がある。 | [3] | 塩田敏志、小島通雅、前田豪、布施六郎 | |||||||||
[4] | 1967 | |||||||||||
8 | ● | ● | 湖岸 | 湖岸景観の類型化 | 地形×土地利用を用いた区分、メッシュアナリシス併用 | ・ | 琵琶湖を対象に湖岸景観と後背の内陸地の景観を個別に類型化、次にその関連性を考慮しつつ類型化した事例。 | [1] | 景観類型化から見た湖岸環境に関する考察 | |||
・ | 湖岸から最大250m程度内陸側までを湖岸を形成する領域と捉え、類型化の対象領域としている。 | [2] | 昭和56年度 第16回日本都市計画学会学術研究発表会、361-366 | |||||||||
・ | 第1段階として出現する要素の複雑度(モザイク度)と出現する要素の内容(地形や土地利用)により湖岸、後背地それぞれを類型化し、第2段階としてその組み合わせの状況により再整理、最終的には19の類型に区分している。 | [3] | 中岡義介 | |||||||||
[4] | 1981 | |||||||||||
9 | ● | ● | ● | 海岸 | 海岸・海上に係る視点の類型化 | 海にまつわる古地名(例:日和山等)や文学に描写された視点位置等を分析 | ・ | 海岸景観の体験の仕方は、概ね以下の3タイプに区分される。 | [1] | 海岸景観及びその体験の典型に関する研究 | ||
[1]陸上視点の典型:実用視点としては「ウオミ、ヒヨリミ」等の内海と外海を対比的に眺める視点が典型的、情緒的視点としては、海陸境界が混沌とした領域若しくは明瞭な様を観賞する視点が挙げられる。 | [2] | 昭和60年度 第20回日本都市計画学会学術研究論文集、391-395 | ||||||||||
[2]海上視点の典型:視点の移動に伴い変化する陸側の眺望を興味対象とする。 | [3] | 斎藤潮 | ||||||||||
[3]情緒的視点の典型:視点と視対象との間に樹木や霧等が介在することが多い。 | [4] | 1985 | ||||||||||
10 | ● | ● | 自然風景地 | 風致的重要性から見た森林の類型化手法 | 森林に係わる定量的諸条件を用いて類型化を行うためのフローを確立 | ・ | 森林の風致的価値を[1]学術・歴史・文化的価値、[2]レク・保健休養価値、[3]環境保全価値の3つに定義。 | [1] | 森林の風致的類型化に関する研究 | |||
・ | 上記を定量的に評価するため、法規制(自然公園、文化財、鳥獣保護等)、レク利用の有無・レク地との位置関係、景観眺望性等の観点から21の指標を設定。 | [2] | 造園雑誌 48(5) 258-263 | |||||||||
・ | 風致林の類型化の方法として、上記指標を用いたフロー形式のチェックリストを確立。フローに基づき風致林を3タイプ6種(都市環境林、文化環境林、厚生休養林、各2種ずつ)に区分、それぞれの風致施業の方向性を検討。 | [3] | 油井正昭、石井弘 | |||||||||
・ | なお、当該研究は、国有林小林班を1ユニットとして取り扱うことを前提とし、指標も森林簿、事業図で判別可能なものと現地調査が必要なものとに分けて検討されている。 | [4] | 1985 | |||||||||
11 | ● | ● | ● | 農村 | 農村集落を対象とした空間構成分析 | 地域住民ヒアリング、文献調査、現地踏査 | ・ | 方名、地名の分析、現地の地形や土地利用の観察、地元古老へのヒアリング結果から、地域の伝統的な空間認識を解明。 | [1] | 農村集落の民俗空間構成に関する研究 | ||
・ | [2] | 造園雑誌 48(5) 318-323 | ||||||||||
[1]地形に応じた場所の認識、[2]特徴的な場所に対する認識、[3]神社・河川等を基準とした位置関係の認識、[4]海・山を基準とした集落外への方向性、[5]地名と集落内社会との関連づけ、[6]ハレ・ケ・ケガレの場の認識、[7]集落内眺望点の認識 | [3] | 笹谷康之、中村良夫 | ||||||||||
[4] | 1985 | |||||||||||
12 | ● | ● | やや都市的な地域 | 河岸(土手)の形態による水辺快適性・親水性の分析 | ・ | 水辺の快適性評価は、水辺への下りやすさと水辺の快適性によってもたらされ、水辺の快適性は土手からの眺めと水遊びによってもたらされ、水遊びは水の中への入りやすさと土手の斜度によってもたらされる。 | [1] | 実験現場による水辺快適性の評価 | ||||
[2] | 環境情報科学、14-3 | |||||||||||
・ | 水辺の快適性を評価する心理的項目は、水辺を構成する法面傾斜角、底質、水鳥、植被率、水面油膜の有無、水面と陸との段差、水温、流速、SS、水際の傾斜度、河川敷の植生高と関連がある。 | [3] | 青木陽二 | |||||||||
[4] | 1985 | |||||||||||
13 | ● | ● | 全般 | 水辺の価値の分析・整理 | 風景写真・絵画の題材としての水辺の位置づけを分析 | ・ | 水辺に対する満足度は、水のきれいさ、流れの緩急等の水そのものの条件のほか、静けさ、空地の有無、アクセス性等が総合的に関連して評価される。 | [1] | 水辺風景論 風景画・風景写真分析からの試み | |||
・ | また、その場の雰囲気だけではなく、社会的・人間的・生活的関係の総合的関わりから捉える必要がある。 | [2] | 国立公園、374,8-21 | |||||||||
