2.環境保全措置の検討実績(関係機関におけるこれまでの検討実績)
表2.1 注目種等にもとづく生態系の保全方針の検討実績例(愛知万博)
環境の保全のための措置 |
|||
生態系に対する措置 |
上位性の観点 |
オオタカ・フクロウを頂点とする食物連鎖の関係性 |
・オオタカ・フクロウに関連した主要餌生物群のうち移動力が小さく土地に依存的である生産者及び低次消費者の現存量の減少を回避又は低減する。 |
カワセミ・カイツブリに着目した食物連鎖の関係性 |
・カワセミ・カイツブリの捕食・被食関係において主体を成す池沼における階層構造(階層段階・量的バランス)を維持する。 |
||
典型性の観点 |
中型哺乳類の生息の維持に必要な空間 |
・調査結果より把握されたタヌキの現行動圏内部の巣、採餌場所、移動路、休息場所等の変化を回避又は低減する。 |
|
ゲンジボタルの生息の維持に必要な水環境 |
・ゲンジボタルの現生息河川における、河川の平面・断面構造、河川水文の状況の変化を回避又は低減する。 |
||
特殊性の観点 |
シデコブシの生育の維持に必要な立地環境 |
・シデコブシ生育基盤として重要な浅層の地下水文の変化を回避又は低減する。 |
|
ウンヌケの生息の維持に必要な立地環境 |
・ウンヌケ生育基盤として重要な日照の変化を回避又は低減する。 |
表2.2 道路における環境保全措置の例(建設省)
回避・低減措置 |
[1]地形改変の最小化(「動物」、「植物」、「生態系」に適用)
<概要> <効果> <留意点> |
[2]移動経路の確保(「動物」、「生態系」に適用)
<概要> <効果> <留意点> |
[3]地下水の保全(「動物」、「植物」、「生態系」に適用)
<概要> |
[4]既存種による植栽、表土の利用(「生態系」に適用)
<概要> <効果> |
[5]照明器具の改良(「動物」に適用)
<概要> <効果> |
[6]林縁保護植栽(「植物」、「生態系」に適用)
<概要> |
代償措置 |
[1]動物及び植物の重要な種の移設・移植(「動物」、「植物」に適用)
<概要> <留意点> |
[2]代替生息地、代替生育地、代替生息・生育基盤の創出(「動物」、「植物」、「生態系」に適用)
<概要> <留意点> |
出典:(財)道路環境研究所 道路環境影響評価の技術手法 2000
表2.5 生態系の比較評価の検討実績例(愛知万博)
比較案 予測項目 |
会場計画第Ⅰ案 |
会場計画第Ⅱ案 |
生態系 |
・主要施設地区は、現況において既に人工的改変を受けた場所が大半を占めており、森林体感地区内では点的・線的し施設整備に限られ、しかも原状回復を原則としていることから生態系への影響は回避又は低減できるものと判断した。 | ・主要施設地区は、現況において既に人工的改変を受けた場所が大半を占めており、森林体感地区内では点的・線的施設整備に限られ、しかも原状回復を原則としていることから生態系への影響は回避又 は低減できるものと判断した。 ・青少年公園地区では主に既存の公園施設が整備されているエリアを中心に施設整備を進めること、フィールド施設検討区域内の施設は原則的には仮設物として会期終了後に撤去し、原状回復を図ること等から検証は行っていないが、今後も動植物の保全の観点から施設計画の検討に当たって配慮することとした。 |
生態系の存在影響に対する評価 |
0 |
注)第Ⅰ案との比較による第Ⅱ案に対する評価の判定
++:より優れている +:やや優れている 0:どちらともいえない
-:やや劣っている --:より劣っている
表2.6 総合評価のための比較マトリックスの例(愛知万博)
第Ⅰ案との比較による 第Ⅱ案の評価 | ||||
環境の自然的構成要素の良好な状態の保持 | 大気環境 | 大気質 | 工事中 | + |
供用時 | + | |||
騒 音 | 工事中 | + | ||
供用時 | - | |||
振 動 | 工事中 | - | ||
供用時 | - | |||
悪 臭 | 供用時 | 0 | ||
低周波音 | 工事中 | 0 | ||
水環境 | 水 質 | 工事中 | 0 | |
供用時 | - | |||
底 質 | 工事中 | 0 | ||
供用時 | 0 | |||
地下水 | 工事中 | 0 | ||
存 在 | 0 | |||
供用時 | 0 | |||
河川流量等 | 工事中 | 0 | ||
供用時 | 0 | |||
水辺環境 | 工事中 | + | ||
存 在 | + | |||
供用時 | 0 | |||
土壌環境・ その他の環境 |
地形・地質 | 工事中 | 0 | |
存 在 | 0 | |||
地 盤 | 工事中 | 0 | ||
存 在 | 0 | |||
土壌汚染 | 工事中 | 0 | ||
供用時 | 0 | |||
土壌(表土) | 工事中 | + | ||
存 在 | + | |||
光 害 | 工事中 | + | ||
供用時 | + | |||
生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全 | 植 物 | 工事中 | + | |
存 在 | + | |||
供用時 | + | |||
動 物 | 工事中 | + | ||
存 在 | + | |||
供用時 | + | |||
生態系 | 存 在 | 0 | ||
人と自然との 豊かな触れあい |
景 観 | 工事中 | + | |
存 在 | + | |||
供用時 | 0 | |||
触れあい活動の場 | 工事中 | 0 | ||
存 在 | 0 | |||
供用時 | 0 | |||
環境への負荷 | 廃棄物等 | 工事中 | 0 | |
供用時 | - | |||
温室効果ガス等 | 工事中 | + | ||
供用時 | + |
注)第Ⅰ案との比較による第Ⅱ案に対する評価の判定/
++:より優れている +:やや優れている
0:どちらともいえない
-:やや劣っている --:より劣っている