・ | E・H・ズーベらによるフォトモンタージュを用いた実験では、水のない風景よりある風景の方が総じて評価が高い。 | [3] | 進士五十八 | |||||||||
・ | 水辺の価値には、[1]直接的接触価値(生活・レク利用)、[2]間接的接触価値(景観・人文的価値)、[3]存在価値(環境保全価値)がある。 | [4] | 1981 | |||||||||
14 | ● | ● | 写真の構図分析 | ・ | 写真分析結果では、上流から下流に向けて、自然的要素は減少し、人工的(生活的)要素が増加する。 | [1] | 望ましい環境に関する意識調査 | |||||
[2] | 国立公園、367,18-21 | |||||||||||
[3] | 寺田達志 | |||||||||||
[4] | 1980 | |||||||||||
15 | ● | ● | 不定 | 既往知見の整理による景観の価値判断基準の整理 | - | ・ | 景観の価値は、概ね以下の通り整理される。 | [1] | 自然風景地における景観アセスメントの諸問題 | |||
[1]精神的安らぎ、快適性(安らぎのある、親しみやすい、開けた、気分転換となる、地域のシンボルとなる眺め) | [2] | 造園雑誌46(1):27-34 | ||||||||||
[2]美的満足感の充足(崇高な、雄大な、繊細な、統一性のある、力強さのある、安定した、迫力のある美) | [3] | 屋代雅充 | ||||||||||
[3]知的欲求を満たす(珍しさ、新しさ、古さ、研究や観察の対象) | [4] | 1982 | ||||||||||
[4]自我の保存(歴史的、原始的、聖域的風景、国民的原風景) | ||||||||||||
16 | ● | ● | ● | 全般 | 絵画を用いた河川様式の類型化 | 数量化Ⅲ類 | ・ | 名所図絵、浮世絵等に描かれた河川について数量化Ⅲ類を用いて19の様式に類型化。 | [1] | 河川景観の象徴的表現形式に関する研究 | ||
[2] | 土木学会第36回年次学術講演会講演概要集、135-136 | |||||||||||
・ | 類型ごとに河景の楽しみ方、つまり視点位置(水辺、土手等)と視軸(流軸、対岸)との関係に一定の法則性があることも明らかになった。 | [3] | 平田昌紀、中村良夫、北村眞一 | |||||||||
[4] | 1981 | |||||||||||
17 | ● | ● | 観光レク地全般 | 観光レク地の資源性評価(触れ合いの場との関連性大) | 定量的諸条件を用いた点数化による観光レク地のポテンシャル評価 | ・ | 単位面積内に存在する観光レク資源(自然系・人文系)を点数化することで資源評価を行ったケーススタディ。 | [1] | 北海道地域観光開発の構想計画 | |||
・ | 資源評価に用いる主な指標は以下の通り | [2] | 同上 | |||||||||
・ | <自然系>標高、高原・展望地・湿原・湖沼・渓流・瀑布・海岸・温泉・良好な植生等の有無、 | [3] | 日本観光協会 | |||||||||
・ | <人文系>利用量、交通施設(空港・道路・鉄道)、レク施設・特殊人文景観等の有無、法規制(自然公園、鳥獣保護区等)の有無 | [4] | 1970 | |||||||||
18 | ● | ● | レク地~全般 | 多様性評価による景観評価手法(触れ合いの場との関連性大) | 自然景観を構成する定量的諸条件を点数化し、評価。 | ・ | キームステッド(1967)によれば、空間の多様性は以下の4つの要素で決定するとされ、これらの要素について1/25,000スケール2km正方メッシュを単位として点数化、隣接メッシュの状況に応じて補正することにより、景域の多様性評価が可能としている。 | [1] | 多様性価値による景域評価手法 | |||
[1]境界値:植生・水辺(静水・流水)の境界線の距離 | [2] | ランドスケープ 19、28-31 | ||||||||||
[2]起伏量値:メッシュ内の最高/最低地点の標高差 | [3] | 勝野武彦 | ||||||||||
[3]土地利用値:土地利用の状況(水面・樹園地・樹林・痩地・水田・畑地等) | [4] | 1976 | ||||||||||
[4]気候因子:気温や降水量。ここでは簡略化のために主に海抜高度により得点化している。 | ||||||||||||
19 | ● | ● | ● | 不定 | 2色間の色彩調和 | 一対比較法による調和色の選定 | ・ | 明度が大きいほど、2色間の色彩が調和する。 | [1] | 測色と色彩心理 | ||
[2] | 同上 | |||||||||||
・ | 彩度差の調整のみでは調和が得られにくい。 | [3] | テレビジョン学会・NHK | |||||||||
[4] | 1973 | |||||||||||
20 | ● | ● | ● | 自然風景地 | 視距離に応じた建築物の色彩特性 | 極限法による視認距離の測定 | ・ | 視認性が特に高いのが白色、特に低いのが茶色。 | [1] | |||
[2] | 東京農業大学卒業論文集 | |||||||||||
・ | この傾向は、無雪期において不変である。 | [3] | 近藤文子 | |||||||||
[4] | 1974 | |||||||||||
21 | ● | ● | ● | 市街地 | 高架構造物の規模に応じた視覚的影響(圧迫感) | 調整法による圧迫感閾値の測定 | ・ | 高架構造物による圧迫感を回避するには、視距離/高架の高さ=4以上が望ましい。 | [1] | 新交通システムの都市景観に及ぼす影響に関する一考察 | ||
[2] | 土木学会誌、1975,9 | |||||||||||
・ | 背景に高架よりも高い建築物が存在する場合、圧迫感は軽減される。 | [3] | 樋口忠彦、篠原修、小柳武和 | |||||||||
[4] | 1975 | |||||||||||
22 | ● | ● | ● | 自然風景地 | 建築物の視野占有率 | 評定尺度法による評価決定要素の分析 | ・ | 水平画角約60゜の写真上では、建築物の画面占有率が3~4%を越えるとプラス評価が得られなくなる。 | [1] | 国立公園集団施設地区の景観評価に関する研究 | ||
建築物の配置の仕方による印象変化 | ・ | 建築物等の画面占有率が同じ場合、分散配置よりも集中配置の方がマイナス評価が減少する。 | [2] | 土木学会学術講演会概要集 | ||||||||
[3] | 樋口忠彦、田口勤、長坂富雄 | |||||||||||
[4] | 1976 | |||||||||||
23 | ● | ● | ● | 自然風景地 | 法面の視野占有率の閾値 | 極限法による視野占有率の閾値測定、一対比較法による選好度比較 | ・ | 道路の法面が気にかからなくなる閾値は、35mmカメラ35mmレンズ撮影写真中の視野占有率0.021%(室内実験の場合0.019%)である。 | [1] | コンクリート系のり面の大きさと目立ちやすさについて | ||
[2] | 道路建設が自然景観におよぼす影響調査報告書(その2) | |||||||||||
法面形状による調和性の変化 | ・ | 台形、三角形、二子山型の3種類の法面形状では、台形、二子山型、三角形の順で目立ちにくくなる。 | [3] | 樋口研究室 | ||||||||
[4] | 1980 | |||||||||||
24 | ● | ● | ● | 不定 | 建築物等の圧迫感・存在感 | 写真を用いたマグニチュード推定法・恒常法による閾値、評価決定要素の分析 | ・ | 建築物等による圧迫感は、見えの面積、仰角要因の規定力が大きい。 | [1] | 土木施設景観の計量心理的評価手法に関する研究 | ||
・ | 存在感(目立ち度)では背景との色彩対比の規定力が大きい。 | [2] | 土木学会年次学術講演会講演概要集第4部 | |||||||||
建築物の圧迫感・存在感と仰角との関連 | ・ | 対象への仰角が15゜~20゜以上になると、建築物・工作物等の種類を問わず圧迫感が生じる。 | [3] | 小柳武和 | ||||||||
[4] | 1976 | |||||||||||
25 | ● | ● | ● | 自然風景地 | 視距離に応じた壁面テクスチャーの処理手法 | 恒常法による閾値の測定、評定尺度法・品等法による選好順位付け、想起法によるイメージ分析他 | ・ | 自然風景地で目立ちにくい壁面とするには、複雑な色合いや陰影変化を備える必要がある。 | [1] | 風景と建築の調和技術 | ||
・ | 視距離100~200m程度であれば、微細な表面処理(タイル・レンガ張り等)が望ましい。 | [2] | 国立公園、356,4-11/359,17-22 | |||||||||
・ | 視距離200~1,500m程度であれば、より大きな壁面のスケール変化(ベランダや軒の設置、窓の配置による明暗処理等)が望ましい。 | [3] | 進士五十八、麻生恵 | |||||||||
・ | 壁面の凹凸により生じる明暗模様の明部の角度は、0.07~0.13゜(視距離1kmの場合、1~2m幅)が適正である。 | [4] | 1979 | |||||||||
建築物形態(屋根形状、縦横比)による調和性の変化 | ・ | 縦長、正方形、丸屋根状の外郭形状(特に縦長)は、あらゆる背景下においても調和しにくい。 | ||||||||||
・ | 横長及び勾配屋根は調和しやすい。特に緩勾配屋根は、あらゆる背景下で最も高い評価が得られた。 | |||||||||||
・ | 横長形状の場合、縦横比1:3が最も高い評価が得られる(1:4が横長の上限)。 | |||||||||||
・ | 背景の比高が大きい場合、横幅の小さいものが調和する(45゜スカイラインの場合、1:√3が最適)。 | |||||||||||
稜線に対する建築物設置位置 | ・ | 建築物等はできるだけ低い位置(稜線から下がった位置)に配置すべきである。 | ||||||||||
・ | 高い位置に設置されるものほどスケールを小さく抑えるべき。 | |||||||||||
建築物の視野占有率の許容限界 | ・ | 視野占有率が同等の場合、縦長形状よりの横長形状の方が視覚的許容限界が高い。 | ||||||||||
・ | 水平画角約40゜の場合、建築物等の視野占有率の許容限界値は、縦長では0.04%、横長では0.06%である。 | |||||||||||
調和に適した建築物の色彩 | ・ | 風景地建築には茶系等が最も好ましく、ついで、緑・青が好ましい。 | ||||||||||
・ | 赤(夏季に忌避)、白(冬季に忌避)は嗜好の季節変動が大きい。橙・黄色は全般的に好ましくない。 | |||||||||||
・ | 自然風景地に調和する明度/彩度は、3.5~5.5/3.0~6.0(夏景色)、4.0~6.0/3.0~6.0(冬景色)である。 | |||||||||||
26 | ● | ● | ● | 市街地~山地 | 独立峰の前景に出現する建築物の影響要因 | 一対比較法による順位付け、調整法による閾値測定 | ・ | 独立峰の前景に建築物が出現する場合、山の中心部よりも左右端にセットバックされた方が景観破壊の印象が低い。 | [1] | モンタージュ写真による岩手公園からのビルディングを伴う岩手山の景観解析 | ||
・ | 山の中心部からのセットバック距離が同等の場合、建築物による山体の遮蔽面積が小さいほど景観破壊は小さい。 | [2] | 土木学会年次学術講演会講演概要集第4部、330-331 | |||||||||
[3] | 安藤昭 | |||||||||||
[4] | 1980 | |||||||||||
27 | ● | ● | ● | 不定 | 背景に対する切り土法面の大きさの評価 | 評定尺度法による評価決定要素の分析、閾値の推定 | ・ | 法高/背景の高さ=0.2~0.3を越えると「切り土面が背景に対して大きい」という評価が得られはじめる。 | [1] | 道路の切土法面の景観評価に関する研究 | ||
・ | 上記の傾向は、法の面積によらず概ね一定である。 | [2] | 土木学会年次学術講演会講演概要集第4部、338-339 | |||||||||
・ | 切土法面のスケール感は一次背景によって決定され、二次背景の有無はあまり影響しない。 | [3] | 山田順一、窪田洋一、小柳武和、中村良夫 | |||||||||
・ | 背景にピークがある場合、ピークと法面との位置関係によらず、スケール感は山頂と法高との高さ比で決定する。 | [4] | 1980 | |||||||||
法面の出現位置によるスケール感・安定感の変化 | ・ | 法面のスケール感は、法の出現位置の高低に係わらず切土の実高/背景の高さによって決定される。 | ||||||||||
・ | 法面出現位置の高低と視覚的な安定感との関連性について、法面底辺の高さ/背景の高さ=0.35~0.45を越えると不安定感が増す。 | |||||||||||
28 | ● | ● | ● | 自然風景地 | 自然風景地内で好まれる建築物等の色彩 | 写真を用いたSD法による選好度推定 | ・ | 濃黄緑、灰、灰/暗茶、明茶/灰赤が好ましい。 | [1] | 自然景観地内建築物色彩イメージについての実験的研究 | ||
・ | 暗茶、暗灰緑等の地味な色はあまり好まれないがカモフラージュの観点からは有望である。 | [2] | 日本造園学会春季大会発表会要旨、57-58 | |||||||||
・ | 鮮赤、青、オレンジ等の派手な色は好まれない。 | [3] | 麻生恵、永嶋正信、進士五十八、西川生哉、児玉晃 | |||||||||
・ | 複数の色の組み合わせでは、対比色より同系色の方が好まれる。 | [4] | 1981 | |||||||||
29 | ● | ● | ● | 自然風景地 | 送電鉄塔の位置・規模の変化に応じた背景となる山稜に対する混乱度 | 写真を用いた極限法による閾値測定 | ・ | スケール比(鉄塔の高さ/背景となる山の高さ)が1/2を越えると景観に混乱が生じ始める。 | [1] | 自然風景地における垂直構造物の視覚的影響 | ||
・ | シルエット率(鉄塔のスカイラインからの突出量/鉄塔の高さ)が1/2以上の場合、景観に大きな混乱が生じる。 | [2] | 造園雑誌、45(4)、247-254 | |||||||||
・ | 高い位置に設置されたものや、複数の鉄塔の設置位置の高低差が大きいほど混乱が大きい。 | [3] | 熊谷洋一、若谷佳史 | |||||||||
・ | 鉄塔相互のスパンが均等な場合、地形を無視した印象を与え、不均等の場合、無秩序性が増大する。 | [4] | 1982 | |||||||||
30 | ● | ● | 不定 | テクスチャーの特性に関する基礎的研究 | 観察的手法 | ・ | テクスチャーの見え方を把握するには、テクスチャーにより生じる明暗のパターンに着目することが有効である。 | [1] | 景観におけるテクスチュアに関する研究 | |||
・ | 実際の眺望対象の観測では、テクスチャーとしての明暗パターンの1周期を見込む視覚の大きさ(テクスチャーとして認識される見込角)は、最小6~10’、最大1~2゜である。(それ以下だとテクスチャーとして識別できず、以上だと一つの要素として認識される) | [2] | 造園雑誌、44(2),102-108 | |||||||||
[3] | 屋代雅充 | |||||||||||
[4] | 1980 | |||||||||||
31 | ● | ● | 不定 | 視野特性 | ・ | 人間の静視野は、一般に60゜とされる。これは35mmフィルム28~35mmレンズで撮影した写真に近い。 | [1] | 人間の視知覚特性 | ||||
[2] | 新体系土木工学 59 土木景観計画、68-71 | |||||||||||
熟視角 | ・ | 人間の熟視角(対象をはっきりと見ることのできる視角)は、一般に1~2゜とされる。 | [3] | 篠原修 | ||||||||
[4] | 1982 | |||||||||||
32 | ● | ● | 不定 | 視距離に応じた視認特性(近景・中景・遠景の区分) | ・ | 樹林を眺めた場合、340~460mから2.1~2.8kmがテクスチュアの見やすい範囲(中景)であり、それ以下が近景(樹林内の単木を確認できる領域)、以上が遠景(樹林のテクスチュアが消失し、地形のうねり等が卓越する領域)となる。 | [1] | 人間の視知覚特性 | ||||
[2] | 新体系土木工学 59 土木景観計画、90-91 | |||||||||||
[3] | 篠原修 | |||||||||||
[4] | 1982 | |||||||||||
33 | ● | ● | 不定 | 仰角 | ・ | スプライレゲンによれば、視点から視対象への仰角に応じて、<45゜以上>完璧な囲繞感、<27゜>囲繞感の閾値、<18゜>最低限の囲み感、<14゜以下>囲繞感の消失、とされている。 | [1] | 人間の視知覚特性 | ||||
[2] | 新体系土木工学 59 土木景観計画、91-95 | |||||||||||
俯角 | ・ | 俯瞰景の場合、俯角-10゜~-45゜が視覚的に最も重要な領域となる。 | [3] | 篠原修 | ||||||||
[4] | 1982 | |||||||||||
34 | ● | ● | 自然風景地 | 視距離に応じた建築物の視覚的印象の支配要因の変化 | ・ | 自然風景地内における建築物の視覚的印象を支配する要素は、当該建築物に近づくにしたがい、「視野に占める大きさ→輪郭の複雑さ→色彩→表面のテクスチャー」と変化する。 | [1] | 自然風景地における建築デザインの基本に関する景観的考察(上) | ||||
・ | 建築物の影響圏を小さくするためには縦長よりも横長形状の方が適する(横長形状の方が小さく見える)。 | [2] | 国立公園,307,1-6 | |||||||||
・ | 背景となる地形の起伏が大きい方が建築物の影響を受けにくい。 | [3] | 進士五十八、斎藤利弘、麻生恵、田沼和夫 | |||||||||
・ | スカイラインに近い方が影響力が大きい。 | [4] | 1975 | |||||||||
35 | ● | ● | 自然風景地 | 建築物の色彩の一般的特性 | ・ | 茶色が自然景観と最も調和する | [1] | 自然風景地における建築デザインの基本に関する景観的考察(下) | ||||
・ | 白色は視認性は高いが、対比調和色として有望 | [2] | 国立公園,308,6-11 | |||||||||
・ | 赤、橙、黄色等はアクセント的に用いる | [3] | 進士五十八、斎藤利弘、麻生恵、田沼和夫 | |||||||||
・ | 紫の使用は論外 | [4] | 1975 | |||||||||
36 | ● | ● | ● | 森林 | 森林景観の評価基準(触れ合いの場との関連性大) | SD法、現場実験による林内透視度の測定 | ・ | 緑被率が30~90%を越えると「やすらぎ感」の評価が高くなる。 | [1] | 都市居住者の自然を求める行動の要因を調べる(植生の相観に着目した調査) | ||
・ | タイプの異なる複数の植生に対する評価では、[1]見通しが良し植生ほど高い評価が得られる、[2]同一植生の場合、林床植生の植物高が低いものほど評価が高い、という結果が得られた。 | [2] | 都市の人間環境、37-54 | |||||||||
[3] | 品田穰 | |||||||||||
・ | 上記で「やすらぎ」評価の高い植生では、共通して50m以上の見通し距離を有していた。 | [4] | 1987 | |||||||||
37 | ● | ● | ● | 森林 | 景観評価、快適性評価(触れ合いの場との関連性大) | 極限法を用いた現場実験による林内空間閾値の測定 | ・ | 森林内の天井高(見通し度)を実測し、森林評価の目安とする方法。(品田穰によれば、50m程度の見通しが確保されれば人間はやすらぎを感じるとされる) | [1] | やすらぎの空間を図る | ||
[2] | 森を調べる50の方法((社)日本林業技術協会)、154-157 | |||||||||||
・ | 当該知見では、L=1m、W=6cmの着色ベニヤ版をつけた測竿をランダムに移動させ、それぞれの地点で被験者が「森林内の天井に達した」と感じる地点まで測竿を上げ、その高さを記録する方法を採っている。 | [3] | 比屋根哲 | |||||||||
[4] | 1997 | |||||||||||
38 | ● | ● | ● | 自然風景地~全般 | 法面の景観評価のうち、植被状況に関する指標、評価基準 | 複数の法面に対するSD法を用いた分析 | ・ | 法面の景観評価は植生の状況(全被度、優占種、優占種被度、優占種地上高)と密接に関係しており、それぞれが法面の景観評価の指標となりうる。 | [1] | 法面の景観評価について | ||
[2] | 日本造園学会春季大会研究発表要旨、51 | |||||||||||
・ | 優占種:木本類、全被度:80%以上、優占種被度:70%以上、優占種地上高:2m以上の場合、良好な評価が得られる。 | [3] | 吉田博宣 | |||||||||
[4] | 1981 | |||||||||||
39 | ● | ● | 森林~全般 | 快適性評価(触れ合いの場との関連性大) | WBGT(湿球黒球温度指数)の実測 | ・ | 気温、日射、湿度、風速からなる「温熱環境」の総合的な計測指標であるWBGTを用いた場の快適性の評価手法。 | [1] | 森林の快適性を図る | |||
・ | WBGTの実測値を日本衛生学会の許容基準等との比較により、温熱環境の快適性を定量的に把握することが可能。 | [2] | 森を調べる50の方法((社)日本林業技術協会)、156-161 | |||||||||
・ | 実験結果では、草地>高密林>疎林の順でWBGTが高いことが確認されている。 | [3] | 大石康彦 | |||||||||
・ | データロガーの活用により、継続的な無人計測も可能。 | [4] | 1997 | |||||||||
40 | ● | ● | ● | 森林~全般 | 環境に対する心理反応(触れ合いの場との関連性大) | SD法(実施方法についての概説) | ・ | 環境に対する心理反応を客観的に捉える心理学的手法の一つとしてSD法を紹介。 | [1] | 人の心の動きを探る | ||
・ | SD法は形容詞対からなる評定尺度(通常5~7段階)を配置した調査票を用い、被験者に対象に対するイメージについて評定尺度上に○をつけさせる。 | [2] | 森を調べる50の方法((社)日本林業技術協会)、188-191 | |||||||||
・ | その結果について因子分析を用い、因子負荷量と因子軸を求め、最後に因子軸の持つ意味について因子軸を構成する評価尺度から考察する。 | [3] | 大石康彦 | |||||||||
・ | 因子分析はパソコン統計処理ソフトで実施可能。統計処理には最低10人以上の被験者が必要。 | [4] | 1997 | |||||||||
41 | ● | ● | ● | 森林~全般 | 景観分析・評価(触れ合いの場との関連性大) | 写真を用いた一対比較法、順位法 | ・ | 写真を用いた景観評価手法として「一対比較法」と「順位法」を紹介。 | [1] | 景観の写真判定 | ||
[1]一対比較法:撮影した複数の写真で総当たりの対をつくり、2者択一で好ましいものを選択させ、その結果を統計処理し、好ましい景観の順位付けを行う方法。 | [2] | 森を調べる50の方法((社)日本林業技術協会)、168-173 | ||||||||||
[2]順位法:撮影した複数の写真を好ましい順に並べさせ、その結果を統計処理、好ましい景観の順位付けを行う方法。 | [3] | 小林正吾 | ||||||||||
・ | 同一写真を用いた上記2通りの実験結果では、概ね同様の傾向が得られている。なお、森林を対象にした実験では、[1]林内の見通しがよい、[2]太い幹が直立している、[3]林床が低い植生に覆われているものが高い評価を得る傾向にある。 | [4] | 1997 | |||||||||
42 | ● | ● | ● | ● | 全般 | 景観分析・評価(触れ合いの場との関連性大) | レンズ付きフィルムを用いた観測的手法(現場写真撮影) | ・ | 被験者にレンズ付きフィルムを渡し、対象地内の写真を自由に撮らせ、写り混んだ画像の主題、構成等を分析する。 | [1] | レンズ付きフィルムも使いよう | |
・ | 撮影された写真に写った対象の分析(特定の興味対象、要素、構図等)や緑被率等を分析し、好まれる特定の対象や地区景観の基調となる要素等の抽出に用いる。 | [2] | 森を調べる50の方法((社)日本林業技術協会)、174-177 | |||||||||
[3] | 比屋根哲 | |||||||||||
・ | 調査にあたっては、被験者に歩行ルート、撮影地点、撮影した写真に対するコメント等を記録させることが望ましい。 | [4] | 1997 | |||||||||
43 | ● | ● | ● | ● | 全般 | 景観分析・評価(触れ合いの場との関連性大) | CCDカメラ付きビデオを用いた観測的手法(現場映像・音声記録) | ・ | 被験者の頭部に小型CCDカメラを取り付け、ビデオ映像及び音声を記録する。 | [1] | ビデオ画像で行動を知る | |
・ | 撮影された映像(視線の方向、動作、注視対象等)や音声(感嘆等)を分析する。 | [2] | 森を調べる50の方法((社)日本林業技術協会)、182-187 | |||||||||
・ | 一定間隔で静止画像をサンプリングし、緑被率や空間構成等を分析すれば、対象地域の景観の傾向の把握が可能。 | [3] | 大石康彦 | |||||||||
[4] | 1997 | |||||||||||
44 | ● | ● | 全般 | 景観分析・評価、嗜好性分析(触れ合いの場との関連性大) | 現場体験を伴うAHP法 | ・ | AHP法を用いて好ましい場(景観)の順位付けや、その評価基準、評価構造等を分析する手法。 | [1] | 見えないものを見えるようにする方法 | |||
[2] | 森を調べる50の方法((社)日本林業技術協会)、192-195 | |||||||||||
・ | AHP法では、予備実験等により適切な評価基準を設定することが重要。 | [3] | 比屋根哲 | |||||||||
[4] | 1997 | |||||||||||
45 | ● | ● | ● | ● | 全般 | 景観分析・評価(触れ合いの場との関連性大) | 想起アンケート法 | ・ | 地域住民や来訪者(調査対象地の状況を把握している不特定多数)に対し、地域を特徴づける場所、美しい場所、誇りに思う場所等の項目について、自由に回答してもらう。 | ※ | ||
・ | 回答で得られた地点について、具体的地点・対象の集計、地形・土地利用等の観点からの分類等により、地域の景観を特徴づける要素を抽出する。 | |||||||||||
46 | ● | ● | ● | ● | 全般 | 景観分析・評価(触れ合いの場との関連性大) | 自由描写法 | ・ | 調査対象地域を知る地域住民、もしくは調査対象地域の観察を終えた被験者に対し、調査対象地域で気に入った、または印象に残った景観(風景)を思い出して絵画として描写してもらう。 | ※ | ||
・ | 描かれた内容について分析し、地域の主要な興味対象、地域景観を規定する要素等を把握する。 | |||||||||||
47 | ● | ● | ● | 都市 | 景観分類・選好度評価 | 写真を用いた選択法 | ・ | 地域住民、地域外住民それぞれに70枚の写真を被験者に見せ、見ているものをグルーピングさせる。ついで各群の特色を問い、さらに各写真に選好性から見た評価をさせる。 | [1] | 筑波研究学園都市の景観の分類と評価に関する研究 | ||
・ | 実験の結果、以下のような傾向が得られている。 | [2] | 昭和55年度 第15回日本都市計画学会学術研究発表会、295-300 | |||||||||
[1]地域住民の方がやや細かくグルーピングを行う、[2]景観の評価は地域住民の方が少し良い値を示す、[3]好まれた風景は水景・造園地・旧集落であり、嫌われた景色は造成地・密集住宅地・商店街であった 等 | [3] | 青木陽二、笹谷康之 | ||||||||||
[4] | 1980 | |||||||||||
48 | ● | ● | ● | ● | 全般 | 地域住民による景観利用実態の把握 | 地図指摘調査法 | ・ | 筑波研究学園都市の新住民を対象に地域住民に地図を示し、「好ましい景観を見ている地点」「視対象の広がり」「見ている方向」「嫌いな景観を見ている地点」「自宅位置」を記入させ、さらに好ましい景観を見ている地点の状態、地点周辺の環境、地点で行う活動の種類、視対象の色・形・大きさ、利用季節、地点までの交通手段、その眺望の10点満点評価を質問する | [1] | 筑波研究学園都市の景観の分類と評価に関する研究-地図を用いた面接調査の試み- | |
[2] | 第16回日本都市計画学会学術研究発表会論文集、385-390 | |||||||||||
・ | 調査結果では、以下のような傾向が得られている。[1]地図指摘法による景観評価は生まれ育った場所の地形・交通手段、性別が有意に寄与する、[2]好ましい評価が下された景観は公園・遊歩道等の計画的に作られた景観であり、山地や田園を望む景観では眺望の方向性が生じやすい、[3]景観を劣化させる視対象は飲食店街・荒れ地等で、その要因としては騒音・埃等が挙げられた。 | [3] | 青木陽二 | |||||||||
[4] | 1981 | |||||||||||
49 | ● | ● | ● | ● | 不定 | 景観評価(触れ合いの場との関連性大) | シークエンス景観を再現したビデオ画像を用いた選択法とSD法によるイメージの評価 | ・ | 事前にアイマークカメラ装着の複数の被験者に対象領域を歩いてもらい、その平均的な注視点、注視時間を再現したビデをテープを作成(音声情報は一切無し)。以下の実験を行う。 | [1] | ビデオを利用した景観の評価 | |
[1]連続評価:ビデオをシークエンス景観として連続して上映し、好ましい、または好ましくない箇所で所定のスイッチを押し、その画像の内容を分析する。 | [2] | 第17回日本都市計画学会学術研究発表会論文集、499-504 | ||||||||||
[2]イメージ評価:つぎにSD法を用いてイメージの評価を求める。 | [3] | 丹羽富士雄 | ||||||||||
・ | 上記実験の結果、連続評価とイメージ評価には高い整合性があることが確認された。 | [4] | 1982 | |||||||||
50 | ● | ● | 自然風景地~全般 | 景観評価、快適性評価(触れ合いの場との関連性大) | AHP法(階層化意志決定法) | ・ | 5~6人程度の被験者の集団討議により、調査対象地域内に存在するアメニティ資源とその魅力因子を挙げてもらう。 | [1] | フォレストスケープの評価方法 | |||
・ | 挙げられたアメニティ資源を一対比較により得点化し、合わせてそれぞれの因子の重要度を算出し、代表的なアメニティ資源や重要度の高い因子等の分析を行う。 | [2] | フォレストスケープ 森林景観のデザインと演出、62-65 | |||||||||
[3] | 香川隆英 | |||||||||||
・ | この評価方法はレク機能や森林環境等の多様な対象の評価に汎用可能である。 | [4] | 1997 | |||||||||
51 | ● | ● | ● | ● | 自然風景地~全般 | 視点及び視対象の主題性の評価 | 著名な展望台からの眺望特性分析 | ・ | 独立峰への眺望を主題とした複数の著名な展望台からの山頂への仰角は、大半が8.7°程度であった。 | [1] | 仰角 | |
・ | また、仰角に応じて、以下のような眺望特性が得られた。 | [2] | 景観の構造、50-63 | |||||||||
<仰角5°以下>添景的要素として眺められるが、独立峰であればランドマークとしての役割を果たす | [3] | 樋口忠彦 | ||||||||||
<仰角9°近傍>独立峰を眺望するに最適な仰角であり、スカイラインのみならず山腹にも興味が持たれる | [4] | 1975 | ||||||||||
<仰角20°近傍>山を眺望するというより、むしろ山の中にいる印象を受ける | ||||||||||||
52 | ● | ● | ● | ● | 自然風景地~全般 | 視点及び視対象の主題性の評価 | 著名な展望台からの眺望特性分析 | ・ | 俯瞰景の場合、俯角-10°~-30°が眺望上最も重要な領域となる。 | [1] | 仰角 | |
・ | 俯角-10°以上であれば、視点と視対象との一体性が薄れる。 | [2] | 景観の構造、40-49 | |||||||||
・ | 俯角-30°以下であれば、視点直下をのぞき込むような状況となり、やや恐怖感を伴う。 | [3] | 樋口忠彦 | |||||||||
・ | [4] | 1975 | ||||||||||
53 | ● | ● | ● | 全般 | 地域の景観資源、眺望対象の抽出 | 地域の愛唱歌等の歌詞を分析 | ・ | 校歌や地域の愛唱歌、あるいは小中学校等の社会科教材(地域を紹介した副読本等)の中に出現する自然物、建造物等をレビューし、地域内において一般的に親しまれる景観資源、眺望対象として抽出する。 | [1] | (特になし) | ||
[2] | ||||||||||||
[3] | ||||||||||||
[4] | ||||||||||||
54 | ● | ● | ● | 自然風景地~全般 | 景観構造の基本形式の分類 | 代表的な風景形式を模式化 | ・ | 風景形式の分類に関する既往文献及び典型的な自然風景の構図分析により、風景の基本形式を20の模式に分類。 | [1] | 景観の形式 | ||
・ | [2] | スケープテクチュア、325-333 | ||||||||||
・ | [3] | 江山正美 | ||||||||||
・ | [4] | 1983 | ||||||||||
55 | ● | ● | 里地~全般 | 景域区分とその歴史的変遷の把握 | 現地踏査(現況把握)及び航空写真判読(歴史的変遷) | ・ | 長野県安曇村を事例地として植生、土地利用に着眼した景域区分を行っている。 | [1] | 自然風景地の景域保全に関する研究 | |||
・ | 航空写真を用いて現在と過去の景域変化を分析し、変化しつつある要素(失われつつある要素)を抽出。 | [2] | 応用植物社会学研究 12、1-22 | |||||||||
・ | また、変化のトレンドを把握することにより、将来的な景域変化の傾向も予測。 | [3] | 日置佳之 | |||||||||
・ | [4] | 1983 | ||||||||||
56 | ● | ● | 全般 | 景観分類の基本的手法 | 地形、土地利用等に関する既往資料の活用 | ・ | 地形×土地利用(植生)の組み合わせに着目した景観分類の基本的な手法を紹介。 | [1] | 景観分類の基本的視点 | |||
・ | 作業に用いる資料として土地利用区分図、土地条件図、地形図、植生図、各種資源分布図等を活用。 | [2] | 昭和56年度 国土景観の分類及び評価手法に関する研究報告書 | |||||||||
・ | 分類の結果を環境保全機能、郷土景観構成、レクリエーションの場等の指標で点数化し、評価を行っている。 | [3] | 環境庁委託 ㈱プレック研究所 | |||||||||
・ | [4] | 1982 | ||||||||||
57 | ● | ● | ● | ● | 河川~全般 | 河川景観の分析(景観構成要素) | 実地調査 | ・ | 河川に関わる土木構造物、あるいは河川敷の土地利用に応じたの景観的、レクリエーション的役割について整理。 | [1] | 多摩川における河川空間の整備に関する基礎的研究 | |
[2] | 新体系土木工学 59 土木景観計画、196-200 | |||||||||||
[3] | 篠原修 | |||||||||||
[4] | 1982 | |||||||||||
58 | ● | ● | ● | 河川~全般 | 河川景観の分析(シンボル性、快適性等) | アンケート、心理実験 | ・ | 複数地点で撮影した河川の写真を地域住民に見せ、撮影地点の正答率を求めることにより、景観のランドマーク性等について分析 | [1] | 都市における河川景観計画に関する方法論的研究 ほか | ||
・ | 河川に関わる様々な物理指標と河川に対する被験者の印象(快適性、安全性)の相関について心理実験により分析。 | [2] | 新体系土木工学 59 土木景観計画、200-211 | |||||||||
[3] | 中村良夫、北村真一 ほか | |||||||||||
[4] | 1982 | |||||||||||
59 | ● | ● | ● | ● | 河川 | 河川景観の歴史的変遷、河川景観の構造分析 | 現地調査、文献調査 | ・ | 河川景観を構成する要素として、堤内の地形及び土地利用、堤外の物理条件、気象条件、利用状況を抽出。 | [1] | 河川景観の変容構造の把握に基づいた河川景観諸特性の考察 | |
・ | 古文学に記された風景、あるいは旧版地形図の状況を現在と比較し、河川景観構成要素の変遷を考察。 | [2] | 造園雑誌 47(4) 205-221 | |||||||||
・ | 淀川を対象として、河川沿いのランドマークとなる要素を抽出、類型化し、その特性を分析。 | [3] | 久保貞、中瀬勲、杉本正美、阿部大就、上甫木昭春 | |||||||||
土地利用状況の同質性に基づき、沿川を複数の景観区に区分。 | [4] | 1984 | ||||||||||
現地調査、文献調査等により、河川の利用形態の歴史的変遷、行動パターン、行動における水辺の関与度を分析。 | ||||||||||||
・ | 河川景観の類型化として、上・中・下流の典型的な河川の構造特性を分析 |